反乱は終わり・・
「(準備は出来た!)行くか」
黒い剣を背中の鞘にしまい、銀色の魔法のプレートを身につける。
「行くのですか?」
使用人らしき人物がバッグを両手に持ち、話しかける。
「ああ、そうだ!」
「でしたら、私も!」
身を乗り出し、申し出るが。
「駄目だ。そもそも、マドレーヌは戦闘向きではない」
「はい・・なら、戦闘ではなく。負傷者を退陣させる手助けなら・・」
「それなら・・(大丈夫だよな)。本当に、前に出ないことを条件にだぞ」
「分かりました。ありがとうございます」
北区へ近づく度に。炎の音、金属同士がぶつかり合う音、魔法音が大きくなっていく。
「マドレーヌ。あそこの路地にいる3人が見えるか」
指が指す方向の先には、肩や腹の傷を手で押さえている負傷者がいた。
「はい・・任せてください。治療に行ってきます」
「ああ!あの3人の治療が済んだら。他にも捜索をしてくれ」
現代、カインの屋敷・・
「そんな感じで、20名以上の回復と撤退を手助けしたって感じ」
「・・それで。その後は何が起こったの?」
少しの間があってから、ミーナが質問をする。
「説明したいけど・・それは、また後で」
「う、うん」
マドレーヌがコンコンと部屋のドアをノックする。
「ノエル様!」
「は〜い。夕食?すぐ行くよ」
部屋の中から、ノエルの声が響いて聞こえてきた。
「これで、あとはトライアとセラを呼んでくるだけ。他の皆は集まってるみたいだし」
同時刻、コスモスとキラナは。
奥の部屋の探索をしている最中だった。
「この部屋だけど、何でこんなにガラスケースが置かれているのかな〜」
キラナが真柱型のケースをジッと見つめている。
「多分・・いや、絶対に何かの実験をしているはず。だから、その資料を探しているんだけど・・」
全然ない!
よくわからない、薬品ぽいのは、あるけど。これ、証拠になるかな?
「一応、一個くらい持って帰って。検査してみる?機械にかければ一瞬だし」
「へぇ。そんな事できるんだ。分かった、バッグに入れておくよ」
いくつかの瓶を適当にしまい込む。
「それと、こんなものもあったよ〜!」
んっ?金庫?
「重要そうなものだけど。開けれた?」
「ううん。暗証番号が必要だって。あっ、ちなみにだけど。壊そうと思って、剣を使ったけど傷一つつけられなかったよ」
何か特殊な素材で出来てるのか。それとも、魔法が付与されてる可能性もあるよね。
「確かに魔力を感じるから、そうかもね〜」
だとすれば、手段は一つ!
「あの二人から聞き出すしかないよね。少し気は乗らないけど」
だって、キラナ・・まあまあ・・?いや、相当エグい拷問するもん。
「大丈夫だよ!ちゃんと控えるから・・え〜と、あの二人がムカつくこと言ったら、蹴りくらいなら。いいかな〜?」
キラナが企みを含むような満面の笑顔で、そんな事を言った。
怖いって。でも、そのくらいなら、少ししか痛くないだろうし。目立つような怪我もさせないよね。
「でも〜。コスモスも少しは、慣れたほうがいいと思うんだけどな〜」
半分以上煽りを含んだ言い方でそう言ってきた。
まぁ言いたいことは十分、理解はできる。
「・・とりあえず、あの二人のことはよろしく」
「うん!」
そう言うと、ルンルンと上機嫌に部屋を出て行った。
本当にやり過ぎないよね。心配だな〜。
キラナが別の部屋に向かって、3分後・・
「さて、暗証番号が分かるまで。私も探索を再開!」
でも、どこを見よう?全部の引き出しは見終わったし。
見つかったのは薬品とその使い方の本くらい。
その上、どの実験用のガラスケースも何かの液体が満たされているだけで、中身は何も入っていない。
この部屋以外には、トイレと器具が置かれた倉庫だけ。倉庫の方も見てみようかな
倉庫の中に入ってみたはいいけど。
(調べるところが多いな〜。山ほどある段ボールの中から、あるか分からない情報を掴まないといけないからな)
途方に暮れてても仕方がないか。
早速、取り掛かろう!




