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第45話 心に響く


ーーー

夜が明けて、朝日が新緑の木々を照らし、小鳥達がさえずる。

獣人達の集落のテントの一つ。そこには寝ている一人の女性と、それを起こそうとする獣人の少女がいた。

「うーん・・・カタクチイワシ系怪談屋敷、テイクアウト一丁・・・。」

「何ですか!?その寝言、起きて下さいよ、ミシェル先生。」

よく分からない寝言を言いながらうなされているミシェルと、意味不明な寝言にドン引きしながらミシェルを揺らし起こそうとするトセ。

「フンドシアセジミ・・・」

「余計に分からないですよ!起きて下さぁーい!!」

これ以上の寝言は女性として不味いと判断したトセはより一層激しく揺らすのであった。

その荒海に揉まれる船に乗ったような激しい揺さぶりによりミシェルは目を醒ます。

「ハッ!夢か!というよりトセ!?何故ここに!?」

「あ、やっと起きましたね。おはようございます。ミシェル先生。」

「ああ、おはよう。」

朝の挨拶を済ます二人、トセは何故起こしに来たのか先程の質問に答える。

「あたしはシュージン先生に頼まれたんですよ。シュージン先生はとっくに起きてますよ。」

トセの話によるとシュージンは街道の方で待機しているとのこと。何故に街道?とトセに聞くと、なんかスゴイことしてます。と返ってきた。

その“スゴイこと”に一抹の不安を抱きつつミシェルは朝の支度を済ませて、街道に向かうのであった。


ーーー

「シュージン先生、ミシェル先生をお連れしました。」

「待たせたな。って何ィ!!?」

ミシェルが街道に着くと、そこには馬車があった。

「待たせられてたー。おっはーミシェルサンシャイン。」

「ああ、おはよう。いや、それよりもシュージン!その馬車はなんだ!?」

「あ、完成したんですね、お疲れ様です。」

「トセもおっつートセサンシャイン。」

シュージンの変な挨拶は置いておくとして目の前で圧倒的存在感を放つ馬車について質問する。“スゴイこと”の正体はこれであった。

「作りました。」

「誰が!?」

「召喚獣。」

「だろうな!なんて奴だ!?」

「松島カーペンター@ガンバリマス。」

「あいも変わらず変な名前だなッ!・・・いや、待て松島って・・・。」

松島という名前に引っかかるミシェル。

「内科のスペシャリスト松島の兄ね。」

「スペ松の設定の充実っぷり〜!」

朝から驚きが充実のミシェルであった。


ーーー

「さて、ミシェルも来たことだし、出発するか。」

「ああ!」

「はい!シュージン先生!」

「ヨッシャぁ!ヨロシク頼むぜ!センセ!」

シュージンの声に返事をする三人。馬車の中へと乗り込もうとする。

新たな冒険の幕開けである!!!!

「おい、いや、待て・・・。」

馬車に乗り込もうとして、ある事に気づくミシェル。

「どうかしたか?ミシェル?」

「何かありましたか?」

「何だ何だ!?いきなりトラブルか!?幸先が悪いぜ!!」

新たな冒険の幕開けかと思いきやミシェルが制止をかける。そのミシェルの言葉にざわつくシュージン、トセ、アバル。

「何かあったじゃなーい!何故アバルとトセが同行しようとしているんだぁぁ!?」

「俺がアバル君を誘った。」

「センセに仲間になれって誘われた。」

「あたしは兄の保護者です。」

ミシェルの質問に答える三人。しかし情報量が少ないこと少ないこと。

「もっと詳しく話せ!」

「正確にはトセは保護者の任務三割、三割は戦闘要員ね。」

「トセの役割について詳しく聞いているんじゃない!だとしたら残りの四割は何だ!?」

「よくぞ聞いて頂きました!残り四割は釣りです!魚釣りです!河川!湖沼!その他水場諸々いつでもお魚ビュッフェ祭りです!」

トセが目を輝かせ自慢の釣竿を見せびらかしながら高らかに言う。

トセは好きなことに対して声が大きくなって早口になるタイプであった。

「ト、トセ。後で釣りについては聞いてやるから、とりあえず、シュージンの話を聞かせてくれ。」

そういえば、トセはシュージンに出会ってすぐに魚渡していたな、余程に釣りが好きなのか?そんなことを思い出しながらトセを落ち着かせるミシェル。

「アバル君を誘ったのは昨日のことだけど、実際に来るかどうか決まったのは今朝だな。」

「あ、ミシェル先生は寝てましたね。」

「結構騒いだのにな。」

「私が寝ている間に決まってたの!?完全に見てないぞ!!」

そう、アバルとトセの同行。この大事な出来事はミシェルが寝ている間に起こっていたのである!

「ミシェル先生・・・見損ないました。」

「オンナセンセ見損なっちまったよ・・・。」

「見損なったぞ!ミーシェル!」

「やめろォ!心に響く!嫌な方向で心に響くゥ!!この“見損なった”ってタイミングを逃したって意味だよな!?悪い評価の“見損なう”じゃないよなァ!!」

見損なう三重奏によりミシェルのメンタルはガリガリ削られる。

「しょうがねぇなぁ・・・。召喚獣・世界のMATSUZAWA監督。」

ミシェルの為にシュージンが新たな召喚獣を呼び出す。その呼び声に応じて、黒いスカルキャップと丸サングラス、それと、白みがかったもみあげが髭と繋がったのが特徴の中年男性が現れた。



続く



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