いつもの日常
完全処女作なので至らぬ点が多々あると思いますが温かい目で見守ってください。
未開拓エリアA-5と呼ばれる生い茂った森の中、大きな力強い遠吠えが響く。
その遠吠えを聞きながら一人の若い男が苦虫を噛み潰したような顔をしながら小さなため息を吐いた。
その青年とも捉えられる男の足元には先程まで戦っていたと思われる魔獣、
「金羊」<ゴールデンシープ>が複数転がっていた。
この金羊と呼ばれる魔獣は薄汚い黄金色に輝くモコモコとした毛皮を持つ魔獣である。
見た目は野獣に分類される羊なのであるが、その薄汚く黄金色に輝く毛皮は金羊の意思により、
針の様に鋭くなり、また剣すらも弾く鉄壁の防具にもなるのであった。
そのため、討伐推奨ランクはA以上に認定されているが、
この魔獣は草食のため冒険者を襲うことはほとんどなく、
危険度ランクはCとなっている。
また、黄金色に輝く毛皮はとても高価なものなので、
冒険者がよく狩猟に来るのだが大抵は返り討ちにされてしまう。
「さて、奴が来る前に毛皮をもらっておきますか。」
毛皮を剥ぎ取りながら、俺は誰かに言い聞かせるわけでもないのに小さな声で言った。
一人で居るのが続くと独り言が増えるというのは本当なのかもしれない。
ココ最近は町にすら戻っておらず、ましてこの地域は未開拓エリアA-5。
つまり、冒険者ランクA以上がパーティーにいるか、
または、自身がAランク以上でなければ入ることが出来ない地域なのだ。
そんな地域に俺は依頼で来ている。今回の依頼でA-5に潜ってから約1ヶ月以上が経過している。
さすがに普段一人で依頼をこなしている俺でも人恋しくなる期間である。
もちろん金羊狩猟のためだけに1ヶ月も潜っていたわけではない。
何をしていたかというと…。
「!」
突然鋭い視線を感じる。
先ほど吠えていたワンコがもう来たのか…。
更新は不定期です