一斉行動(コスモス&翔) 2
さてと。
ビームはおそらく・・いや、100%。私の空間壁で防げる!
近接のやつも、そこまで剣術レベルも高くないだろう。
なんて、戦略を考えているうちに、ビームが目の前まで迫ってきている。
「フッ」
案の定、ビームは命中することなく、目の前で弾け飛んだ。
「何!!一体、何をした?!」
「単純に、空間魔法を使っただけ」
まぁ、教えても突破方法なんてないだろうし・・・でも。本に書いてあったけど弱点は、僅かながらあるみたい。
「空間魔法・・いや、まさかな。ただの興味本位で聞かせてもらうが、どんな機械を使って、魔法を行使しているんだ?」
「き、機械?」
この腕輪のこと?・・あの反応的に、ち、違うよね。
「答えないつもりだな。まぁ、別にそれは分かっていた。あいつらは、自身の技術を隠したがるからな」
何か勝手に理解してる。
そのことも、手っ取り早く倒して、聞き出すしかないか。
「何のことか分からないけど。話は終わったみたいだし、今度こそ破壊するよ。『フレイムレーザー』!」
建物ごと壊すわけにはいかないから、少し緩めの技で・・ただの高温の光線を打ち出すだけなら、大丈夫でしょ。
「やっぱり、脆いな!」
2体のロボットが停止し、ジリジリと電気を発した後に、爆発し部品が弾け飛んだ。
「なっ!1つ前の型で、最新型ではないとはいえでも・・(そんなあっけなく)!」
「さて、護衛ロボが消えたところで。私の質問に答えてくれる?じゃないと・・・どうなるか分かるよね?」
こんなこと言ってるけど、別に殺すつもりも深手を負わすつもりもないけどね。
「分かった、分かった!知ってることなら、全部答える」
「意外と話が早い・・でも、何でそんな簡単に?」
「私に生身で対抗できるほどの技術は持ち合わせていない。やり合っても、大怪我を追うだけ・・それなら、話したほうがまだマシだ」
理由はしっかりしていて、納得はできるけど。
あまりにも、あっさりしすぎてて、逆に怪しすぎる・・ま!気にしても仕方がないか
「じゃあ、早速、質問を始めるよ」
「ああ。でも、全部答えた後に、私からの質問にも1つだけ答えてほしい。無理にとは言わないが」
質問!?・・でも、一つだけ。なら、答えてあげてもいいか
「・・分かった、約束する。1つ目、ここには何人の研究員。警備ロボがいるの?」
男は思っていた以上に、淡々と隠そうとする様子もなく話し始めた。
「人数は私を含め、10人。警備ロボは、はっきりとした個体数は分からないが・・約40体くらいはあるだろう。それ以上の可能性もあるが」
40体・・強さにもよるけど。何とかならない数ではない
「2つ目、山の研究所だけど。何で、スルヴァが漏れ出してるの?それとも、放牧みたいなもの?」
「・・・率直に言う。失敗したんだ」
男は俯き、ボソッと、そう呟いた。
「失敗?ただそれだけ?」
「そうだ。私達の実験上のスルヴァは、あくまで人工物。宇宙の様々な星々で、自然発生するものとは全く別物。だからこそ、オリジナルより、強化も弱体化もあり得る。どっちに転ぶかは、運次第。」
う〜ん、少しずつ分かってきたけど。もう少し質問しないと
「実験内容は理解した上で、私の解釈を述べるけど。手に負えないくらい強さが増大したスルヴァを生み出してしまったってこと?」
「大方、正解だ。強さ自体は甘く見積もって、王宮魔道士6人分だ。それだけなら、警備ロボを全体稼働させれば、勝てただろう。だが、どのスルヴァよりも暴走気質が高いのが、敗因だったと考えている」
だとしたら・・。
「そのスルヴァは今どこに?(それとも、何体か倒したけど、その内の一体だったり・・いや、それはない。だって、あんな弱すぎるわけがないもん。それに、私の出会った個体に、暴走してるやつはいなかった)」
「それが、研究所を飛び出してからの足跡は掴めていない」
この発言は、研究員の焦りの表情と、口調から考えて、ほぼ確実に嘘ではないだろう。
だとしたら、少し面倒な状況だ。
「ということは、誰からの目撃報告もないということだよね。じゃあ、3つ目の質問。それが、どんな技を使うスルヴァかを答えて!」
「まさか、戦うつもりか?いや、倒してくれるなら、ありがたい。そいつは、属性魔法は使えないが、素早さ、触手の鋭さ。そして、知能。知能とは言っても、人間と比べてしまうと、天と地ほどの差はあるが」
「分かった。聞きたいことはこれで全て・・あっ!そういえば、さっき、空間魔法、あいつらがどうとか言ってたけど、何のこと?」
「・・その反応からして、本当にあいつらとは無関係みたいだな。最初に言った、私からの質問は取り消しだ」
あ〜、質問って。私がまだ、その謎のあいつらと関係があると思い込まれていたんだ。・・って、いまさらだけど、こんなに話し込んでて良いのかな
翔からは連絡は来てないから、多分いいんだろうけど
「最初からそう言ってたでしょ?・・それで、あいつらっていうのは?」
「空間魔法を機械を用いて、再現し、戦う戦闘集団のことだ!」




