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飛鳥徒然短編集  作者: 日陰茸
シリーズ物
11/11

一応幸せです

勇者帰還を切っ掛けに現れ始めた知識をもつ不思議な子供たちは数年間現れ続けた後、ぱったりと現れなくなったという。おそらく勇者の穴埋めが終わったんだと思う。


転生者の知識を利用することでこの世界の文明もかなり進んだ。たぶん数百年から数千年単位だと思う。向こうの技術のみでは実現不可能だったものもこちらの魔導技術との融合ですごいことになっている。


例えば、馬車は魔導車にかわった。自動車ではない。小型の飛行型マシンだ。某漫画の神様の作品に出てきたSFちっくなあれだ。他にも立体型電話なんかも登場した。もはやファンタジーではない。SFだ。


魔獣にも怯える必要がなくなった。遠方から対処できる魔弾銃とか最強だと思う。魔弾銃がなくてもその辺でロケットランチャーを一般人が購入できるのだから恐ろしい限りだ。もはや剣の時代は完全に終わった。


奴隷にされた転生者達だが、全ての知識を述べ、その知識が一般に浸透したものから順次普通奴隷に格上げ?申請を受け付けているらしい。待遇としては普通奴隷の方が悪いのだが普通奴隷は自分を自分で買い取ることができる。要は自由を代償とした生への保証か自由を目指すかということだ。ウッドはどちらにしたのだろうか。


私自身は10歳から王都にある国立学園に入学して勉学に励み、卒業後はアーカイブス(周囲には前世の記録については秘匿して、ただの完全記憶能力と説明している)の記録能力を活かして第1級王宮図書館で複製禁止書物のバックアップ要員として働いている。機密書を覚えていることで軟禁生活でもさせられるかとおもいきや、同期に制約能力保持者がいたことで書物に関する記録は図書館内か王宮内で上司又は宰相さま以上の身分のかた同伴でないと開示できないという制約を結べ、私自身は拘束されることもなく自由の身だ。


転生直後の転生者の扱いを見聞きするとなんてひどい世界に来たものだろうと思っていたけど、実際暮らしているとそうでもない。いや、技術を一切秘匿せず市民に提供しようという姿勢を考えると本当は優しい世界なのかもしれない。ただちょっと文明発展に貪欲なのだ。


文明は進み、科学と魔導の融合をはたしたこの世界ではもうすぐ転生者かどうかは関係なくなる。私も周りを警戒する必要がなくなるだろう。いろいろ気苦労もあったがとりあえず私は今幸せに生活できている。

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