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第5話 納得。

焼けた町を見下ろす丘にて見捨てた奴らに文句を言う。そう言ったシュージンだが。当のミシェルは・・・

「いやいやいや、待て待て待て待て、待ってくれ。」

「何か問題でも?」

「私たちは、帝国を潰すんだよな?」

「オ〜ゥ、イエス!」

「だよな、帝国を潰して戦争を終わらせるんだよな!?」

「イエェス!オ〜イェ〜。」

「それは肯定なのか!?」

「イエヤス・トクガーワ!!」

「イエヤス!?」

ふざけた返事で調子を崩されたミシェルは咳払いをし呼吸を整える。

「ま、まあいい、自国で内乱を起こしている場合じゃないよな。」

「ノー!」

「何故だぁぁ!?」

「ムカついたから。」

「納得。」

ミシェルは納得した。諦めの境地である。この理不尽な男について行くと決めた、それはもう曲げられない。

「それにぃ〜流石に戦力が二人だけとかぶっちゃけ有り得ないし。優秀な人材を集めないと。道すがらに。」

「納得。」

ミシェルは更に納得した。懐の深さがこの数時間で格段に深くなっていた。

「え、というか今までどうやって戦ってきたんだ?」

「召喚獣。」

「納得。」

ミシェル3回目。

「でも、召喚獣だけでは対処しきれない場合が多いからな、やっぱりマンパワーは確保しなくちゃならない。」

ミシェルは先程のシュージンと火竜との戦いを思い出す。空飛ぶ火竜に対し、シュージンは地上に誘き寄せることでなんとか勝った。万能に思えるシュージンの召喚獣達にも限界がある事に気付いた。

「帝国の奴らぶっ潰し続ければ、自然と人が集まると思ったんだがなかなか集まらないんだよな。」

「行動力に対しての計画性の無さよ!!」

「まぁそういうわけで傷の治療が済んだらすぐ出るぞ〜。ミシェル〜、中央までのルート考えといて〜。」

「丸投げぇ!?」

「はい、召喚獣・内科のスペシャリスト松島〜。」

「出たよ召喚獣!そしてまた名前に松がついている!?覚えにくいこと極まりない!!?」

「内科のスペシャリスト松島は凄腕の内科医なんだ。」

「名が体を表しすぎているのも相変わらず!!」

「本日はどのように体調が優れないのですか?」

センター分けで四角いフレームの眼鏡をかけた男性内科医は柔和な笑みを浮かべシュージンに声をかける。

「喋った!?」

「トウモロコシも喋るのに何を今更・・・」

「トウモロコシの時も驚いたわ!!」

「病院内では静かにして下さい。」

「ご、ごめんなさい。」

ちょっとだけ高めの声を持つ松島内科医にミシェルは怒られてしまった。

(いや、でもここは病院内じゃねーだろ。)

ミシェル心のツッコミ、ここは野ざらしの丘である。


ーーー

ミシェルがこの国の中央までのルートを地図を広げながら考えていると、

「頭の傷が酷いですねー。」

松島の声が聞こえてきた。シュージンが火竜の火球の爆発によりうけた傷のことだ。

(あいつ、召喚獣がいるとはいえ、今まで一人で戦ってきたんだよな・・・巨大な帝国と・・・たった一人で・・・シュージン、お前は何者なのだろう。召喚獣とはなんだ?何故帝国を潰そうとする?何故あれほどの速さの剣を振れる?お前の過去に、一体何があったんだ?ふざけてるお前と、帝国兵を殺す冷酷なお前、死者を思う優しいお前、一体どれが本物のお前なんだ?・・・・・・そして私は、お前にそれを問い質す資格はあるのか?)

「左足の打撲も酷いですねー。」

「ごめん、それは私のローキック。」


続く





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