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異世界艦隊 ―軍艦好きな奴が異世界でゼロから艦隊を作ったら―  作者: 紫 和春
本編

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86海里目 報告と思案

 旧トグラン国領土を出発した連合艦隊は、その後何事もなく防衛連盟領域に入る。

 そして、無事にテラル島へと帰還することができた。

 しかし、テラル島に戻ったからといって、一息つけるわけではない。


「島の拡張作業…、居住区建設…、物資の流通確保…」


 俺はするべきことをブツクサと唱えるように繰り返す。

 実際、湾港に入ったと同時に艦橋から飛び出そうとしていた。


「ちょっと待て司令長官」


 それを止めたのはトーラス補佐官である。


「何ですか、俺にはしなきゃいけないことが山のようにあるんですよ」

「それは知っている。その前に、まずは作戦終了の報告をするべきではないか?」

「…それってどこに?」

「当然、防衛連盟本部だ」

「マァジで言ってるんですか?」

「当たり前だ」

「それって島の拡張してからにしません?」

「ちなみに聞くが、その島の拡張はどの程度かかると見込んでいる?」

「丸一日あればいけます」

「…まぁいい。こっちは事務仕事をしているから、その間に作業をしてくるがいい」

「アザッス!」


 そういって俺は艦橋から思いっきり飛び出していった。

 今回の建設場所は島の北側にある場所だ。

 この辺は海底が浅くなだらかになっているため、拡張するためにはもってこいの場所である。

 早速俺は作業に移る。

 今回もテラル島を作った際に使用したジャケット工法を用いて、島の拡張を行っていく。

 まずは今回拡張する範囲に合わせて、海底に杭を打ち込む。

 この杭に合わせるように、床部分となるジャケットを生成し、被せていく。

 こうして拡張部分の床が完成したら、後で建物が建設しやすいように剛性を持たせて完成である。

 今回の作業により、島の面積が何割か増えることになった。


「あとは気まぐれで土を盛るのもいいかもしれないな」


 こんなことを日中ずっとやっていたものだから、時はすでに日が沈んでいるところだ。

 俺は連合艦隊本部庁舎に戻る。

 そこでは、トーラス補佐官とジェイル中尉、本部庁舎に残っていた連合艦隊司令部の面々と報告を交わしていた。


「司令長官、作業は終わったのか?」

「えぇ、どうにか。あとは居住区の建設とかしないといけませんが」

「それは後で建築業者でも呼んでやってもらおう。それよりもさっき報告された内容なのだが、例のタンカーがなんとか形になっているようだ」

「おぉ、それはいい報告ですね。あの中規模複製装置はうまく稼働しましたか?」

「はい。司令長官の残してくれた説明書のおかげで、順調に稼働してましたよ」

「それはよかった」

「昨日の時点で一型タンカーは26隻が進水済み、残りの4隻もあと数日中に進水が完了します。艤装工事がまだ残っていますが、1ヶ月以内にはすべてのタンカーが完成する見通しです。また大発の製造も、目標数の85%が完成しています。ここまでは比較的順調です」

「よし、あとは完成するまで静観だな。ここで俺が手出しする場面じゃない」

「それでは報告は以上だ。今日は休んで、明日防衛連盟本部に作戦終了の報告をしに行こう」


 俺は夜間の寝る前に、武器庫の移設だけをした。

 これを忘れてはいけないからな。

 武器庫はテラル島の埠頭に並ぶ建物の真ん中あたりに移設した。

 一夜明け、俺は「古鷹」に乗ってヒルノ海上国家へと向かう。

 防衛連盟軍総合参謀本部では、グライディン少将とダリ中佐が出迎えてくれた。

 早速俺たちは会議室に通されて、作戦の結果を通達する。


「先に連絡した通りですが、今回バンイ帝国海軍戦力の漸減を目的とした『洋上の竜巻』作戦は成功に終わりました。詳しい戦果は、敵海軍基地12ヶ所の壊滅、それに伴う海軍艦艇の撃破、および旧トグラン国領土の解放です」

「ふむ、なかなかの戦果だな。いい報告を聞いた」


 グライディン少将は満足げに頷く。


「それで、話は少し変わるのだが、旧トグラン国領土で問題が発生したようだな」

「えぇ。問題というか、少し込み入った話といいますか…」

「まぁよい。話してみるがいい」

「はい。実は旧トグラン国領土にて、原始的な国家的共同体の集団が発見されたんです」

「ほう」

「亜人である彼らは、それぞれ所属するグループ同士で手を取り合い、共同でバンイ帝国に対抗していたんです。そこで連合艦隊は彼らに、共にバンイ帝国およびクレイル連邦と戦うことを持ちかけました。結果としてこの提案は受け入れられ、現在連合艦隊が保護している状況です」

「なるほど。確かに旧トグラン国は亜人の比率が多い国ではあったが、その亜人が抵抗していたか」

「はい。今後の考えとしては、彼らに連合艦隊の一員として入隊してもらい、陸戦隊として防衛連盟陸軍と共に上陸作戦を遂行してもらおうと考えています」

「わかった。事後承認に当たるかもしれないが、防衛連盟本部に対して連合艦隊内に新部隊設立の申請を後押ししよう」

「ありがとうございます」


 こうして少しやり取りをしたあとに、総合参謀本部を後にした。

 さて、テラル島に戻ってきた俺は、早速次の作業に移る。

 まずは拡張に伴う居住区の建設の要請と、食料などの調達だ。ずっと艦内に閉じ込めっぱなしもいけないからな。

 建物の建設は1棟でいいことにした。今回は時間があまりないことから、寮のようなものを1棟建設して、後は俺がそれをできる限り量産していく。

 こうすることで、時間も経費も削減する。

 さて、これらの書類を送ったところで、手持無沙汰になってしまった。

 どうしようか考えた結果、俺は連合艦隊陸戦隊の装備を考えることにした。

 善は急げ、すぐにメモ用紙と筆記具を持って武器庫に向かう。

 武器庫では上陸していたオーウェンとシクスが武器庫で雑談していた。


「おう、海原。どうしたんだ?」

「連合艦隊陸戦隊の装備でも考えようかなと思ってさ」

「ほう、それなら手伝うぜ」

「それはありがたい。なにせ陸の知識は少ないほうだからさ」


 そういって俺は構築用の筐体の前に立つ。


「まずはどのようなものが欲しいんだ?」


 シクスが俺に尋ねる。


「そうだなぁ。まずは足が欲しいよな」

「足?」

「そう。移動用の足」

「それなら、普通にトラックでいいんじゃないか」

「そうなんだけど、どの程度のトラックがいいんだか…」

「そうだな…。俺がこの世界に来る前の世界では、3.5tトラックが人員輸送で活躍していたな」

「3.5tか…。何かいいのあるかな?」


 早速「3.5tトラック」で検索すると、一覧としてトラックの種類が出てくる。

 その中でも、24式大型トラックがちょうどよさそうに見えた。


「よし、これにしてみよう」


 早速構築してみる。

 24式大型トラックを選択すると、画面にガレージの内部と思われる範囲が表示された。

 それと同時に、ガレージそのものに立体的なホログラムが投影される。

 ちょうど2台分くらい入りそうだが、今回はお試しで選択するため1台にしておく。

 そして構築を開始する。

 機械音と共に、ホログラムに沿ってトラックが構築されていく。

 数分後、構築が終了すると、そこには幌付きのトラックが鎮座していた。


「ほーん、これが3.5tトラック…」


 そういって俺はトラックに触れる。

 するとその瞬間、脳内に何かがフラッシュバックするような映像が流れ込む。

 それはこのトラックの扱い方であった。

 俺は思わずよろめいてしまう。


「なんだ今の…」

「これが召喚した物品の特性だ」


 頭を押さえる俺に、オーウェンは説明を始める。


「武器庫から召喚された物に初めて触れた時に、その物の使い方を瞬時に理解する特性を持っているらしい」

「うっ…。なんか気持ち悪い…」

「慣れろ」


 ひどいこと言うなぁ。

 だが、少し深呼吸したところで落ち着きを取り戻す。

 俺はトラックの幌の内部を見てみた。

 中は人が座れるのに十分なスペースを確保している。

 これなら人員の輸送も楽そうだ。


「だが、これで上陸作戦に臨むのか?不整地走れないだろ」


 そんな言葉がシクスから飛んでくる。


「…あ」


 このトラックはタイヤだ。砂浜や不整地ではうまく走れないかもしれない。


「…検討が必要だな」


 そんな感じで必要な物を検討していく。

本作を読んでいただきありがとうございます。もしよろしければ下にある評価ポイントを入れてくれると助かります。

また、感想やレビューを書いてもらえると作者の励みになります。

次回も読んでいってください。

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