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第8話 知ってる。

装備を整えたシュージンとミシェルはプレジを後にした。ちなみ装備は帝国軍のものをいただいた。馬に乗り道を行くミシェルとシュージン。

「物が溢れるこの時代、リユースしたい、未来、期待、今すぐテイクイッツアトライ!」

シュージンは馬の蹄の音のリズムで完成度の低いラップを歌っている。

「やめろ。」

「ハッ!!あー、危なかったー、反射的に各方面に喧嘩を売るところであった。ミシェル、グッジョブ。」

ミシェルは初めてシュージンに褒められたが不思議と全く嬉しくなかった。

(いや、普通に嬉しくないな。)

ミシェル、冷静であった。

「ラッパーになると反社会的になってしまうな!反射的に!!」

「各方面どころか、ラップとラッパーに喧嘩売っているぞ!!!」

「マジ?」

「産地直売レベルのダイレクトな喧嘩の売り方だったぞ!」

「そんなことないだろう?完成度の高いラップだったろ?ディスりの範疇だろ?」

「完成すらしていない。肉じゃがで言うならで言うなら、泥のついたジャガイモと生肉がまな板の上にあるレベルだ。」

「それって素材の味があるって意味?」

「だとしたら無味無臭の素材だな。」

「つまりフカヒレ!!」

「はいはい。」

ミシェルには高い順応性があった。シュージンというおちゃらけ社会不適合人間がどういうやつなのかが大体一日足らずで分かってきた。

「ところでミシェル、後何秒くらいで目的地?」

「秒!?シュージン、お前、私の言った旅の行程を聞いていたのか?」

「バナナはおやつに入らないとされてきたが、バナナの皮で巧妙に偽装された魚肉ソーセージを持ってきた馬鹿がいるからバナナ全面禁止ってところまでは覚えている。」

「遠足でないし言ってもない!!」

「その馬鹿が現在では凄腕の内科医をやっているってところもギリ覚えている。」

「今明かされるスペ松のアホすぎる過去〜!!」

はぁ、と大きく溜息をミシェルがつくとシュージンに改めて言い聞かせる。順応性の高いミシェルでも、シュージンのインフルエンザウイルスレベルの目まぐるしい馬鹿には振り回されてしまう。

「このガンバ王国の首都パナソスまでは、5日はかかる。途中にある町によりつつ、野宿で出費を抑えつつ確実に行くぞ。」

「えーー!野宿ぅ?虫と一緒に寝るなんて信じられない〜!」

「女子か!?」

「ならばお前は男子か!」

「私は女だ!!」

「知ってる。」

(ムカつく!!!)

今すぐにでもローキックしたい衝動に駆られたミシェルであったが、互いに馬に乗っているためそれが出来ない。これが徒歩移動であったら秒でローキックしていたであろう。ミシェルよ、強く生きろ。馬鹿インフルエンザに負けるな。

「まあ、しばらく警戒すべきことと言ったら野犬と・・・」

「グヘヘへへ!!テメェら金と馬を置いてきなァ!!!」

「野盗だな。」

「そうだな。」


続く


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