部長と俺。
前回の投稿から1週間どころか3ヶ月も開いてしまって……モチベが上がらなかったんですよ(震え声)
「龍ちゃん龍ちゃん」
「何ですか部長?」
放課後の部室。文庫本に目を落としていた俺に部長が声を掛けてきた。
「えっへへー。龍ちゃんにプレゼントがあるの!」
「プレゼント?」
そう言って学生鞄とは別に持ってきたのであろう大きめの紙袋をガサゴソとまさぐる先輩。そして……
「じゃ~ん!」
「……えっと、これは?」
やけに誇らしげに胸を張りながら長テーブルの上に置かれた……小袋に入った黒い物体。
……イヤな予感。
「クッキー焼いたんだ! 沢山作ったから龍ちゃんどうぞー」
「へ、へぇ……クッキーですかぁ」
俺の目には木炭みたく見えるんですけど……
姫宮部長は料理が下手である。それはもう、絶望的なまでに。
そして一番厄介なのが……
「お父さんが今までで一番の出来だって褒めてくれたの! 自信作だよ~」
……自分の腕前を正しく理解してないところだ。
く、どうする俺? また前みたいに腹下したりとかしたくないぞ!?
……っ! 閃いた!
「じゃあ折角なんで、家に帰ってから紅茶でも淹れて食べさせて貰いますね」
「あっ! いけない忘れてた! そうだよねクッキーには紅茶だよね!」
紙袋から魔法瓶を取り出し部室に常備してあるカップにいそいそと紅の液体を注ぎ込む部長。
「失礼しました。 はいどうぞ龍ちゃん♪」
差し出される紅茶。湯気が立っており、葉吹の淹れた物ほどではないがいい香りがする。
……逃げ道を塞がれた……だと?
「お父さんと龍ちゃんは私のお菓子食べてくれるのに他の人皆遠慮するんだよね……だから龍ちゃん、遠慮なんてしなくていいからね?」
ああ……姫宮部長。あなたみたいな美しいお方に、そんな悪戯っぽい顔で可愛らしく言われたら……男として完食せざるを得ない!
「じゃ、じゃあありがたく……いただきまぁぁぁぁぁぁぁす!!!」
夜、自宅にて。
「兄さん……御手洗いまだ終わらないんですかぁ? 私も、そろそろ限界なんですが……」
「すまない妹よ……あと5分だけ待ってください」
案の定咀嚼するのが困難なほど苦くて腹も下した(クッキーなのにな)
まぁ、姫宮部長の喜ぶ顔可愛いかったし……良しとしよ……うぅぅぅ!?
「兄さん……私……もう……漏れちゃうよぅ」
「……おっけー俺も丁度終了したところだ。今出るからちょっと待ってな」
ここから一番近いコンビニのトイレまで……果たして持つだろうか?
基本1話完結型で書いてくつもりです。
あと、後半お食事中に読んでしまった方いたら申し訳ないです……