表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/55

カイン

タイトルからお察しのように。今回もカインパートです!

「待て、それ以上は言わないでくれ。はぁ〜、少し気分を変える。少し出かけよう、マドレーヌ」

「は、はい。承知しました」

「あと、トライアも呼んできてくれ。今回は3人で出よう」


そして、街の中・・

「トライア、働き始めてまだ2日目だが。皆の反応を見ていると、仲良くは出来ているようで良かった」

「は、はい!皆、優しくて助かってますニャ!」

トライアが笑顔で返事をする反面、心では(よ、よかったー。昨日、忍び込んだことがバレてて、呼び出されたのかと思いました〜)とホッと胸を撫で下ろしていた。

「フッ、そりゃあ・・皆、優秀だからな。トライアも初日の調子で行けば、半年もしない内に同等になれるだろう」

「あ、ありがとうございますニャ」

今まで一度も翔とコスモス以外の人に褒められても、見向きもしなかったトライアが少しだけ、ほほ笑みを浮かべた。

そして、トライアが顔を背けている間に・・

「あの・・カイン様。気のせいかもしれませんが、誰かにつけられてませんか?」

「んっ?言われてみればそうだな」

2人は一切振り返ることなく、気配だけで察し。会話を続ける。


「それも2・・4人くらいの気配だ。そのうちの3人は足音やらを隠しているみたいだが。一人だけ、気配の隠し方も雑なのがいるようだ」

「流石ですね、カイン様。それで、いかが致しますか?しばらく歩いても続けるようなら、対処を」

「いや、いい。町中で騒動を起こすわけにはいかない」

相手の強さが不確定な分、3人でやり合えば被害が出ることは確実だ。

「・・昨日、トライアからスリに出くわしたと聞いたのですが」

「そのことについては別に気にしてはいない。僕の力があれば、撃退くらいなら!」

カインの能力は前にも披露したが、能力は引力。そして、斥力も合わせ持っている。

「そうですよね。私達から仕掛けるのはやめておきましょうか」

「ああ。とりあえず、店にでも入ろう。せっかくの息抜きだ!お茶とケーキでも嗜んで、やり過ごすとするか」

そして、引き続き店まで歩いている時だった。


「カイン様!」

突然、後ろから走り出してきた存在の目の前にマドレーヌが立ちふさがる。

「ちっ!鋭いな」

「って、子供?」

子供はマドレーヌのことをジッと睨みつけている。

「この子・・昨日もカイン様の取ろうとした子と同じです」

「何回取ろうとしても、別に怒ったりはしない。一応、想像はついているが、理由を聞かせてくれ」

カインはしゃがみ込み、少年と同じ目線に合わせた。

「お前がカインだろ。俺の父さんと一緒に反乱を起こしたの・・そして、失敗した。でも、何でお前だけ、貴族になっているんだ!」

「・・返す言葉もないな。全て言われて当然のことだ」

カイン自身も全て分かっていた。

仲間を裏切って、王の側についてしまったことも。

「ですが、カイン様は精一杯!」

「マドレーヌ、いい。失敗したことに変わりはない」

「フンッ、そんな善人ぶったって、関係・・・もういい!」

子供は、背中を向け、一切振り返る素振りを見せることなく、走り去って行ってしまった。


それから、3分くらい歩き、喫茶店の目の前にたどり着いた。

「着いたはいいが。まだ誰かがついてきているな。それも今も、そこの路地から気配を感じる」

「とりあえず、入っちゃいましょうか。そこで、どうするか考えましょう」

マドレーヌがそう提案する。

「ああ!そうしようか」


喫茶店の中は、大通り側がガラス張りで海が見えるようになっている。景観も抜群の、この星の人気店の一つ。

席はもうすぐ昼になるからか、2組分くらいしか空いていないくらい人でいっぱいだ。

「はぁ、どうしましょうか」

「許可さえいただければ、僕が対処してもいいですニャ!」

トライアはやる気満々の表情を見せるが・・

「駄目だ。そんな危険な目に合わせるわけにはいかない」

「は,はい。分かりましたニャ。う〜ん、他になにか案は・・」

「なら、このまま歩き、人気のないところまで誘導。そして、僕たち3人で相手をするってのはどうだ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ