第15話 悪夢の始まり
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つまらない人間だ、と言われ続けてきた。
つまらなく生きて、つまらなく死ぬ。
しかし、自分はそれで良いと考えていた。
本当に死ぬまで、いや、生まれ変わる時までは・・・
私は死んだ・・・つまらない理由で。
だが、死は終わりではなかった。
「起きて、ねぇ、起きて。」
優しい声がする。森の中をゆっくりと流れる澄んだ風のような、心を包み込む美しい音が。その声の主を確認しようと目を開ける。
「う・・・。」
「あ、やっと起きた。」
冴え渡った空を思わせる青い瞳、夜明けの雲のように光る金色の長髪、天使のような優しい微笑み、美しい少女の顔がそこにあった。
「誰だ、私は死んだはずでは・・・。」
「えぇ!?貴方死んでるのぉ!もしかしてゾンビ的なアンデッド的なスリルショックホラー!!?」
「煩い。」
「ごめんなパイナポー。」
少女はおどけながら謝る。愛らしい顔、だがその少女の耳は長く先が尖っていた。
「その耳は・・・?」
「あたしの名前はリンネ!見ての通りのエルフにして生粋のエアプランツマニア!好きな麺の硬さはバリカタ!嫌いな四字熟語は欠陥住宅!リンネ!リンネ!?まさか!あのリンネのことなのかぁぁ!?」
「知らん。」
「ドイヒー。もう〜、信じられな〜い。ガラスの靴から始まるシンジラレナイガールズストーリー。」
「始まらんから安心しろ。」
妙にテンションが高いエルフの少女。それに対して辛辣なツッコミを入れるゾンビ的なスリルショックホラー疑惑の人間。
リンネは問う。
「貴方の名前は?」
「私の名前は・・・」
「幸本、集仁。」
これは悪夢の始まりである。
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続く




