一斉行動(マリアナ&ヴァイス)
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マリアナとヴァイスが中に入ってから、5分後・・
「これほどの数を保有しているとはな。ま!その結果、管理しきれずに何体か漏れ出でいるがな」
まだ何にも変形していない3体のスルヴァがゆっくりと2人の方へと向かっている。
「コスモス様達の方もそうだったらしいが。奴らが飼っているスルヴァは雑魚も同然だ。片付けるぞ」
「ああ!『ダーク・ランス』!」
ヴァイスは、自身の周りに青黒い槍を4本、宙に浮かび上がせると。その槍は、スルヴァに向かって、自動的に攻撃を始めた。
「流石だな、ヴァイス。あっという間に片付いたな」
「フンッ、あの程度の雑魚なら。マリアナでも余裕だろうがな」
「そうだが。私よりもヴァイスのほうが魔力量は多い。いわゆる、節約だ」
マリアナの言う通りで。
ヴァイスの魔力量はマリアナの約2〜3倍くらいはある。
「なるほどな。確かに、それは賢い選択だ。・・それは置いといてだ!次に行くぞ、いくら奴らが弱いからとはいえ、この場に長時間居るわけにはいかないな」
「ああ!」
二人はさらに廊下の奥へと歩みを進め・・
「この部屋はどうだ?実験室・・こんな状況だ。何か資料でも転がっているかもしれない」
「そうだな。入る価値は十分にある!」
ヴァイスが扉に手をかけ、引いた時だった。
『ピー!ピー!データなし!横のリーダーにIDカードを通してください。10秒後に警備システムが作動します!』
施設内にアナウンスが響き渡る。
「ちっ!扉に指紋認証か何か仕掛けられてたな。どうする?マリアナ」
「これを持ってきていて正解だったな。ほら、これを!」
マリアナがポケットから、スッと二枚のカードキーを取り出すと、ヴァイスの方に差し出した。
「あ〜、コスモス達が持ち帰ってきたやつか」
ヴァイスは、カードリーダーの前まで行き、さっそうと警報を解除した。
「フフッ、これで私の方が頭がいいことが証明されたな」
マリアナは鼻を鳴らし、得意げに
「頭が良いかは分からないが。我の準備が足りなかったことは認めざるを得ないな。それと、素直に礼は言わせてもらう。助かった、ありがとな」
ヴァイスは目を反らしながらも、ほっきりとした声でそう言った。
「・・入るぞ」
実験室内には、ガラスの破片が所々に飛び散っている。
冷静に考えなくとも、何かがあったとしか思えない状況と捉えることもできる。
「ここの奴ら、どこに行ったんだ?」
「さぁな。色々考えてみてはいるが・・山の研究所が攻め込まれたことが知れ渡るには、まだ早すぎるな!」
2人がいくら考えても謎は深まるばかりだ
「考えるのは後だ。それに、人がいないのなら探索も大いに捗るだろう。セキュリティ対策も、マリアナのお陰でできてるわけだ。それで、何か見つかったか?」
「めぼしい物はないが。何か書かれている紙はあるな。ヴァイスも全部拾っておけ」
役に立たなそうな情報でも、総合すれば、大きな手がかりを得られる・・かもしれないとマリアナは考えているようだ。
「了解だ!」
そのことをヴァイスも瞬時に理解し、行動に移した。
「これで、全部か。さて、次に・・んっ?また、スルヴァか」
また、ドロドロとした無個体のスルヴァが2体近づいてきている。
「ヴァイス、また頼めるか!」
「言われなくとも。この程度の奴らなら、助けなどいらぬ。『ソーンダークネス』!」
真っ黒な茨がランダムに交差しながら、スルヴァの四方八方を取り囲む。
「これで、終わりだ。切り刻まれて、潰れろ」
茨は一気にスルヴァ目掛けて、攻撃を始めた・・・が。
『ウゴォォ』
と、微かな鈍い咆哮を上げると。
ドロドロの部分を伸長させ触手のような物を作り出すと、茨の攻撃を全て受け流してしまった。
「この個体、少しだけ強いな。ま!ヴァイスなら、問題ないよな。それとも、私も追撃くらいしたほうが良いか?!」
スルヴァが、伸長させた触手を尖らせると、2人に攻撃を仕掛けてきたが。
2人からしたら、あまりにも遅すぎる攻撃だ。
「(遅いな!)フンッ、気遣いはありがたいが、いらぬ。『ヘルフレア』!最初から、これで決めてれば良かったってことだよな!」
黒炎はスルヴァに命中すると、『キィィ!』とうめき声を上げ始めた。
「対抗してきたときは、ほんの少し焦りは、したが・・大したことはないようだな」
「スルヴァは何も吸収してなくとも。成長すれば、あのような攻撃手段は得られる・・と本で読んだ記憶がある」
ヴァイスは、黒炎で塵になって消えていくのを眺めながら、返事を返した。
「ああ、その内容は私も読んだ。・・もしかしたら、何年前からこの場所があるのか、推測できるかもしれないな」
「そうかもしれないな・・捜索を続けるぞ」
一方で・・コスモスと翔は、目的地の目の前まで到着していた。
「ここの屋敷か」
最低でも4階くらいはありそうな大きな屋敷だ。
何で、こんな目立つ上に立派な建物が・・
「そうみたいだね。う〜ん、この広さは時間掛かりそう〜」
「まぁ、俺達で2人いるんだし、二手に別れるか?」
う〜ん、翔も全然弱くないんだけど・・心配になっちゃうな。
あっ、でも、あの方法を使えば・・
「分かった!でも一応、ピンチになったら、その腕輪で私に連絡して!座標を利用して、ひとっ飛びだから・・」
これで、二手に別れても大丈夫だよね!




