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三閃! 案内



今回は個人的に好きなノリのネタが書かれています


が、あえてイジらないでも良いです


先に言っておきます


スミマセンm(_ _)m





それから授業は滞りなく進みあっという間に放課後になった。


やはり転校生は珍しいようで、休み時間の度に鞘香の周りには男女混ざった生徒達が集まり、矢継ぎ早に質問を投げかけていた。


休みの度に何十人もの人に囲まれ、それでも嫌な顔せず全ての質問に答えていた。


そしてそれらから解放された鞘香は、約束通り刀弥、鋼平と共に街の地理を把握するため主だった場所を三人で回っていた。


「それで、ここがここいらじゃ一番デカいスーパーだな 品揃えも良くてそれに質の割には値段も安い! しかも週末には半額セールをするんだ ここいらの奥様方にとっては良い家計の味方だな 覚えておいて損はないぜ」


「へぇ~ 確かに覚えておくと便利そうね ありがとう鋼平くん」


「いいや 俺も良く利用すっから教えといた方が便利だと思っただけさ」


鋼平が道案内と店の説明をしてそれを鞘香が聞く。その後ろを刀弥が無言で着いてきていた。


「(はぁ やっぱり二人はお似合いだよな 僕なんて全く釣り合わないよ)」


などと絶賛コンプレックス全開中であった。


その平凡な容姿と元来の性格故か、刀弥は自分自身に全く自信が持てずにいた。


それなので一度コンプレックスを感じると、どんどんと悪い思考にハマっていってしまうのである。


「(鞘香ちゃんはモデルみたいな容姿だし、鋼平も並のアイドルなんかじゃ到底及ばないほどのイケメンだもんなぁ)」


目の前を歩く二人を見つめながらぐるぐると波に飲まれていく刀弥。


先程から何も話さず後ろを着いてきているそんな刀弥を訝しんだ鞘香は鋼平に話しかけた。


「¨どうしたのかしら刀弥くん 先程から下を向いたまま一言も話さないけど¨」


「¨あぁ‥アイツ、時たま“ああ”なるんだよ まぁ何時もの事だから気にしないで¨」


などと小声で話す鞘香と鋼平。


「そう‥」


鋼平の様子に鞘香も敢えて気にせず、落ち込んでいる刀弥に話しかけた。


「刀弥くん 刀弥くんのオススメのお店とかって無いかしら? 私教えてもらいたいわ」


「え?」


突然話しかけられたことに驚き俯いていた顔を上げる刀弥。


「おすすめ‥?」


「そうオススメ 折角だから刀弥君の知っているどこか良いお店紹介して貰えないかしら」


鞘香の言葉に戸惑う刀弥。


「えっでも、僕なんかが教えても」


「私、刀弥君に教えて欲しいのだけど」


「!? う、うん 分かったよ」


鞘香の一言に、先程まで下げていた顔を上げて嬉しそうに頷いた刀弥。


そんな刀弥を見て微笑む鞘香。


ふと横を見ると鋼平が薄く笑っていた。


どうやら鞘香の心遣いに気がついたようだ。


しかし鋼平は何も言わずそのまま刀弥を追いかけた。


鞘香はそんな鋼平を見て小さく笑うとその後を追いかけるのだった。



◇ ◇ ◇



「ここが僕のおすすめの店だよ」


刀弥が向かった先は一軒の本屋だった。


「ここが刀弥君のオススメの場所?」


「うん お店は小さいけど品揃えも悪くないし、お店のおじさんも優しいしね 僕のお気に入りの店だよ」


刀弥はそう言うと店の中へと入っていった。


鞘香達も刀弥の後に続くように店の中へと入っていった。



◇ ◇ ◇



「いやぁ買った買った」


満足げに店から出てくる鋼平。


その手には分厚い紙袋が握られている。


「確かに見た目は小さいけど品揃えはなかなかだったわね」


「でしょ」


それに続くように店から出てきた鞘香と刀弥。


二人の手にも紙袋が握られている。


「なぁ 二人はどんなの買ったんだよ?」


鋼平は二人に買った物を尋ねた


「僕は【世界の名剣ロマン 両刃特選Vol.3】」


「私は【我流剣術師 鎌瀬戌太郎シリーズ⑬ 決戦!電流島の戦い】を買ったわ」


ガサガサと紙袋の中から買った本を取り出し鋼平に見せる。


「なかなかマニアックな物買ってんだなぁ」


二人の買った本見てそう呟く鋼平。


「そう言う鋼平はなに買ったんだよ」


「俺か? 俺はコレを買ったぜ」


バッと紙袋から取り出した本を二人に見せる。


「へっ?」


「まぁ‥」


鋼平が見せた本のタイトルを見て呆然とする刀弥と鞘香。


そのタイトルとは


【魅惑の古流武術 ムッチリ奥様は師範代】


「な、何だよそのいかがわしそうなタイトルの本は!」


顔を赤くして鋼平に詰め寄る刀弥。


「いかがわしいと失敬な これはれっきとしたエクササイズの本だぞ DVD付きで980円 お得だぜ」


ニッと笑い本を刀弥に見せつけてくる。


確かに内容は普通のエクササイズの物だった。


しかし


「だからってこのタイトルは無いだろυ」


本のタイトルを見て呆れている刀弥。


「そうかぁ? 別に普通だろこれくらい」


首を捻らせてパッケージを見る鋼平。


そんな鋼平にまたもやツッコミを入れる刀弥。


せわしない二人のやりとりを眺めていた鞘香は、学校にいたときのようにクスリと小さく笑っているのだった。



◇ ◇ ◇



「あら?」


三人が本屋から移動しようとしたとき、ふと本屋の前にいる人影に気が付いた鞘香。


「どったの?」


「あそこにいる学生服の男の子 私達と同じ学園の制服だと思って」


鞘香の視線の先には、刀弥達と同じ制服を着ている男がいた。


体型はやや太り気味で丸い眼鏡をかけている。


男子生徒は首にカメラを下げており、周りキョロキョロと見渡していた。


「あぁ アイツは出場亀太郎でば きたろう 通称『デバガメ』 写真部なんだが なんでも女子生徒の盗撮写真とかを撮ってるらしいんだ」


顔をしかめ話す鋼平。


「僕も噂は聞いたことがある でも証拠も何もないから先生達も手出しは出来ないんだって」


「そう‥」


ジッと亀太郎を見つめる鞘香。


ふと視線に気づいたのか、亀太郎が鞘香達の方を振り向いた。


「!?」


鞘香達の姿を見た亀太郎は驚くような表情を浮かべると、そそくさとその場から離れていった。


「なんだアイツ 変なヤツだな」


鋼平は困ったような顔を浮かべ去っていく亀太郎を見る。


鞘香もまた、去っていく亀太郎を無言で見続けていた。


「おっ そろそろ良い時間だな」


鋼平は思い出したように腕時計を見た。


時計は、夕方の18時30分に差し掛かろうとしていた。


「あら 本当ね」


「そろそろ帰ろうか」


そう言うと三人は歩き出した。


ふと鞘香は立ち止まり、もう一度振り返り亀太郎が去っていった道を見つめる。


「お~い 鞘香ちゃん 行こうぜ~い」


「ごめんなさい 今行くわ」


鋼平に呼ばれ再び歩き出す鞘香。


二人に追いついた鞘香と三人で肩を並べて歩き出す鋼平と刀弥。


「どうかしたの?」


「いえ 少し気になることがあって」


「気になる?」


「気にしないで 私の勘違いかもしれないから」


鞘香はそう刀弥へと言った。


「う、うん」


「な~に 二人だけで話してんだよ! 俺も混ぜろよ」


「うわっ!?」


「あら ごめんなさい」


刀弥の首に腕をかけ二人の会話に割り込む鋼平を見て、クスッと笑いながら謝る鞘香。


そんな様に楽しい会話を交わしながら、三人は茜色に染まった道を歩いていくのだった。





「ハァ ハァ ハァ」


薄暗い部屋の中、一人の男が荒い息をたてていた。


その部屋の壁や天井にはおびただしい数の女性の写真が貼られている。


その写真の女性達は皆、恐怖にひきつった顔をしている。


「ハァ ハァ ‥御剣 鞘香‥」


男は首からかけたカメラを机の上に置くと、卑下した笑みを浮かべ一枚の写真を見つめる。


その手にある写真は、いつの間に撮ったのか御剣 鞘香の写真であった。


「次の被写体コレクション貴女きみに決定だよ」


そう言うと男は御剣 鞘香の写真をベロベロと舐め始める。


その瞬間、部屋全体に貼られていた写真の“中の女性達”の表情が恐怖と嫌悪に染まるのだった。



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