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第一話 運命の子その名はアルス3 -恐喝-

続きになります

 ふてぶてしい大男はしばらく誰もいなくなった通りを少し歩いたところで立ち止まると

「このへんか?おまえがガキに殴られたってとこは」

「へい兄貴、おそらくそいつ服装からしてどっかの商人の息子かと」

「ぼんぼんのおぼっちゃんか・・・気に入らねえな」


さらに大男は続ける

「まさかガキに殴られた挙句、金渡されて引き下がるなんて漢として恥ずかしくねえのか」

そういうと大男は金をもらって引き下がった自分の取り巻きを強く握りしめた拳で殴った

「すいやせん兄貴・・・金に目がくらんじまいました・・・」

殴られたとりまき男は、手で拳の当たった頬を押さえながら言った

しかし怒りで殴ったはずの大男の表情は険しい顔をしてはいなかった

「でもよぉ貰った金を自分で使わねぇで俺たち仲間のためにに渡してくれたところはまさに男の鏡だぜ」

「兄貴・・・」

殴られたはずの男の目には涙が浮かんでいた

そしてそれを見ていたほかのとりまきも自分たちの兄貴の器の広さに感動している

とりまきの反応をよそに大男は町を見渡し

「誰もいねぇな・・・」

そして地面をその足で強く鳴らし 大きく息を吸うと



『よくも俺の仲間に恥かかせてくれたなぁ!!!!許さねえぞ!!!もしてめぇがこれを聞いているならさぞかし慌てたほうがいいぜ!!!てめえはこの俺ビゼルガント様を怒らせちまった。この落とし前はキッチリとってもらうぞぉ!!!』




ビゼルガントはこの辺り一帯に響きわたるほどの大声で叫んだ

近くに住んでいる人々はその怒号に恐怖した

だがその言葉の内容は近くに隠れていた15ばかりの少年一人に向けたものだった

そしてビゼルガントはとんでもないことを叫びだした



『てめえが商人の息子ってことはわかってんだ。明日からこの辺り一帯の商人の家を片っ端から襲いまくっててめえをあぶりだしてやるよ!!!覚悟しておくんだなァ!!!!!』



「あいつ・・・っ!!!」

「ダメですアルス!」

今すぐにでもあの群衆に突っ込んでいきそうなアルスをトールギスは止めた

その後少ししてビゼルガントとその仲間たちは通りから去っていった

アルスは怒りの感情をトールギスにぶつけた

「トールギスなんでとめたんだ!あんな奴らこの剣でたたき斬ってやったんだ!!!」

「剣術もろくにままならないじゃないですか!あのままい行っていたらただではすみませんでしたよ」

「そんなことない!ここでとめなくちゃいけなかったんだ!」

「冷静になってください」

その言葉にようやくアルスは我に返り頭で考える

‘商人の家が襲われる‘そのことにアルスは事の重大さを認識し、自分の行いを反省した


---王宮

王宮ではアルセール王国アルフレットが王の職務を全うしていた

「最近の情勢はどうなっておる」

その問いに宰相ペペロンチーノが答える

「タクラ国は表立った攻撃は行っていないものの、我が国を手中に収めんと暗躍しているのはもはや明確でございます。この前のアヴァロン訓練場襲撃事件も公式には認めておりませんがおそらくは・・・」

宰相のその言葉に王は頭を悩ませた

「引き続きアヴァロン及びその他の訓練場の者には厳重警戒を要し、いつでも攻撃に対処出来るよう伝えよ」

宰相はわかりましたと言い王に軽く一礼した


そのときお待ち下さいという声が王の部屋の扉越しに響いた

ドアが開き男が現れた。男は王の前に詰め寄るようにして近ずく

「私をアヴァロンの訓練場に行かせて下さい」

王は突然入ってきた男の言葉に耳を疑いなぜだ?と彼に問う

「このことはゆゆしき事態です。奴らは我々の手薄な部分に付け込んで攻撃してきました奴らはまず外堀から崩すつもりなのです。厳重警戒だけでは足りません私が行って奴らを牽制してまいります」

男の強気な物言いを王は少し考え

「確かに主の言うとおりだ、奴らを牽制することはとても重要なことである」

「ではジュクサー。主にアヴァロン訓練場の護衛を任せる」

「はっ、ありがたき幸せ!」

ジュクサーと呼ばれるその男は王に一礼すると先ほど入って来た扉のほうに向かい他の宰相たちが並ぶ列の真ん中を歩き王の部屋を後にした

男が部屋を出て行ったタイミングで一人の宰相が不満そうに言った

「本当によかったのですか?あの男はジュクサー家。しかもその当主です信用なりません」


先ほどの男 リリガン・ジュクサー はアルセール三大貴族と呼ばれる国で最も勢力の強い三貴族の内の一つジュクサー家の当主である。他の二貴族は代々王を務めてきたアルセール家との親交は良好だがジュクサー家にいたっては何かと折り合いがうまくいかずアルセール家や他の二貴族とは半場対立関係のような状態にあった 


不安がる宰相の言葉に王は返す

「一応奴らの動向を隠密部隊に見張らせることにしておる。何かあれば報告してくるだろう心配するな」

宰相はしぶしぶ引き下がった

少しして王はペペロンチーノに息子アルスの事を聞いた

「ところで最近息子の方はどうなっておる」

ペペロンチーノは最近アルスの事をトールギスに任せっきりだったため王の問いには適当にでまかせを言ってその場を乗り切った

王は自分の息子に何が起こっているのかまだ知らない


独特の表現や文章構成になっております

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