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第42話 集めて早し


ーーー

「あ、先生が戻られましたよ。ミシェル先生。」

「ああ。」

シュージンとアバルが集落に戻ると、先に着いていたミシェルとトセが待っていた。

「シュージン、何かあったのか?」

ミシェルが訪ねてくる。

「お小水にね。」

「聞かなきゃ良かった。」

「小水を 集めて早し 春の川。」

「風流にしなくていい。」

「小水を 集めて早し ハルン川。」

「尿要素を増やすな。季語を消してまで尿要素を増やすな。」

ふざけた五七五を披露するシュージンのやや後ろでなにやら難しい顔をしているアバル。

トセはその兄に声をかける。

「お兄ちゃん、どうかした?」

「いや、なんでもねぇよ。ションベンのキレが悪かっただけだ。」

アバルは打倒帝国に誘われたことは言わずに誤魔化す。

どこか煮え切らない態度で話す兄にトセは思いつめたように言う。

「ごめんね、お兄ちゃん。」

「何だよ、いきなり。」

「あたしのせいだよね・・・。」

しおらしく言う妹に困惑するアバル。

「話が見えねぇよ。」

「あたしが汗染みタンクトップを無理矢理嗅がせたから!」

「は?」

「さっきから難しい顔しているし・・・海の家で休んだ時よりもなんか辛そうだし・・・」

「確かにまだ気分は悪ぃけど、もっと別のことがあったんだよ!」

「え?そうなの?」

しまった。と思うアバル。

余計なことを言ってしまった。帝国を倒しに誘われた、なんて言ってしまえば余計な思いをさせてしまう。アバルは話をはぐらかそうとする。

「うるせえ!知らねぇ!アホ!樹液の食べ過ぎで脳みそまで樹液になったか!?」

アバルは話のはぐらかし方が雑であった。

「なによ!あたしが心配しているのに!脳みそ汗染みタンクトップ!」

雑ではあったが、トセにはそれで充分であった。

雑な兄妹の雑なやり取りを横で見ていたミシェルはドン引きした。

「なにこれ・・・」

呆然としているミシェルにシュージンが声をかけてきた。

「ミシェルって、脳みそローキック?」

「なんだコイツ・・・?」

ミシェルは雑なネタの被せ方をしてきたシュージンにドン引きした。

「っていうよりまた兄妹喧嘩が始まったぞ。なんとかしろ、シュージン。」

「はいはい。やればいいんだろ、やれば。」

「分かってるのならさっさとやれ、脳みそハルン川。」

ミシェルに言われ兄妹の間に割って入る脳みそハルン川こと、シュージン。

「森に入る前に今日はこ・こ・ま・で〜って言ったな。アバル君、トセ君。こ・こ・ま・で〜と言われたらこ・こ・ま・で〜にしときなさい。」

「「う、はい・・・」」

流石の雑兄妹も先生にこ・こ・ま・で言われてしまっては、今日のところは兄妹喧嘩を切り上げるしかなかった。先生の威光は偉大であった。

「さて、今日は疲れただろう。飯は・・・」

アバルは体調不良。

トセは蝉が作った樹液あんかけ焼そばを食べてお腹いっぱいである。

「要らないな!じゃあ寝ろ!解散!!」

勢いで無理矢理締めたシュージン、手をパンパンと叩き解散の宣言をする。

解散と言われ、兄妹は別れの挨拶を済ませて帰っていく。


そして、二人きりになったミシェルとシュージン。ミシェルが口を開く。

「ところで、私たちはどこで寝ればいいんだ?」

「俺はバッツに頼んで、どこかテントでも借りる。虫が出ないように。」

「はぁ!?ずるいぞ!シュージン!私もテントを借りる!」

色々疲れているのに騒がしい夜であった。


続く






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