晴れの空はいつも優しい
三階から見上げた空は案外広かった
抱えすぎた秘密を包み込む
僕一人くらい消してしまえそうな
優しい青
何も言えない僕は
いつしか何も言わない僕になる
嘘は嫌いだけれど
誰かを傷つけたくもないから
どこにでも居場所はあった
たぶん 求めさえすれば
勇気が無かったなんて言い訳で
僕が望んだ孤独
「かわいそう」や「えらいね」
そんな言葉が苦しくて
ただ 空には
正直な言葉を打ち明けられた
何も言えないのも
何も言わないのも
一方的で伝わらないのが良かった
優しい青だ
死ぬときは晴れた空の下で
そんな難しい願いを
顔色変えずに飲み込んだ
爽やかな風が心地よく
遠くに白い月が見えた
やはり、空は優しかった