第一話 運命の子その名はアルス7 -激闘のタイマン-
独特の表現と文章構成になっております
向けられた刀身を手の装甲でいとも簡単に振り払ったビゼルは、間合いを詰め襲い掛かって来た
(一発でもあたりゃおだ仏・・・!)
アルスはビゼルの拳をよけながら思う
「剣で受け流そうなんて考えんなよォ!!」
さらにビゼルは言葉でアルスにおいうちをかける、もちろん攻撃の手は休めない
ピルッコはその様子を物陰からよそよそしく見ている
「うわっ、あいつやられてんじゃねえかたしかにあの拳は痛そうだな、ひゃ~おっかねえオレはゴメンだぜ」
リードバーンも木の上からその様子を慌ただしく見ていた
隠れた観衆達が見守る中 戦いは続く
「くそォ・・・!こんな奴に・・・こんな奴に負けられるかーッ!!」
ビゼルが繰り出す拳の雨をよけ続けていたアルスがついにすきをみてビゼルの間合いに入った
「町で悪事ばかり働いて!どれだけの人が困っているかわかっているのか!」
至近距離からのアルスの一振りをビゼルはかわす
「八ッ!知ったこっちゃないね!所詮この世は弱肉強食よ!強い者が生き弱い奴は散っていくのさ!!」
「そのために他人を苦しめて!お前は男の風上にも置けん奴だ!!」
「なっ・・・なんだとぉ!?」
「少しはこうして勇気を出して来たこの俺を見習えーーーッ!!!」
アルスの剣がビゼルの胴体を切りつけた
「くそっ、甘いか」
しかし攻撃は浅い
ビゼルはそのスキを見てすぐに攻撃態勢に入り拳を振ろうとした
だがそのときビゼルは不思議な体験をする、自分を切りつけてきた目の前のアルスに違う面影を見たのだ
(・・・なっ!!?)
そしてビゼルの頭にかつての走馬燈が蘇る
---それはかつて幼き頃、街中の群衆に紛れ見た勇猛果敢で男らしく誰からも信頼されこの国の人々全ての憧れであった王。その王を見たビゼルは自分もいつかああいう王のような男になりたいと思い続けてきた。しかし時が経ち成長するにつれ、嵐のように迫りくる厳しい現実にいつしかビゼルの心は疲弊しあの頃の気持ちを忘れてしまっていたのだ
いや、失ってしまったというほうが正しいのだろうか
「!」
ビゼルの動きが少し止まったのを見てアルスは少し警戒した。しかしビゼルの顔を見ると自分に対し驚いているようにみえる。ビゼルの真意がわからないアルスはその時のビゼルを不思議に思った。
だが少ししてビゼルは我に返ると再び拳をアルスに向けて振りだす
「フンドラバァァァァァーーーーーーーーッ!!」
その拳はアルスの上半身をとらえていた、アルスは剣で攻撃を受け流そうとするも装甲を纏った重い一発は剣と共にアルスをも吹っ飛ばす
ガガガガガガ!!!!!
アルスの体は下へとたたきつけられそして地面を駆けずった
「アルス!!!」
追い詰められているアルスを見てトールギスが向かおうとするも、地面に伏せている倒したはずのビゼルの部下たちが起き上がり次々とトールギスへ襲い掛かってくる
「やはりみねうちではこんなものか・・・!」
トールギスは今までの攻撃をすべてみねうちで行っていたため、気絶でもしてくれない限りは回復して起き上がってくるのだこれでは向かおうにも向かえず足止めを食らってしまう。
(アルス・・もう少し頑張ってください)
アルスはビゼルの一撃により大ダメージを負ってしまった
「ぐっ・・・」
負ったダメージの痛みからかまだ立ち上がれずずっとビゼルを睨んでいる
「フフフ・・・フハハハハハ!やはり俺は強い!酔いしれちまいそうだぜ!!」
ビゼルは高らかに笑った後アルスが飛ばされたほうへゆっくりと歩いていく
「威勢は良いがやはり甘い、そして弱い!だからお前はアマチャンなんだよ!」
自分が浅はかだった
アルスはビゼルの言葉に自分自身の行いに対しての自責の念を持った
(・・・俺は威勢だけの・・・口だけの男なのか・・・)
アルスは今までの自身の行動を悔やみ己に絶望しかけた
だがそのとき
絶望した少年の隣に一本の棒があった
ビゼルをおびき出すために使った国旗に付けた棒だろう
それを見たアルスは何の偶然だろうかその一本の棒を見て父に誓った覚悟を思い出した
゛僕は棒になる〟
折れない覚悟 ぶれない勇気
それを満たすものは棒だとアルスはあのとき思っていたのだ しかしこの棒は木の棒であり場合によっては折れてしまうかもしれない
だがアルスは棒を持ち立ち上がった。もうそこに迷いはない。そしてアルスは賭けに出る
(自分の答えが正しいものか証明して見せる!!)