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第1話 平行世界へ

 おかしい。

 どうしてこうなった……?


 親父の転勤の都合で住み慣れた街を離れて家族全員で引っ越し。

 そして今日は高校の入学式。


 今までの自分を変えるために一念発起して今日に備えてきた。具体的には雑誌などを参考に髪型を変えたり、会話本などを読んでイメージトレーニングに励み、筋トレなどを頑張ろうとして1週間で挫折したりとありとあらゆる努力をしてきた。

(これでこれからはボッチを脱出、さらには彼女なんか作ったりしてリア充の仲間入りだ)

 そんな意気込みで入学式に望んだ俺。



 だが現実は厳しかった。




 入学式は講堂の中で行われた。そう薄々おかしいとは感じていたのだ。

 大体にして門の所に警備員が居たり、学校の周りをドーベルマンを連れた人が巡回していたり、学校に入るのに物々しいチェックがあったりと。最近は物騒だから学校側も過敏になってるのかな、とその時は思っていた。

 だが、この講堂の中に入ったときに確信した。


(この学校はおかしい!)


 周りを見れば女子生徒だらけ!


 おかしい、確かに急に決まった転勤のため急遽学校を変えることになったが、前もって渡されたパンフレットには創立60年の男女共学の普通の学校だったはずだ。

 そんな混乱の極地の中、呆然と立っていたらいきなり呼び出された。


「以下呼ばれた者は壇上の上まで移動してください」


 そして新入生の男子学生5人と女子学生1人が壇上に誘導され式が始まった。


 まずは学園長の登場だが、これがまた若かった。見た目20代前半の容姿でややツリ目気味だが、どことなく厳しさの中にも優しさを感じる目をしていた。


「みなさん、まずは入学おめでとうございます。私はこの学園の学園長をしています桐生まどかといいます」

 お決まりの挨拶から始まり、新入生の心得やらこの学園が目指しているものなどの有り難い話が続いた。


 もっともその時はまだ混乱の中で、俺はそんな話なんてこれっぽっちも頭の中に入ってきていなかった。

(なんで普通の共学の学校がこんな風になっちゃったんだよ。しかも、なんで晒し者みたいに壇上に上がってるんだよ)


 その時、話の途中の学園長がおもむろに壇上の6人の方を振り向いた。

「皆様も知っているでしょうが、今年度より我が学園は共学の道を歩むことになりました。もちろん、今まで由緒正しい女子校として存在してきました学園です。急な共学化では混乱を招いてしまいますから、まずは6人の男性生徒を受け入れることになりました。みなさんも初めは戸惑いもあるかと思いますが、どうか仲良く学生生活を送ってください」

(え、女子校? 今年から共学化? やはりコレは夢なのか? どうやら高校デビューに気合いが入りすぎてこんな変な夢を見てしまったんだな)


 そんな現実逃避をしている間にも式は進行し、気が付けばいつの間にか教室まで行って席に座っていた。

 ちなみに位置は教卓の真ん前。そして周りは全員女生徒だった。

 暫くすると教室に、おそらく先生と思われる人が入ってきた。

 おそらくと付けたのは、実はその人の見た目が幼かったからだ。推定身長150未満。容姿はどう見ても小学生。そして一生懸命背伸びをしながら黒板に名前を書いていた。

「はい注目、先生の名前は新瑞栞あらたましおりといいます。これから1年みんなよろしくね」

(先生、本当は何歳なんだろうか? くっ、質問してえ。だが、ここで悪目立ちする訳にはいかない)

 むしろ男子生徒が一人しか居ない時点で、これ以上ないくらい目立っているのだが。


「じゃあ、まずはみんな自己紹介してね」

(キタ自己紹介! まずは最初の難関だ。コレさえ上手くこなせればこの学園での生活は安泰だ。逆にここで失敗をすれば、また以前のようにボッチ生活を送るハメになる)


 女生徒達の自己紹介が続いていく。どうやら聞いていると中等部からのエスカレーター式の生徒がほとんどのようだ。つまり自分以外はみんな知り合い状態。ナニコレ中学時代よりもっと酷い状況だよ。てか逃げ出したい。

 そして遂に来てしまった自分の番。ここは作戦変更だ。ハイテンションな自己紹介で周りからドン引きされて、クラスから孤立などは絶対に避けたい。ここは無難な自己紹介をして、中学の時のように空気のように無難に過ごすんだ。

 そう考えをまとめ、席を立ちゆっくりと振り返った。

 振り返った先はクラスメイト達の好奇心に満ちた目であった。

 その余りの迫力に半歩後ずさりながらも淡々と自己紹介をした。

「両親の急な転勤に伴いまして、数日前にこちらに引っ越して来たばかりの黒田ヒロです。なにぶんこちらの街に越してきたばかりで、どこに何があるのか全然分からない状態なので、もし良さそうなお店などがありましたら教えてください」

(よし、無難に挨拶したぞ。さらにさらっと話しかけやすいようにしておいたし上出来だ)

 さて、自己紹介も終わったし席につこうかと思った瞬間に手が上がった。

「質問よろしいでしょうか?」

(おい、今までの紹介で質問タイムなんてなかっただろう! なんで俺の時だけ? これはイジメの始まりなのか!?)

 よく見ると柔和な笑顔でとびっきりの美少女がこちらを見ていた。

(なっ、か、可愛すぎだろ。こんな可愛い子とクラスメイトになれるなんてここに来てよかった)

 だが待って欲しい。こんな美少女が俺に興味を持つのだろうか、いやない。

(なるほどこれが美人局ってやつか!)※違います

(あの笑顔の裏ではきっと俺を陥れるための罠を張り巡らしているに違いない。そして俺を孤立させて社会的に抹殺する気なんだ)※ここまでの思考に0.1秒。

 などと見当違いな結論に達してから改めてその子に返事をした。

「えっと、はい、なんでしょうか?」

(ここは努めて冷静に対応だ)

「もしかして以前住んでいた場所は覚王町ではありませんか?」

 ここで予想外の質問。なぜ以前住んでいた所を知っているんだ!?

 心の中でもの凄く動揺しながらも、なんとか顔に出さないようにして答えた。

「はい、そうです覚王町に住んでいました。もしかして会ったことが?」

「いえ、実は昔覚王町の近くにいたことがあるんですよ。黒田君を見ていたらなぜかその町の事を思い出しまして。ふふふっ、これからも仲良くしてください」

 見てただけで思い出すとか超能力者かよ? それとも不思議ちゃん系なのか?

 そんな疑問を浮かべながら、俺の自己紹介は終わった。


 その後順調に自己紹介が進んでいき、栞先生から明日からの予定などの細々なことの連絡が行われた。

 とりあえず今日は終わりかと思った矢先に栞先生から、俺ともう一人の生徒は学園長の部屋に行くように言われた。

 どうやら今後、ここで過ごすための注意事項などがあるらしい。こちらも色々知りたいことがあったので好都合だと考えたとき、ふともう一人呼び出されていることを思い出した。

 確かこのクラスでは男の格好なのは俺一人のはず。なんで一緒に呼ばれたんだろ?

 そういえば壇上にも一緒に居たな、と考えていたときに連絡事項も終わったらしく栞先生が「また明日ね~」と手を振りながら教室を出て行くところだった。

 本当にあの人は一体何歳なんだろう? きっといつか聞いてみせると決心していると、隣から声を掛けられた。

「黒田くん、一緒に学園長の所に行こ」

 確かこの子は自己紹介で白石恵しらいしめぐみと言っていたはず。そしてさっき俺と同じように呼び出されていた片割れだった。

「あ、うん行こうか。でもどうして白石さんも呼ばれたんだろう?」

「うん? 多分男子だけが集められたんじゃないかな」

「あ、なるほど」


 ・・・・・・あれ?


 男子だけ。そして目の前の人物を改めて見た。

 身長は推定160センチ未満。小柄で髪は肩までで後ろに纏めている。そしてもちろん女子生徒の制服を着ている。

「もしかして思いっきり失礼な質問をしてしまうかもしれませんが・・・・・・ひょっとして男性の方でしょうか?」

「うん、そうだよ」

「なんでそんな格好してるんだよ! 紛らわしいわ!」

「え、だってお姉ちゃんが似合うからって」

「そもそも男が女装するのはダメだろ」

「え、だってお姉ちゃんが生徒会の力を使って可能にしたからって」

「・・・・・・生徒会?」

「うん、お姉ちゃんこの学園の生徒会長なんだ」

「職権乱用かよ! ツッコミ所が多すぎだろ」

「まあ、お姉ちゃんだからねえ。それより行こっか」

 なんだこいつは? くそう、どこから見ても女にしか見えない。

 そんなことを考えながら一緒に学園長の所に向かった。




「みなさん揃いましたね。よく来てくださいました。まずは改めて入学おめでとうございます」

 学園長が先ほどと同様、ビシッとした様子で言った。


「さて、皆様に集まっていただいたのはこれからの学園での生活のことです。先ほどお話ししましたとおり当学園は今年度から男女共学となりました。つきまして、あなた達6人には何かと好奇の目が向けられると思います。もしそれを重荷に感じたりこの学園に通うのに苦痛を感じるようでしたら素直に教えてください。当学園ではカウンセリング室もありますし、出来うる限りのサポートをしていきたいと思っております」

 確かに女だらけの中での生活は精神的にキツイ。さらに唯一の男のクラスメイトが男の娘だなんて悪夢だ。


「ですがそれでも無理は場合は、他の学校への転入手続きをさせて戴きます。全国どのような学校へも可能ですのでご心配なさらないように」

 至れり尽くせりだな。そうか、どうしても無理なら他の学校に行けるのか。しかし家から自転車で15分という好立地のこの学園を捨てるのは惜しいな。さらに施設自体も充実しているし、勿体ないと感じてしまう。


「ちなみに当学園を卒業しますと、ありとあらゆる特典が付くことになります。大学はエスカレーター式で行くことが出来ますし、就職も各種大企業に入ることが出来ます。もちろん、ちゃんと卒業資格を得るだけの成績を保持していることが必須ですが」

 なん・・・・・・だと・・・・・・。将来を見据えるならば多少の事は我慢するしかないじゃないか。


「さて、次に注意事項です。当学園は去年まで所謂女子校でした。そのため大半の生徒が男性に免疫のない状態となっております。ですので節度のあるお付き合いを心がけてください」


 あれ、こういった場合は恋愛禁止じゃないのか?

 クラスメイトを見てもお嬢様達ばかりで、変に手を出そうものなら即退学になりそうなものだが。

 そう考えていたときに、集められた6人の中の一人が手を挙げた。

「質問いいですか~?」

「はい、軽井健二さん。なんでしょうか」

「それはつまりお付き合いをしても構わないってこと?」

「そうですね、双方が合意の上でのお付き合いでしたら何も問題はありません。もちろん学生ということを踏まえて健全なお付き合いに限られますが」

 また他の奴も同様に手を挙げて質問をしていた。

「あの、どうして男子は6人だけなんでしょうか?」

 と恵が質問していた。

「うむ、私も疑問に思っていた。この選考基準は一体なんなんだい?」

 こっちはイケメンが同意していた。確かにそれは俺も思っていた。

「そうですね、今回は共学の第一歩としてのテストを兼ねています。その為、あなた達6人にはこれから様々な問題に直面するかと思われます。学園としましても、いきなり大人数を受け入れも対応できないと思われますし、、まずはあなた達6人で問題点を洗い出すことになりました。もちろん学園も全力でバックアップしますので安心してください。また先ほど言った卒業後の各種特典に加えて3年間の授業料免除やカフェテリアのフリーパスなども用意してあります」


「そして選考基準ですが半分は縁故による推薦、もう半分はランダムです」


 ・・・・・・間違いなく俺は後者のランダムだな。

 残りの5人を見渡してみた。まず男の娘は間違いなく縁故採用だろう。さっきの姉の話もあったし。

 そしてもう1人、もの凄く目立つパーフェクト容姿の奴。先ほど選考基準を聞いていたこいつもそうだろう。

 となると残りの3人の内の誰かが何かしらの関係者といったところか。

 一人一人見てみると、最初に質問したいかにも軽薄そうなやつ・そして身長が190センチ以上ありそうな歩く筋肉という言葉がピッタリなやつ。後は眼鏡を掛けた細身なやつだった。

 ふむ、この中だと筋肉辺りかな。


「ということで注意事項は以上です。他に質問はありますか?」

 その後、特に何も質問はなかったので学園長室から退室した。




 ここで、この学園の中での数少ない男子生徒仲間ということで、互いの自己紹介が始まった。

「んじゃ俺から。俺の名前は軽井健二かるいけんじだ。こんな楽園に来られてよかったぜ。しかも特典で将来も安心だし俺にとっては天国だね」

 やはり見た目通り軽い奴みたいだ。

「次は僕でいいかな。僕は竜泉寺兼嗣りゅうせんじかねつぐ。実はとある男子校に行く予定だったのだが急遽親にこの学校に入れられることになった」

 ふむ、何かあったのかな? まあやっぱり縁故の一人はこいつだったんだな。

「じゃあ次はボクでいいかな。ボクの名前は白石恵しらいしめぐみ。こんな格好をしているけどちゃんと男だよ。気楽に恵って呼んでね」

 うむ~、やはりどこからどう見ても女子にしか見えない。俺はもうダメかも知れない。

「次は儂でいいか? 儂の名前は山県忠志やまだがただし。柔道をやっておる」

 うむ、見た目通りの巨漢だな。おそらく重量級の選手なんだろう。動かざる事山の如しだ。

 スポーツ関係に力を入れたくてこの学園に引き入れられたのかな?


「・・・・・・鞍馬義昭くらまよしあき

 ポツリとそう喋ったきり何も言わなかった。おい、それだけかよ。


 最後は俺か。

「俺の名前は黒田くろだヒロ。実は両親の急な転勤の都合で、数日前にこっちに越してきたばかりなんだ。仲良くしてくれると助かる」


「へー、じゃあナンパスポットとか教えてやるよ」

「儂は大食い店を紹介しよう」

 と自己紹介が終わりとりあえず携帯の番号とメールアドレスを交換することになった。その時スマホを鞄の中に入れっぱなしになっていることに気付き、しょうがないのでその場で口答で教えて、後でみんなからメールを送って貰うことにした。

 さて鞄を回収してこなくては。とりあえずまた今度集まろうと言った後に恵と一緒に教室に戻った。


「しっかし、男子生徒も個性的なやつばかり揃えたもんだ」

「あはは、そうだね。でもみんないい人そうでよかったよ」

「そういや竜泉寺と知り合いなのか? さっき親しげに話してたけど?」

「うん、ちょっと親の会社同士で付き合いがあってね。小さい頃から知ってるんだ」

「へー、そうなのか。しかしあいつやたら格好いいよな」

「容姿に加えて勉強やスポーツも得意だからね。アレさえなければ完璧だよ」

「アレ?」

「あはは、まあ誰にでも一つくらいは欠点があるでしょ。そういった類だよ」

「ふ~ん、あんな完璧超人でも欠点があるのか。でもまあ、あれだけ完璧なら少しくらいの欠点なら問題なさそうだよな」

「・・・・・・その欠点が全然少しじゃないから問題なんだけどね」|(小声)

「ん、何か言ったか?」

「ううん、何でもないよ。ヒロ君はタイプじゃないから大丈夫だよ」

 ??? よく分からないが俺は嫌われるということなんだろうか?

「ただでさえ少ない男子生徒の仲間に嫌われたくないぞ」

「あ、ごめん。そういった意味じゃないんだ。だから安心して」

 うむ~、なんだかよくわからんな。

 とりあえず鞄を回収し、そこで別れることになった。なんでも姉と一緒に帰るので生徒会室に行くらしい。

 うむ、弟にこんな格好をさせる姉なんてきっと碌でもないに違いない。

 君子危うきに近寄らず。さっさと帰ろう。




 さて自転車を回収し家に帰りますか。

 家に帰るまでの道すがら、今日起こったことを漠然と考えていた。

 どうして入学するはずだった普通の学校がこんなに変わってしまったのか?

 そういえば、よくよく考えてみると今日の朝は起きたときから違和感があったんだ。


 いつも通りに朝7時に起床。2階の自分の部屋から朝ご飯を食べようと食卓に着いたときだった。

 俺には3歳下の妹のメイがいる。そしてこの妹は困ったことに元気が有り余っているようで、常にしゃべったり動いていたりと落ち着きがなかったりする。そんな感じなので、メイがいるだけで家の中が騒がしくなり、自然、家のムードメーカーになっていた。

 そう、余りにも静かだったので、最初はもうメイは家を出て学校に行っているものだと思っていた。

 だがメイはいつものお転婆な姿はどこへやら、すぐに食べられるようにと食事を温め直していた。さらにはあろう事かこちらに向かって「おはようございます、お兄様」と挨拶をしてきた。

 いつもは「にーちゃんおっは~」とアホっぽいあの妹が。俺は余りの衝撃に一気に目が覚めた。

「お兄様?」と顔を少し傾けながらこちらを伺っている妹。二度ほど目を擦ったが幻ではなかった。

 そこで俺は、はたと気が付いた。そうか妹もこれから新しい中学へ行くことになるんだった。

 きっと俺と同じように中学デビューを狙っているに違いない。まずはそのためのデモンストレーションを行っているんだ。よしここは優しき兄が乗ってやろうじゃないか。

「おはよう我が愛しい妹よ」

 ふっ、どうだ我が妹よ。とメイの顔を見てみたら頬を赤く染めやや上目遣いにしながらこちらを見上げていた。

 あっれー、予想した反応と全然違うんですけど。

 いつもなら「あははっ、にーちゃん面白いな~」と笑い飛ばしてくれるのに。

 なにやら下を向きながら「私も」とか「お慕い申しています」とかブツブツと呟いていた。

 むう、どうやらこいつは本気で中学デビューに取り組んでいるようだな。

 かわいい妹の折角の決意を邪魔してはいけないと思い、俺も食事を摂ることにした。



 うちの両親は共働きで夫婦揃って同じ会社に勤めている。

 この家からは少し離れているため残念ならが朝早くに家を出てしまう。

 もっと会社に近いところにすればと言ったら、ここなら俺達兄妹が通う予定の学校に近いからと、ここに決定したようだ。

 確かにここから自転車で15分もすればたどり着けるので十分近い。さらに妹の通う予定の中学校は歩いて10分の所にある。

 どうやら転勤になったことで子供達に迷惑を掛けたことを済まないと思っているらしい。

 昇進による栄転なんだからそんな気にしなくてもいいのにと俺は思うのだが。


 ともあれ食事の用意までしてくれている母親に感謝しながら朝食を食べた。

「お兄様、後片付けは私がやりますので、どうぞお兄様は学園へ行く準備をなさってください」

「ああ、すまないな。ごちそうさま」

 どうやらこのキャラで押し通すらしい妹を生暖かい目で見ながら自分の部屋に戻って準備を始めた。




 そうだやっぱり今朝の時点でおかしかったんだ!

 でも昨日までは普通だった。まるで他の世界にでも来てしまったかのような感じだ。

 何か原因でもあるんじゃ? 考えろ、俺は昨日何をしていた。


 あっ、確か昨日寝る前にスマホにメールが来てた!

 確かそのメールはゲームの宣伝で、先着限定1000名様に激レアアイテムをプレゼントって書いてあったんだ。

 何気なくゲームの内容を見ていたら面白そうだったんで、とりあえずインストールだけしてプレゼントの応募をした後、今日に備えて早めに寝たんだった。

 まさかアレが原因だったのか?!


 急いで鞄からスマホを取り出しゲームのアプリを起動させた。

 それはゲームではなくSNSみたいなやり取りの画面だった。


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『やあ、やっと起動させたね。待っていたよ』

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 初めての小説書きです。

 言うは易く行うは難しで実際に書いてみて難しさを痛感しております。


初めての小説書きです。

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