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第34話 こ・こ・ま・で〜!!

「レイのことだろ・・・アバル。」

その声の主を見てミシェルは驚いた。それは、ミシェルが見識を広める為に話を聞いたファンキーな名前の獣人で、フジツボ共の獣人の一人。

(やたらと“ボ”がつく奴!!!)

インパクトのある名前だったが忘れてしまったミシェルであった。

「どちら様?」

シュージンが現れた獣人に問う。

「私はボボボボンボー・ヤージュと申します。」

慇懃にシュージンに挨拶をするボボボボンボー・ヤージュ。

(ボボボボンボーだったぁぁ!!!)

思い出したミシェル。コイツ、重要な奴だったんかい!と心の中で突っ込む。

「ボボ・・・オレは・・・お前の弟を・・・!!」

「気に病むな。仕方のないことだ。」

涙を流すアバル。そんなアバルの肩に手を置き慰めるボボボボンボー。

「一体、過去に何があったんだ・・・?」

ミシェルが困惑しながら質問をする。

「シュージンさん、私から説明させていただきます。私には弟がいました、名前はレイ・ヤージュ。弓矢が上手く。アバルとともに狩人として働いておりました。」

黙って聞くシュージンとミシェル。トセとザトアも泣きながら聞いている。

「ですが、帝国が攻めてきたあの日・・・」

涙を拭いアバルがボボボボンボーの話の続きを話す。

「いつものように、コンビを組んで狩りをしていたオレとレイは森の中で帝国兵達に襲われた。襲って来た奴らは全員倒したはずだったんだが、戦闘の衝撃で倒れた木にレイが下敷きになっちまった。意識を失っていたがまだ息が微かにあった。オレ一人では倒木を退かせねぇ、助けを呼びに村に行ったんだ。だけども、村が焼かれていた。」

「お兄ちゃんは村の方に攻めて来た帝国兵達と戦いました。それでも、多勢に無勢。生き残ったあたし達は力いっぱい走り、逃げました。」

トセが大粒の涙を流しながら言う。

「そして、オレは・・・見殺しにしたんだ。レイを・・・。」

助けられた筈であるのに見捨ててしまったことをアバルが懺悔するかの様に言う。

「それで、一人で行くことに拘ったのか。」

「ああ。」

「でも!なんで!?なんで、お兄ちゃんは何も言わなかったの!化け物がいるってなんで!もっと他にもやり方があったんじゃないの!レイのことは残念だけども、もうどうにかなることじゃないじゃない!!今回のことだって、先生方がいなかったらどうなっていたか!」

感情が昂ぶったトセはアバルに問い詰める。

アバルは口を結び答えない、代わりにボボボボンボーが優しく諭す。

「トセちゃん、私も兄だからアバルの気持ちが分かる。なんでか分からないが下の弟、妹には強がってしまう。兄とはそういうものだ。」

「私は心配なの!お兄ちゃんが!たった一人の家族が!」

その言葉がアバルの琴線にふれた。

「家族!レイにも家族がいた!ボボがそうだ!オレは消えた奴らの分まで、オレの命を張らなきゃならない!残った奴らをオレの命で守らなきゃならない!」

「なにそれ!意味分かんない!」

苛烈になる兄妹喧嘩にシュージンがストップをかける。

「まあ、とりあえず今日はここまで。」

「ですが先生!」

「だがセンセ!」

「こ・こ・ま・で〜!!」

大きな声で制止をかけるシュージン。先生キャラが板についている。

「アバル君もトセ君も厄介なことを抱えてることは分かった。」

兄妹はシュージンの方をジッと見つめ、口をつぐむ。

言いたいことが山ほどあるがシュージンがそれを言わせない。

「そしてすまないが、俺も厄介なことを抱えていることを思い出した。」

「「厄介なこと・・・?」」

兄妹が声を揃えて言う。


続く



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