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一斉行動(コスモス&翔)

建物の中に入ってみると・・

外観とは想像もつかないほど、機械がたくさんだった。

「これは、当たりということだよな、コスモス」

「そうだね・・だけど、そのかわり。敵は、ちゃんといるみたいね」

両側の廊下の奥から、2体の警備ロボが、ガシャンガシャンと重苦しい機械音を立てながら、こっちに向かってきているのがうっすら見える。

「まだ、警報みたいなのは鳴ってないのになぜだ?!」

言われてみれば、確かにそうだけど。

一つだけありえるとすれば・・

「ただ単に、巡回型のシステムってだけの可能性もあるかもよ。それに、もし見つかっているなら、走ってくるだろうし」

「だと良いんだけどな・・・それで、処理するか?」

後々、邪魔なるだろうし。

でも、倒したことで、今度こそ警報がなる可能性が高すぎる。

どうする・・考えろ!


そう悩んでいた時だった。

腕輪が突然鳴り出し、画面を開いてみると、キラナからだった。

「キラナ・・今、ちょっと状況的に・・」

ギリギリ聞き取れるかどうかくらいのスピードで、キラナに状況を説明した。

「私は普通に突破すればいいとお思うけど。システムが作動する前に、2秒くらいで仕留めちゃえばいいんじゃない?」

「簡単に言ってくれるね、キラナ。できなくはないけど、周りへの被害を考えて・・とか」

「なら、俺がやる。矢で上手く撃ち抜けば!」

その方法があったか〜、よし!

「頼んだよ、翔!多分、あの頭っぽい部分を狙えば・・」

「オッケー。新しく習得したこれで、『三重矢』!」

翔は三本の矢をセットすると、魔力を込め。

そして放つと、炎、水、雷の属性が交差しながら、高速で敵の急所を貫いた。


「もう一発!『三重矢』!」

放った3本の矢は、もう片方のロボットの急所も貫き、動きを止めることに成功した。

「流石!それに、あんな凄い技を覚えていたなんて・・」

「半分・・いや、8割型はヴァイスのお陰だよ。たくさん、練習見ててくれたし。アドバイスも貰えた」

それでもだよね。それに、ヴァイスは多分だけど、翔みたいに全属性が使えるわけではないみたいだし。それとも、闇や光って、全部の属性の元だったり・・?

「ま!強くなれたなら、十分じゃん。だよね、キラナ」

「そうだね。それと、ナビは出来ないけど、戦略で迷った時は私を頼ってね!」

キラナが明るい声色でそう言ってくれている。

「分かった。困ったら、遠慮なく頼ることにするね」

「話はここまでにして・・俺は東を探索しようと思う!コスモスは西・・でいいか?」

どっちに敵が多くいるかなんてこと、分からないし。それで、いいか。

「オッケー!でも、私が言った通り本当にピンチになったら、すぐにSOS送ってよ!ワープして駆けつけるからね!」

「ちゃんと分かってる。俺の実力じゃ、まだまだ敵は多い。それに、俺はキラナもそうだが。それ以上にコスモスを頼りにしてるからな!」

う〜、頼って・・って言ったのは私だけど。ここまで、堂々と頼られると、緊張しちゃうな

まぁ、何とかなるんだろうけど

「うん!それじゃあ、解散!」


さてと、二手でも結構広そう!

それに、警備ロボが稼働しているってことは、人がいる可能性も十分に高い

「(まず、最初の部屋は・・実験器具保管庫か)実験器具なんて、山のところで山程持って帰ったし。まぁ、パッと軽く見るだけ見ようかな」

そう考えて、グッと部屋の扉を手前に引いた。

『ピピッ、開閉が確認されました。人物認証を開始します』

ヤバイ!

どうしよう、人が来てしまう。それか、また警備ロボの可能性もあるけど。

『認証失敗、該当なし。システム作動』

「はぁ〜、こうなっちゃ仕方ない。何が来ようと、片付けるしかない!」

剣を抜き、周囲を周囲を見渡してみる。

今のところ、誰も何も・・

「誰だ?!」

廊下の先の階段から、男の声が聞こえた。

やっぱり、人がいる。

「・・・」

一旦、黙って様子を見てみる。もしここが王やカインと関係なかったとしたら、ただの人殺しになってしまうし。

「誰かいるなら、返事くらい・・女?何者だ、お前は!?」

姿を見せたのは白衣を着ている30歳くらいの男性。そして、小型のロボを2体引き連れている。

答え方によっては、上手くやり過ごせるかな?可能性は絶望的だけど・・

「えっと。誰?」

まずは、とぼけてみる。

「それはこっちのセリフだ!まさか、侵入者か?」

「(なんか、隠してるのも面倒な気がしてきた。全体に通知される前に拘束してしまえば、大丈夫かな?)フッ、そうだと言ったら」

「チッ。戦闘モードを起動!」

男がそう言い、手元の端末のワンタップした瞬間・・片方の小型のロボから2本の腕が生え。剣を持ち出し。

そして、もう片方のロボは、腕ではなく、レーザーでも飛ばしてきそうな3本の棒が生えてきている。

「なかなか相性良さそうな二体だね」

「見る目だけはあるようだが、そんなことはどうでもいい。行け!」

その男の言葉と共に、二体がウィーンという音を立てた後、一斉に攻撃を開始した。

「それじゃあ・・壊しても怒らないでよね!」

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