ルーシー
リーダーに指名されて1時間後・・
リーダーと言っても、普段は何もすることないし・・
とちあえず、今は地球に戻る時間を考えないと
「コスモス様、どうかしたのか?固まっているが」
マリアナが横目で訴えてきているのが分かる。
言いたいことがあるなら言ってくれ!と。
「い、いや。少し考え事を」
つい、誤魔化してしまった。
本当は聞きたいことはある。
このボーッとしてしまう癖直さないと。
「改めていきなり、リーダーを任せてしまったのはすまない。だが、務まるのはコスモス様しかいない」
マリアナが申し訳なさそうな顔をしてくれている
「それはもういいんだ。なるって、決めたのは私だから」
そんなことより・・やっぱり、聞いちゃおう。
今、聞かなかったら、ずっと聞かないままかもしれないから。
「ずっと、気になってたけど。前に記憶力がいいって言ってたけど・・何で知ってるの?」
「そ、それはだな・・師匠の予言能力で教えられただけだ」
マリアナは目を逸らし、たどたどしく答えた。
「なるほど・・」
話し方から考えると・・正直言って、本当かどうか怪しい。
いや、99%嘘だ
でも、何で嘘をつく必要が?
マリアナ自身にとってか、私達にとって、不利益になることが?
分からない。
「う〜ん」
「うっ!ジーッと私の目を見るな。そんなに私に言いたいことがあるのか?」
えっ!
またボーッとしちゃってた?
それも、声に出てしまっていた?
「い、いや。何でもない(見ていたつもりはないんだけど)」
「なら、いいが」
良かった!声には出ていなかったようだ。
もっと、追求する?
いや、やめておこう。
これ以上、追求したとしても答えてはくれないよね。
それに、もし答えたことで、私達に不利益になるんだとしたら、聞くのは得策とは言えない。
もう、考えるのはここまでにしよう。
そんなことより、本を読み進めよう・・と、考え、本を開いた瞬間だった。
部屋の外で、バタバタと足音がし
「マリアナさん!女の子の目が覚めました」
扉が勢いよく開き、バタンッと大きな音を立てた。
慌てて、トライアが駆け込んできた。
「分かった。今行く」
「わ、私も!」
女の子は空いている個室に寝かしていたようだ。
「だから、俺達は敵じゃないって」
「そうだよ。私達は敵じゃないよ」
今は、翔とキラナが話をしている。
「だから、そんな話、信じる根拠が・・」
「根拠ならある」
女の子が言い切ろうとしたのをマリアナが遮った。
「誰?」
「私はマリアナ」
マリアナは帽子を押さえ、クール振って、自己紹介をした。
「自分は、ルーシー。はい!自己紹介終わり。それで、根拠があるんでしょ?それを見せてくれるか、証明してくれるまで、あなた達は敵だから」
「証明?君は、横にいるメイド、トライアに助けたれたんだろう?それは、証拠にはならないか?」
確かに。
それだけで、十分だと思うけ・・
「まだ!あと、君って呼び方やめて!」
まだ何か納得できていないようだ。
その証拠に私達のことを静かに睨みつけている。
「フンッ!ルーシー、カインという奴について知ってるか?」
「カイン・・誰それ?」
知らないわけが・・とは限らないのかな?
でも、嘘はついてなさそう。それに、そのカインの部下に襲われているんだから、嘘をつく必要はないはず。
「君、ルーシーを連れ去った奴らがカインの部下だ!」
「んっ?」
そうなの?とでも言いたそうに、ぼんやりして気が抜けた顔をしている。
「知らないか・・トライア、資料を持ってきてくれ」
「はい!」
そう言い、急ぎ足で部屋から駆け出していった。
その後、トライアが帰って来る3分間、沈黙が続いた。
この空気しんどかった!
「マリアナさん!持ってきました」
「ありがとうな。普段はこんな資料、他の人に見せたりはしないが。信用を得るには多少は仕方が無い。これを・・」
そう言うと、マリアナはカインについて、調べた資料をパラパラと1ページ3秒位のペースで見せていった。
その資料をルーシーは、横目ではあるが、凝視して見ている。
「どうだ?これでも、信用できないか?」
「ま、まぁ・・信じられなくはないけど」
これで・・多分信頼を得られたかな?
「じゃあ、まず。ルーシー、君を元の場所に連れて帰る。住所は?」
「私は、城から南東の方に20分ほど馬を走らせた村に住んでいる」
馬?
かなり古い移動方法だ・・こんなこと考えるのは失礼かな?
そんなことを考えていたら。
私の服の裾をキラナが引っ張って、耳元に顔を近づけてきた。
「それはね。多分、城の外まで、技術が伝わっていない可能性が高いからだと思うよ」
「えっ!」
確かに・・その通りかもしれない。
「それもあるけど・・高いし。そんな機械より、魔法でいいじゃん!」
「ごめん、聞こえちゃってた?でも・・魔法と機械って、同じレベルで比べたら、あまり大差ないよね?」
なんか聞き覚えのある言葉だ。
高度に発展した技術は、魔法と変わりない・・だっけ?
まぁ、多分合ってるだろう。
「まぁ、その話はその村についてからでも良いだろう。今すぐ、連れて帰るぞ」




