〜ブサイクと振り分けと担任〜
振り分け試験の結果が出たようだ。
予想通り僕は5組だ。やはり一番下か…、そんで、竜司は……っと。やはり5組か。
「ん?お前も5組か!つぎの振り分けまでよろしくな。」
「あ、あぁーよろしく。」
教室に入ると、いかにも馬鹿そうな人がたくさんいる。漫画読んでる人はいるし、寝てる人はいるし……、なんとも言えないな。女子はちゃんといるか? お、良かった。ちゃんといた。 (それだけが望みだった。)
女子は少ししかいないが数人いるだけ嬉しい。比率は3:7くらいというところか。
ガラガラっ! 扉を開ける音が聞こえた。
「はい、みんな席について、出席をとるわ。」という声を聞くと男子生徒のほとんどが少し感嘆し、その後
「喜べ!!担任が女の人だ!!」と誰かが叫んだ。
「うぉーーーー」 「きたぁぁぁー!」と続く。
「おらぁ!静かにしろや馬鹿ども!!!」
「!?!?」
一瞬にして静まり返る。叫んだのはいうまでもない。先生だ。
「ホームルームを続ける、私はこのクラスの副担任の楠田だ。いいか副だ副!担任は別の先生だ。早とちりするな馬鹿。」
どっかでため息が聞こえた。
僕はこんな1連の流れをみて、こいつは怒らせるとやばいと直感で把握した。
そして担任が入ってくる。みんなが一瞬にして絶望するのがわかる。僕もこいつだけの名前だけは知っている、西岡先生、いやヒトラーだ。西岡先生はあまりにも厳しく独裁者(自己中心)的な存在ゆえ、生徒たちにはヒトラーという名前が定着している。まさか、こいつが担任とは……。
僕の不安がいきなり最高潮になりそうなこのクラスの第1日が始まった。