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カインー2

今回は内容量が少ないかもしれません。

申し訳ございません!


ー宇宙船内部ー

「はぁ」

ブンッと練習場に素振りの風切音が鳴り響く。

「やっぱり、ここにいました。もう、ヴァイスさん。じっとしてないと駄目ですよ」

トライアがお茶とご飯が乗ったプレートを片手に駆けつけてきた。

「大丈夫だ!もう、傷口は痛くない」

「今動いたら、また痛くなってきますよ」

「だとしても、もっと強くならないといけない。初めて、負けたんだ。今、修行をしないと・・うっ!ハァハァ・・」

剣がヴァイスの手から滑り落ち、カランっと音を立てて地面に落下した。

「もう!ヴァイスさん、ベッドに戻ってください」

倒れ込んだヴァイスにトライアが急いで駆け寄る。

「・・分かった!肩を貸してくれ」

「はい・・ちゃんと食欲はあるんですか?」

ニコッと微笑みを浮かべ、手を差し出す。

「ああ!かなりお腹が空いた」

「ちゃんと沢山作ってますよ!」

ヴァイスがマリアナの手を取り、起き上がった時だった。

宇宙船のすぐ外で、ドカンと大きな轟音が鳴り響いた。

「何だ?」


急ぎ足で宇宙船の外に向かうと、中隊規模の兵士が並んで立っていた。

「国の兵士さんですか?何の用でしょうか」

トライアが進んで前に出る。

その中で一層装飾が豪華な兵士が前に進み出てきたかと思えば・・

「貴様らの仲間の場所を言え!」

とかなり上から目線の言葉を投げかけてきた。

「なるほど・・分かりました。あなた達をお客人として出迎えるわけには行きませんね。普通の兵士さんなら、そんな言葉遣いをするはずがありません」

トライアは威勢よく言い切ると、腰のあたりに隠しておいた短剣を向けた。

「フンッ、威圧作戦は失敗か」

「やっぱり・・ヴァイスさん。戦闘準備を!」

「ああ!それと、殺してもいいか?」

肩の骨をゴキッと鳴らし、ヴァイスもスーッと剣を抜く。

そして、敵の方を鋭い目つきで睨みつけた。

「まぁ、最初のリーダー以外はいいでしょうね。別に大した情報持ってなさそうですし〜」

トライアも煽り口調でそう言いながら、チラッと敵の方を向いた。

二人の視線に兵士の殆どが青ざめた表情をして、徐々に後ろに退いている。

「どうするんですか?隊長」

残りの2割位はリーダーに向かって、撤退しましょうと慌てふためいたり。もしくは、逃げ出そうとしている者までいる。

「おい!逃げるな!撤退は許さない」

リーダーが怒鳴り声を挙げる。

「もう、この人たちのやり取り。うるさいので、さっさと片付けちゃいましょう」

「だな!さぁ、来い!『ダークフレア』!」

青黒い炎を手の平に掲げると、相手の方にゆっくりと歩いていく。

「なんでもいい!全員、魔法を打て。その後、剣士は突っ込め!」

「は、はい!」

無難な策だな。とヴァイスとトライアの二人は感じた。


前線の兵士が2人に向かって、ドカドカと炎、水、風と様々なバリエーションの魔法を絶え間なく打ち続ける。

「トライア。3歩後ろに!」

「は、はい!」

「『ブラックホール』全部、吸収しろ!」

ヴァイスが魔法を発動させると、正面に真っ黒な球体が出現した。

そして、その球体は撃たれた魔法弾の全てを引き寄せ、飲み込んでいった。

「何だ?あの、魔法は?」

魔法を売っていた兵士の手が止まる。

「分からん!魔法は無理だ・・ということしか分からん」

「なら、作戦は?」

「変更だ!魔法部隊はここから撤退し、B班と・・」

リーダーが後ろを振り向き、指示を出した瞬間・・

「逃さない!誰一人、我から逃げることは許さない」

ヴァイスが高速並のスピードで近づくと、リーダーの首元に刃を躊躇なく振るった。

その刃はいとも簡単に、リーダーの首を切り落とすことに成功した。

「た、隊長!」

「さて!お前たちの指揮官は無くなった!尻尾巻いて逃げるなら、今の内だぞ!」

ヴァイスはそう言い、スッと隊長の頭の髪を掴む。そして、兵士たちの足元目掛けて、ブンッと投げつけた。

「ひっ!」

今まで以上に青ざめた表情をしている。

中には気絶までしてしまった兵士もいるようだ。

「どうする?」

「俺は・・逃げる!」

「何を言っている!このまま帰ったら、全員免職、降級だぞ!」

「だとしてもだ!あんな、化け物に勝てるわけ無いだろう」

「いや、全員で20人いるんだ!勝てるだろう!」

兵士たちが言い合いは収まる気配はない。

「(どうやら。副リーダー的なのもいないみたいだな)殺す前に聞いておくが。お前たちは、カインの部下か?それとも、ただの王の部下か?どっちだ?」

剣先を向け、鋭い目つきで睨みつける。

「言うわけ・・」

「言ったら、ここにいる全員、無事に帰してやろう」

ヴァイスがそう言い切った瞬間・・

兵士全員の目つきがガラリと変わった。


だが、5秒後には兵士全員が元の目つきに戻っていた。

「言うわけ無いだろう!」

ヴァイスから見ても、告発する人物はいないと判断した。

「なら!言うまで、お前たちを殺し続ける!」

「全員、かかるぞ!それぞれ、カバーし合ったほうがいい!」

一人の兵士の案を全員が瞬時に行動に移す。

そして3秒も立たないうちに、2人一組、計10組が構成される。

「フンッ!ありふれた陣形だな。そんなものは何回も見てきた」

「そう甘く見ていると、痛い目を見るぞ!」

相手も策なしで来てるわけではない。とヴァイスもほんの少しだけ警戒を強めることにした。

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