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未知の世界−2

「こ、こんにちは」

私は落ち着いて、まず挨拶をする。

初の対応でその人の印象が決まるって言うしね。

「誰だ?」

「マリアナさんが言ってた2人だよ」

キラナがそう言うと、その男――ヴァイスの目が、ほんの少しだけ鋭くなった。

「ああ、例の2人か。名前は……コスモスと、ショウだな」

ぶっきらぼうで、どこか気だるそうな声。

体の動きにも覇気がなくて、まるで寝起きみたい。

この人、本当に強いのかな……?

「そうだよ。あっ!ちゃんと挨拶して。ヴァイス」

彼の名前は、ヴァイスって言うんだ。

かっこいい名前。

「俺の名前は、ヴァイス。よ、よろしく」

「はぁ〜。ごめんね、2人共。ヴァイスって、こんなふうに見えるけど、やる気出すと、凄いんだから。ほら!もう一回自己紹介!」

う〜ん、信頼できないわけではない。

ファンタジー本では、こういうキャラもよくいるよね・・

そして、意外とかなり強いのも・・

なんて考えていたら、ヴァイスの目つきがいきなり鋭くなった。

「仕方がないな!我は、ヴァイス!この船の中で一番の知恵者であり。宇宙一の剣の覇者である!」

キャラが変わり過ぎじゃない!

というか、厨二病?

「自分で言うのも何だけど、私も中々の知恵者だと思うんだが。剣の扱いは認めるがな」

マリアナがふてくされて、そう言った。

会って少しだけど、私にも彼女が頭が切れるのは分かる。

「確かにそうかもしれないな。だが、我には敵わん」

「んっ?何だ!私と勝負でもするか?」

マリアナが足踏みをしだした。表情からもイライラしているのが分かる。

止めたほうがいいよね。

「まぁまぁ、二人共。新人も来ているんだし」

「我はいいぞ!さあ、何で勝負しようか?」

その発言で二人がぶつかり合おうとした瞬間・・

「ストップ!スイッチオフにして!ヴァイス」

そんな言葉で静まるわけ・・

「はぁ〜、まぁ。これからよろしく。コスモスとショウ」

また、声のトーンが下がった。

そして、あの厨二病感もなくなった。どういう仕組み?

「よろしく。そういえばだけど、さっき剣術ができるって言ってたけど・・私と勝負しない?」

地球の外の人がどれくらいの強さがあるのかが気になる。

単純に力比べがしたいだけ、なんだけど

「んっ?ああ、言ったな。まぁ、いいけど」

声には、やる気がないけど。行動には、やる気が満ちている。

「どこに行くの?」

「1個下の階の演習場・・そこで1戦しようか」

「私も観戦させてもらう」

「俺も!」

翔が見てくれる。マリアナも。ちゃんといいところ見せないと。


ー演習場ー

ちゃんと真ん中にリングがあって、その周りに観客席もある。

「早速始めるか?ルールは、魔法は禁止。ただの剣術のぶつかり合い。あとは・・スイッチオンかオフ、どっちがいい?」

私、舐められてる?

ここは・・

「オンで。ヴァイスの本気見せてみて」

そう言った限りは、ちゃんと私も本気を出さないと。

「それじゃあ・・スイッチオンの許可を。まあ、とは言っても・・」

ヴァイスが3人の方を向く。

「スイッチオン!」

キラナが可愛らいい声で元気良くそう言った。

それが勝負開始の合図だ。

「行くぞ!」

そう叫ぶと、猛スピードで剣を持ち、降り掛かってきた。

んっ?わざと?

こんな見え見えの動き・・対応できないわけ

いや!これはフェイントだ。

「後ろ!」

振り向いた瞬間、本当に後ろにいた。

後ろに剣を回し、相手を退ける。

なんで?

「魔法は、なしって!」

「いや、魔法に見えるが、それは魔法じゃない!」

マリアナの発言に一瞬、私の思考が停止した。

えっ!

私より、スピードが速いだけってこと?

「そうだよ」

心を読まれてる。

まぁ、今はそんなことどうでもいい。

対応するだけ。

スピードで勝てる可能性は、ほぼゼロ。

徹底的に仕掛ける。

「はっ!」

私だって、スピードには自信はある。さらに剣術の技量を乗せれば、勝てるはず。

「遅い、そんな程度の力か」

「えっ!」

後ろに気配を感じる。

っていうか、前からヴァイスの姿が消えている。

「後ろ!」

剣をしっかりと握りしめ、振り回すように体を回転させる。

「技術は凄いが・・まだまだだな!」


だが、数分後・・

「はぁはぁ」

負けた!

また、負けた。

「コスモスが負けるなんて」

「まぁ、今は仕方がないことかもしれない。星が違う以上、身体的な差があってもおかしくはない」

マリアナが冷静な声そう言っている。

その言葉が慰めだとしても、私の悔しさが収まることはない。

勝ちたかった。

「でも、コスモス様が魔法を使ったら、いとも簡単に・・いや、瞬殺で勝てる」

魔法ね・・そっちの訓練もしないと

「はっ!認めたくはないが、魔法がありだと、負けるのは確実だ。だが、瞬殺は言い過ぎじゃないか。マリアナ」

また、ヴァイスとマリアナの口喧嘩が勃発しそうだ。

「たしかにそうかもな!言い過ぎた、すまない 」

マリアナから謝った。

口調からして、絶対に折れることのない性格だと思ってた。

「いや、我は1戦したい!降りてこい!」

「まあ、いいだろう、今行く」

はぁ〜、マリアナまで。

ちゃんと、売られた喧嘩は買うんだ。怖いな。

「別にそんなことないよー。普段の口調からは、そんなイメージないけど。ちゃんと、優しい人だよ」

「うわわ!いつの間に」

後ろにキラナが!

「んっ?今来たところ、別に驚かすつもりじゃなかったんだけど」

「いや、大丈夫!」

本当は、ちょっとだけビックリした。

「いいや。とりあえず、部屋に案内するね。ショウもついて来て!」

部屋?何個か扉があったけど。


私達は、廊下まで戻り、キラナの部屋とは反対方向に向かった。

「ここの2部屋だよ」

扉を開けてみると。

「わ!凄い!」

ちゃんとした部屋だ。

内装は地味だけど、設備が整えられていて、いくらでも過ごせそうだ。

普段の勉強、ここだったら、かなり集中できるかも。

「気に入ってくれて、良かった。まだ、本棚とか何も入ってないから、自由に使ってくれていいよ」

その瞬間、マリアナも来たようだ。

「もう、2人の勝負がついたの?」

「いや、結果は引き分けだ」

「フンッ、少し手を抜いてやっただけだ!」

ヴァイスは腰に手を当て、そう言っている。

本当かな?

まぁ、強いことに変わりはないはず。

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― 新着の感想 ―
コスモスが魔法を使ったら瞬殺することにまず驚いたな。 これからもっと強くなって欲しいね
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