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異世界艦隊 ―軍艦好きな奴が異世界でゼロから艦隊を作ったら―  作者: 紫 和春
本編

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94海里目 続く準備

 あれから数日。

 速達で送った次期作戦案について、進展があった。

 どうやら、俺の提言を受け入れる方針に傾いたようである。

 そこで、具体的な案を提出するようにとの書類が届いた。


「確か前提条件として何を出したんだっけな?」


 俺が提言の中で出したものは、周辺海域における偵察、敵の通信傍受、そしてクレイル連邦での諜報活動である。

 最後の提言はともかくとして、偵察と通信傍受だけは確実にやっておきたい。

 偵察に関しては、現在手の開いている海軍艦艇を目的地に差し出せば問題はないだろう。どこの国の艦艇がやるかっていう問題は残っているが。

 そして通信傍受に関しては、今の防衛連盟の技術力があればすぐにでも傍受出来る装置を作ることは可能だろう。理論に関しては知らないがな。

 そして諜報活動に関してだが、これは努力義務であり、必ずしも行わなければならないものではない。

 そもそも現在、クレイル連邦およびバンイ帝国とは国交を断絶している状態にある。

 そんな中、クレイル連邦にはいない人間が突然いるとなると怪しまれるのは当然であり、最悪の場合処刑されることも考えられるだろう。

 もしそんなことをやってくれる担い手がいるとするなら、俺は敬意を表するな。

 俺は一つずつ問題を片づけていくことにした。

 まずは偵察だ。

 この偵察には、通常の周辺海域の水上警戒ももちろんだが、上空からの偵察も必要であると考えている。

 そこで俺はある計画を練り始めた。

 それは空母と航空機による威力偵察活動だ。

 もちろん空母の開発は、俺自身によって行わなければならない。

 しかし、航空機に関しては問題はないと考えている。

 それは、武器庫の存在が大きい。

 俺は武器庫から航空機を召喚しようと考えているのだ。

 今後はその適切な航空機の選定を行う必要があると考えている。まぁ、これはまだ少し後でいいかもしれないな。

 早速俺は防衛連盟本部に対して、参加可能な艦艇をすべてリスト化し、ローテーションでクレイル連邦を偵察するように指示を出す。

 その次に、俺はクリファラン学園へと向かった。

 ここでは通信傍受のための装置を作ってもらうのだ。

 今回通信傍受装置の開発をしてもらうのは、以前モールス信号を作ってもらった時にお世話になったロディ研究室だ。

 早速ロディ研究室にこの話を持ちかけた。


「そういうわけで、今回は通信を傍受するための装置を作ってほしいんです」

「しかし、そんな簡単に行きますかね?」

「多分大丈夫だと思いますけどね」

「その根拠はあるんですか?」

「えぇ、一応。我々がバンイ帝国に出向いた際、敵は魔波式位置測定機構の信号周波数を変更してなかったんですよ」

「もしかすると、以前使っていた通信機の周波数に合わせれば、敵の通信を傍受することが可能であると?」

「そういうことになります」

「んー…。分かりました、何とかやってみます」

「よろしくお願いします」


 こうしてまた一つの問題を片づけた。

 俺は次の行動に移る。

 今度はクレイル連邦における諜報活動に関してだ。

 とはいっても、これは俺自身が努力義務と定めている。

 そもそも、敵の影響力がある海域を突破して本国に乗り込むというのはかなり無茶をするものだ。

 もし可能であるならば、海上から行くのではなく空中からいけるのが望ましい。

 いわゆる空挺のようなものだ。

 しかし、今の状況で空挺できる兵を育成したり、航空機を作る時間がない。

 だが、可能性の一つとして何か打つ手はあるのではないかと考えてしまう。

 そこで、俺は防衛連盟軍総合参謀本部に出向き、意見を聞いた。


「…というわけで、何かいい情報ないですかね」

「そんな簡単に来て、あっさりと出るものではないのだがね」


 面談に応じてくれたダリ中佐に、とがめられるように言われる。

 まぁ、確かに何かしらの情報があると思って来ているわけではないので、ダリ中佐としてはいい迷惑だろう。

 それでも、一緒に悩んでくれているところがあるのは、なんだかんだでありがたい。


「そういえばだが」


 ダリ中佐がふと思い出したかのように言葉を発する。


「確かヤーピン皇国にそういう諜報活動を専門とする組織があると聞いたことがあるような、ないような…」

「どっちなんですか…」

「どちらにせよ、ヤーピン皇国に聞いてみるのもいいかもしれないな」

「まぁ、空振りだったとしても何か情報は出るかもしれないですし」

「そうしたほうがいい」


 早速俺はヒルノ海上国家にある、ヤーピン皇国大使館に向かう。

 俺の名前と要件を伝えると、すぐに奥に通された。


「初めまして。私がヤーピン皇国特命全権大使の坂下です」

「突然の訪問失礼します」

「本当ですよ。今日は偶然にも予定はなかったものの、普通はこうもいかないですからね」

「いやはや、申し訳ないです」

「それで、連合艦隊の司令長官本人が直々に訪問とは、一体どのような要件ですか?」

「それなんですがね。とある筋から、ヤーピン皇国に諜報活動を主とする組織があると聞いたんですよ」

「あぁ、確かにありますね」


 意外にもすんなりと受け入れられた。


「特に秘密にしているわけではないんですね」

「一応そういった情報は秘匿にしているわけではないので。それで海原長官が望むような人材となりますと、乙賀(おつが)組になりますかねぇ」

「乙賀組ですか?」

「乙賀組はかつて忍者の系統を持つ集まりでして、現在はその技術を利用して諜報活動に勤しんでいると聞きます。私自身関係があるとは言えないのですが」

「そうですか。とりあえずその乙賀組に依頼を出したいと考えているんですが」

「いいんじゃないですか?ただ、場合によっては突き返されるかもしれませんけど」

「分かりました。では早速問い合わせしたいのですが」

「それでしたら私から連絡取りますね。返答がありましたらお知らせします」

「よろしくお願いします」


 これはしばらく待たなければならないだろう。

 その間に、俺は偵察用の航空機の選定を行うことにした。

 早速武器庫に向かうと、そこには暇を持て余しているシクスとオーウェンが井戸端会議を開催していた。


「お、カケルじゃねぇか。どうしたんだ?」

「ちょっと武器庫から新しいものを構築しようと思っててな」

「へぇ、どんなやつ?」

「そうだな…。今構想しているものとしてはRF-4EJみたいなやつかな」

「おま…、それ本格的なやつじゃん」


 そんなシクスの言葉をよそに、俺は武器庫に設置されている筐体にキーワードを入力し、検索する。

 すると、いくつかいい感じの物が出てきた。

 俺は説明文を見ながら、今の状況にあったものを探していく。

 その中で、俺はある物を見つける。


「RAF-4E…?」


 聞き慣れない航空機の名前に、俺はその説明文を読む。

 RAF-4Eは、F-4Eを再設計して製造された偵察用航空機の一種らしく、その主任務は文字通り偵察任務だそうだ。RAF-4Eは1979年に設計・開発され、約20機が製造されたらしい。RAF-4Eはラオス・ベトナム戦争時に活躍し、ベトナム陣営の勝利に導いたらしい。

 機体の諸元を確認してみると、RAF-4Eは通常のF-4Eに比べて機体の全長が短くなっており、その分機体が小さくなっているようだ。

 これは使えるかもしれない。

 俺はこの機体の情報をメモに取った。


「いいもの見つかったか?」


 メモを取っている所に、シクスが横やりを入れてくる。


「ん?あぁ、いい感じのがあったぜ」

「そうか、それは今後に期待だな」


 そういって俺は船台のほうへ向かった。

 航空機が見つかったら、次はそれを移動させるための入れ物を作るのだ。

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次回も読んでいってください。

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