神の楽園 ~1~
「zzz・・・・・・」
「おい東雲」
「zzz・・・・・・」
「おい東雲」
「zzz・・・・・・」
「起きろ東雲継遥」
「ぐーぐー・・・・・・」
「起きろ東雲ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「うっほおう!!?」
ゴリラみたいな声を挙げてオレ、東雲継遥は目覚めた。
「貴様ぁ・・・・・・学年最弱の分際で俺の授業をサボろうというのか・・・・・・?」
歴史科のハゲ、もといゲルマン・ハーべスはどうやらお怒りのようだ。
「おいおい誰だよ。ハゲを怒らせちゃったの。みんな知ってるだろ?このハゲ怒ると面倒くさいって。ほら、分かったらちゃんと謝れよ。誰だー?ハゲを怒らせたのは?」
「「「「「お前だよ!」」」」」
満場一致でクラス中から、オレの方向に人差し指を向けられた。団結力のあるクラスとか尊敬しちゃうね、オレ。
「貴様・・・・・・ハゲハゲ言わせておけば・・・・・・図に乗りおってぇ・・・・・・!」
「えっ?なんすか?ハゲ公認ですか?おーいみんな!このハゲついに自分をハゲだって認めたぞー?いつもなら『これはハゲじゃなくてスキンヘッドだ!』とか言うくせにさー」
その瞬間。
大きな拳が一つ、顔面に飛んできた。
◆
――神の楽園。
世界の中心にそびえ立つと言われるこの居城はただの高い塔ではない。
れっきとした学園都市である。
生徒数は100000人超え。小中高一貫。全寮制。まさに学徒のための楽園である。
この学園は一つの国として主権を持っている。
つまり、神の楽園は一つの国として扱われるのだ。 そして、この国には、もうひとつの秘密がある。
――異能力者。またの名を新世代。
この国は異能力者を養成する学園なのだ。