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漆喰のネクストエイジ  作者: 陽ノ下天音
第一章 神の楽園
4/10

神の楽園 ~3~

   ◆


 ゴォン!!

 ゴングが成り、戦闘が始まる。

「・・・・・・っふん!」

 先手を切ったのはエルギン。彼の巨体が光り輝く。

武骨パージアウト!!」

 エルギンの体の節々がボコッと膨れ上がる。まるで溢れんばかりのエネルギーが体中を駆け巡っているように。

 ――武骨とは、身体強化の才能系異能力である。体中を流れる血潮を制御することによって、自身の筋力・防御力を強くする異能力である。弱点と言える弱点は・・・・・・

「いぃ~くぅ~ぞぉ~!」

 動きが致命的に遅くなることである。

「そんな速さジャ絶対に捕まんないネ☆」

 対する梁・陳真は余裕綽々だ。ランキング上位相手にもかかわらず余裕の笑みを浮かべる。

必中スナイパー!!」

 必中も武骨と同じく、才能系異能力である。必中の能力は・・・・・・

「相手を一撃で仕留めるコト!これなら防御も関係ないネ!」

「なぁ~らぁ~ばぁ~」

 のらりくらりとした動きでエルギンは右腕を振りかぶる。

「こぉ~れぇ~でぇ~どぉ~だぁ~!」

 ビュゴォォウ!!

 そんな音を立ててエルギンの右腕から豪風が発生する。

 間違いない。これも異能力だ。

 異能力『突風テンペスト』。

 これは風を起こして攻撃するオーソドックスな、修練系異能力である。

 ただし、エルギンは違う。

 エルギンは自身の筋力を強化したうえで異能力を使ったのだ。エルギンの腕から放たれる強烈な風。そして突風の発動。

 竜巻級の風が梁に襲いかかる。

「おォウ!?」

 さすがに威力が強かったのか、梁も姿勢を崩す。

「流石『竜巻のエルギン』ダネ・・・・・・ちょっと舐めてタヨ☆」

 梁が賞賛の言葉を述べてもエルギンの攻撃は止むことはない。

「でも・・・・・・負けないヨ?」

 梁はそう言うと、風の流れる通りに走り始めた。

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