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はじまり
「僕って孤独な存在なのかなぁ。」
少年がそんな一人ごとを呟いた。
この少年は、この村にくるまでの記憶がなく、たまたま一人の男に拾われて、一緒に住んでいた。
しかし、そうは長く続かなかった。
少年の強すぎる力は、見るものを怖がらせていた。
そのため、同じくらいの背丈の子供たちからは、
「おーい、化け物こっちに来るなよ。」
と言われたり、大人たちからは、
「こっちに来るな、帰れ帰れ。」
と言われたりした。
そして、一緒に住んでいた男からも見捨てられ、少年は隠れたり、ものを盗んだりして、なんとか毎日を過ごしていた。
しかし、それから1000年後のある日、村長が、
「そろそろいい加減にあの少年を殺そう」
と言った。
村人たちはそれに大賛成し、夜に少年の隠れ家を襲撃することにした。
とある少女は、少年を助けようと思い、隠れ家に急いで向かった。
隠れ家に着くと、すぐに少年にこの事を話した。
「とうとう、この日が来たか・・・。」
少年は、少しため息をついて少女にお礼言い、逃げる準備をした。