第46話 馬車でゴーゴーゴー
「またよくわからないのが来た。」
世界のMATSUZAWA監督と呼ばれる男性型の召喚獣を見てミシェルが抱いた率直な感想である。しかし、その横でアバルが目を見開き驚いた様子で言う。
「あ、あ、あれは!?世界のMATSUZAWA監督!?だとォ!?」
「知っているのか!?」
「しらね。」
「何故驚いた。」
「いや、復唱しただけ。」
「紛らわしさしかないから今後はやめろ。」
ミシェルはアバルの行動に釘を刺しておいた。そんな二人の注意を引くようにシュージンが大きな声で言う。
「説明しよう!世界のMATSUZAWA監督は、記憶を読み取りそれを元に絵を描く召喚獣である!」
「地味に便利そうですね。」
召喚獣の能力に感嘆するトセ。
「実際便利なのである!すごいのである!この能力で紙芝居を作りうっかりミシェルに見逃しリカバリーをしてやるのである。」
「おい、急に語尾が変化したぞ。しかも私のことを小馬鹿にしてるとしか思えんぞ。」
「気に入っちゃったのである!監督!記憶を読み取りさっさと描くのである!」
「世界の監督に対して1ミリの敬意を感じられねぇ!」
世界の監督は頷き、どこぞから取り出したスケッチブックにサラサラと絵を描く。
「世界のMATSUZAWA監督はどちらかというと聞き分けのいい感じの自動判断タイプだからコントロールが容易いのである!」
監督が絵を描いている横でシュージンが追加で説明する。
「召喚獣の説明にどちらかというといい感じというふんわりワードをねじ込むな。あと語尾も直せ。」
「で、俺の記憶を読み取って絵を描いてもらっている間に馬車でゴーゴーゴー!」
「自由人か!?」
「ミシェル先生。早く乗ってくださいよ。」
「オンナセンセ乗ろうぜ。」
「オレもそう思います。」
ミシェルを急かすトセとアバル。御者席のバッツも二人に同調する。
「って!バッツもおるー!?」
「御者席にスタンバイしてました。」
手綱を持ちながらバッツは答える。
「もっと早く居ることを言ってくれ!」
「ミシェル先生が騒いでいたから出るタイミングがなかったんです!」
「すまん!」
若干不機嫌になったバッツに謝るミシェルであった。
(いやしかし、言うほど私のせいか?)
普段大人しいバッツの怒りについ謝ってしまったミシェルであったが、よくよく考えるとシュージンのせいではないかと思えるのであった。
続く




