第11話 夜だし、寝るぞ。
「お前達、つらかったんだろう。それにつらいのはお前達だけじゃないだろう?女子供や老人の生き残りがいるはずだ。俺がなんとかしよう。だから今は泣くな。」
シュージンの言葉を聞き、顔を上げた獣人達。
「先生?」
「今すぐには無理だが、食う物と住む場所も俺がなんとかする。帝国もいずれ滅ぼす。まずは話し合おう。」
「そんな!オレ達は先生方に多大なご迷惑をおかけしました!」
「これ以上先生のお手を煩わせる訳には・・・!」
口々に遠慮の言葉を上げる獣人達、その様子を見ていたグレイテストティーチャー岡松は先程の鬼の様な顔をしていた人物とは思えぬ優しく微笑みを浮かべながら言う。
「甘えろ。」
(甘えるなって言いながらビンタしてたぞ!岡松先生!!)
ーーー
獣人達の一件でもうすっかり日が暮れてしまった。
「とりあえず今日はもう遅いから、話し合いの件についてはまず獣人達だけで持ち帰って判断してくれ、拠点で村のみんなでよく相談して応じるか応じないか決めてもらって、応じるのならば、また明日にこの場所に来て俺達を拠点まで案内してくれ。これからのことについて話し合おう。」
シュージンが提案を聞き獣人達は深々と頭を下げて感謝の言葉を言いながら別れる。
「オレ、先生に会えて良かったです!」
「オレ達、先生達に会えてなかったら本物のクズになってました!」
「ありがとうございます!先生!オレ、将来は教師になります!先生みたいな素敵な教師になります!」
「ああ、なれるさ。」
シュージンは手を振りながら若者の将来を祈る。獣人達が見えなくなるとシュージンの隣に立っていたもう1人の教師はシュージンに言う。
「コーモト教諭、今回の件、大変勉強になりました、私も教育者としてまだまだです。」
「岡松先生、我々教育者は生徒達に教えるだけではいけません。時に寄り添い、時に共に迷い、共に考える。子供達に教えてもらうんです。」
「精進します。」
グレイテストティーチャー岡松は深く礼をすると満足そうに消えていった。
(まずい、ツッコミたいのに、ちょっと泣ける。)
ミシェルはこういうのに弱かった。
「おーい、ミシェルー。」
シュージンに声をかけられ驚き、慌てて涙を拭っていつもの調子を取り繕うとするが。
「なな、なんだ!!!」
声が上ずってしまう。プレジの町で町人を弔っている時に泣いている姿を見られていたことをミシェルは知らない。というよりそこまで気が回ってなかった。シュージンにとっては泣き顔なんて今更取り繕わなくても〜、という感じなのだが、そこはスルーしとく。面白そうという理由で。
「夜だし、寝るぞ。」
「あ、ああ!夜だな!夜は寝る時間だ!!」
ミシェルは取り繕うのが下手だった。よく言えば素直。
続く




