第一話 運命の子その名はアルス6 -ピルッコの作戦-
独特の表現と文章構成になっています
シューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ん・・・なっ!なんだこれ!?」
「け!煙!?」
前ばかり見て警戒していたため、後ろからの思わぬ不意打ちに激しく動揺する部屋の中のごろつき達
ビゼルを含め全員が煙に動揺するなか、ここでさらに煙の効果が発動する
「うっ・・なんか急にねむく・・・」
「あっ・・頭がボーッとしてきた・・・」
「ふにゃ~~~」
バタッ、バタバタバタッ
煙を吸った部下たちが次々と倒れていく
ビゼルガントは素早く手で口と鼻を押さえた
(この煙・・ヤバい!!)
そう直感したビゼルガントは大声で叫んだ
「みんな外に出ろオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオ!!!」
その合図とともにドアが開き、まるで雪崩のように全員が一斉に外へ出てくる
しかし中の煙によって半数以上が眠りにつき外に逃れることができたのはごくわずかな人数であった
そして煙の恐怖から逃れ外に出てきたビゼルガントたちはありえない光景を目にする
なんと人が誰一人いないのだ
囲まれていたはずなのに外に出てみれば辺り一面見渡せど静寂、そして取り囲むように配置されたたいまつと王宮の紋章が描かれた旗が無数にあるだけだった。
隠れたのか そう皆が思い警戒したが
ビゼルガントだけ運よく偶然、違う考えにたどり着いた
「・・・だまされた!!!」
しかし
そう思ったのもつかの間
「ぐあっ」
後ろから部下の悲鳴が聞こえてきた
そして次々と悲鳴は増えていく
「なっ!なんだ!何がどうなってやがる!!」
ビゼルガントが後ろを振り向くと
剣を持った黒装束の男が次々と自分の部下を倒している光景が広がっていた
「はあっ!」
「うぐぁっ」
「はああっ!」
「ぐあっ!つ・・強すぎる・・・」バタッ
男は次々と剣でバッタバッタと倒していく、その光景はもう無双といっても過言ではない
それもそのはず。部下たちは先ほどまで酒を飲んでいたため今も酔いが回っている状態なのだ
当然、本来の力など出せるはずもない
そんな敵などトールギスにとっては片づけること朝飯前なのだ
「くそっ!一体なんだっていうんだ!!」
自分の部下が知らない男にいとも簡単にどんどん倒されていく
ビゼルは状況をいまいちつかめないまま部下を無双していくトールギスの元げ目を向けそして向かっていこうとした
そのとき
スッ・・・
「・・・!!?」
自分の首元に刃が向けられていることに気付く。前からではない。この混乱した時に乗じ、不意を憑いた後ろからの刃。首だけ後ろを回し振り向くとそこには黒装束に身を纏った少年がこちらをにらんでいた。
そうアルスだ
アルスは剣をビゼルの首に刀身を置いたまま初めて面と向かって口を開きそして言う
「昨日は世話になった」
ビゼルはあまりにも唐突な刃と言葉に絶叫した
『一体なんだっていうんだよオオオォォォォォォォォォォォォォォオオオ!!!!!』
その咆哮ともいえる叫びにアルスは少しビビる。アルスが固まったのを察知してか、ビゼルはなんと手で首にあった刀身を払いのけた。
普通なら無理がある行為だ、しかしそれが可能な理由がビゼルの装備にあった
-彼の両腕には鉄の装甲がついている今でいう〝ガントレット〟というやつだこの装甲は鉄で出来ているので重量がある、その重量を纏いて繰り出される拳は一発一発がとても重い。さらに使用者のビゼルの怪力と相まってとてつもないパワーとなるのだ。
向けられた刀身を装甲でいとも簡単に振り払われとっさにアルスは距離を取った
そして状況が一転し驚いた表情のアルスにビゼルは言う
「てめえが例のクソガキか」