最終会議−2
「この2つの戦争を見ると。片方の戦争は小規模であるのにもかかわらず、王自身を除いて、戦力の出し惜しみはしてないようだな。最初から、精鋭レベルの戦力を一斉に出撃させている」
「それもそうだよね。長引いたら、金もかかるわけだし」
でも、そんな人数、私達とカインだけで対応できるのかな?それに、カインも仲間になることが確定したわけではないのに
「まぁ、何とかなるんじゃない?・・なんて。楽観視したいけど」
キラナがやれやれと言う感じでそう言った。
「それでも、私達で何とかするしかない!まず、前線はコスモス様とヴァイスの2人。カインがこちら側に付けば。カインも前線に立ってもらう」
「そういえば、カインの能力って何だ?マリアナが前線に立たせるくらいだ、強いってことだろう?」
私もカインの能力については全く知らない。
でも、あのリヴィアと少しはやり合ったと、文献には書かれてある。それなりに強いってことだけは理解できる
「トライアの報告によれば。重力操作・・引き寄せの力を使うようだ」
「また特殊な能力だな。我も聞いたことはある、その能力は引き寄せだけではなく、弾くことも可能だ」
かなり汎用性が高そうな能力だ。それに・・
「その能力を使えば、遠距離が得意な敵を一気に不利な状況に追い込むこともできる。その上、致命傷になりそうな攻撃、銃弾をも無効化できるよね」
「ああ!だからこそ、彼の協力は必要不可欠と言っても過言ではないだろう」
私とヴァイスで突き進んで、カインが攻撃を防ぐ。とても、いいバランスだね。
「次だ。キラナと翔様は、後方援助」
う〜ん、翔と一緒に前で戦いたかったけど、仕方ないよね。
「具体的に何をしたらいいんだ?」「何をしたらいいの?」
翔とキラナの二人が同時に質問を投げかける。
「二人は、相手の遠距離部隊に対応してもらう。いくら、カインの防御があるからとはいえ。それだけを当てにするわけにはいかない」
「つまり、カインはただ弾くだけ。その殲滅は、俺達で・・わかった!精一杯、頑張るよ」
そう言い、翔がグッと拳を握りしめている。
「それにだ、何度も言うが。仲間になること自体、確定ではない!これだけは忘れてはいけない・・まぁ、それはそうとマリアナは何をするんだ?!」
ヴァイスがマリアナをジッと見つめる。
「私は、トライアと奇襲を仕掛ける。屋根を飛び回れる私達に適任だと考えている」
「我も同感だ!これで、仮ではあるが戦略も決定できたというわけだ」
私も異論はない。
キラナも翔も全員が一切の異論を唱えなかった。
マリアナの操作によって、モニターにそれぞれの待機場所がマーキングされた。
「各自、覚えておいてくれ!そして、これで今日の会議は終了とする。2日後の戦いの前の夜に、再度、確認のためにここに集まってくれ」
マリアナが、会議室を去ったあと・・
「フッ、これは暴れていいってことだな」
ヴァイスがそう言った後、手で顔を押さえながら、軽く笑っている。
「そのセリフ。前の潜入の時も言ってなかった?」
キラナが呆れ顔をしながら、ヴァイスの顔を下から覗き込む。
「何度言っても、別にいいだろう。それに、前は暴れることは出来なかったからだ」
「それもそっか!じゃあ、今回こそは暴れっぷり見せてね」
「ああ!後ろから見ているがいい」と腕組みをしながら、堂々と言い放った。
一方で・・
さて、2日間。何をしよう・・
う〜ん。そうだ!前に失敗した浮遊魔法でも練習しようかな
「私が明日、教えてあげる!」
後ろから聞こえる声は、キラナだ。
また心を読んでいるみたいだけど。もう、慣れちゃった
「ありがとう。じゃあ、お願いするね」
「オッケー・・って、ちょっとは驚いてよ。後ろから脅かしたつもりだったのに!」
「ごめんごめん」




