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第13話 これらが意味するもの

目を閉じるミシェル。しかし今日の出来事が次々と瞼の裏に思い浮かびなかなか寝付けない。

(また明日も振り回されるのであろうな、だが、悪くない。)

疲れ切ったはずなのに、妙な充実感がある。まるで初めて剣術を学び、一日中素振りをしてた時のようだ、ミシェルは在りし日のことを思い出す。

(本の中の英雄に憧れ騎士になると決めた、今思えばよく騎士になれたものだ。)

だが、しかし。

(何か大事なことを忘れているような。)

何かが心に引っかかる。

(ポタージュでもない、帝国でもない、獣人でもない、食料でもない、馬もちゃんと繋いであるし、野犬野盗対策に鳴子も仕掛けた・・・。)

もっと私にとって根本的な何かが・・・そう考えてはみるが全く見当がつかない。

(まあ、思い出せないということは大したことないのだろう。明日に備えて早く寝なければ、明日は獣人達との話があるかもしれないんだ、この男の・・・ん?)

ミシェル気づく。

(男、男、男ォ!!)


性別である!!

年頃の男と女!!そして夜!!これらが意味するもの!!!


(ま、ま、まままま待て待て!落ち着けぇ!私!!私は女で!!コイツは男!!)

ミシェルは今まで剣にその人生を捧げてきた。甘酸っぱい思い出なんてない!!あるとすれば夏場の籠手の酸っぱい匂いである。甘くはない!!

そしてミシェルは夢見がちな文学少女な一面がある。本でそのような男女の愛を書いた本を読んだことももちろんあり、「い、いつしかこのようなことが、わ、私にもあるのだろうか。」と妄想したこともあった!!

(うわああああああっ!!!)

羞恥で一気に顔が熱くなるのがミシェル自身わかった!むっつりミシェル!


(れ、れれれれ冷静になれ!私は騎士だ!騎士たるものどんな時でも絶えず冷静に・・・)

その騎士の証でもある鎧と剣はすでに脱いでいる流石に寝る時まで鎧姿でいるほどミシェルは馬鹿ではない。

(うわああああああっ!!!)

鎧を脱ぎ捨てたその体は程よく締まっており、出るところは出ている、寝巻き用の簡素な服を着たその姿・・・むしろスタイルの良さを強調している!今のミシェルはただのいい体しているお嬢さんである!!むっちりミシェル!!


(た、たた、泰然自若ぅ!泰然自若の境地!これこそ剣の秘奥にして人の真理!!まず、シュージンは馬鹿だ!これは揺るぎない真実!馬鹿だから私が女だと気付いてないのでは!!?なんか扱いぞんざいだし!そうに決まっている!!)

もはや、シュージンは馬鹿という一縷の希望に賭けるしかないミシェル!!・・・が、しかし!!


“「私は女だ!!」

「知ってる。」”


(うわああああああぁぁぁぁっっ!!!)

自分で女宣言していたのに忘れていた!!すっかりミシェルにして、うっかりミシェル!!!しかも知ってるとまで返された!


と、その時!!

するり、ときぬ擦れの音が聞こえた。

ビクッと体を一瞬硬直させるミシェル。

(ま、まさかシュージン?わ、わわ、私に、よ、よよよ夜這いを!?)

ドキンドキンと心臓が大きく鳴るのが分かる、顔は火を吹きそうだ、そして、すぐ近くに人の気配があることが分かる。


ミシェルが確かめようと薄目を開ける。すると・・・

白い肌、金色の長い髪、深い青の双眸がミシェルの顔を覗いていた。

「幽・・・霊・・・。」

そう言うと、ミシェルは気を失った。


続く


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