無駄な人生を生きてるような気になって、もう自分の価値がわからない。愚物って僕の事?
「いつもいつも寝てばっかりで、あなた本当に仕事探す気あるの!?」
そう言う妻は、僕の事がきっと嫌いなんだ。僕だって、好きで寝てるんじゃない。体がついていかないんだ。一日少し起きてると、体にけだるさが蔓延し、立っている事もきつくなる。それでも頑張って、夕食の献立の提案をしたり、妻の買物に必要な所に運転して行ったりしてる。
「これ、どうかなぁ? 安い?」
って聞くと、
「何に使うの!? 買いたいなら買ったら!?」
半ギレで返答。
そうなると、僕の体は更に、けだるさが増していき、動く事よりも、話すことすら億劫に。
「早くしないと!! 時間ないんだからね!!」
と急かされて、用事に出掛けても、妻は自分が気になるものを発見すると、真剣に吟味する。
『急いでるんだろ?』
と、暇そうにしていると、
「真面目に選んでよ!!」
とキレまくり、僕が寄り道していると、
「急いでいるって言ってるのわかってる!?」
と、やっぱりキレる。
どうしていいかわからず、黙っていると、仏頂面になって目が怒りに燃えている。取り留めもない話をしながら、機嫌をとると、
「ふぅん」「あっそ」「だから?」
と、聞く気無し。
話すこともなく、どうする事も出来ず、家に帰ってぐったり寝ると、
「寝てばっかりじゃなくて、何かしたら!?」
ってキレられて、
家事の手伝いだけでもと思って、料理の手伝いをしたら、
「これはこう! そんな事してどうするの!? もう! 鈍臭い! ちょっと、頭使って考えたら!?」
と、暴言の雨嵐。
『ねぇ……。僕は、どうしたらいいんだい? 君の考えている事は、わかっているつもりでも、わからない。君の思い通りに動く事なんて出来やしない。もう、疲れてきたよ……。僕は、どうしたらいいんだい?』
外食を提案されて、
「何が食べたい?」
「どこに行く?」
って聞かれても、君は行きたい所、決まっているんだよね? それでも、
「ここは?」
「あそこは?」
「ラーメンは?」
「お好み焼きは?」
「ファミレスは?」
いろいろ提案するけど、
「真面目に考えてよ!!」
ってぶちキレて、
「どこ行きたいの?」
って聞くと、
「私が聞いてるの!?」
ってまたキレる。
『僕は、どうしたらいいの?』
涙は出ないけど、心の中は洪水で濁流で、混乱しながら、顔色伺って。
『ねぇ、よく聞くよね? 「どうして、すぐに死のうとするの?」って、わからない? ねぇ、わからないかなぁ?』
こんな事を言うと、またキレられるだけだから言えないから、言わないけど、僕はどうしたらいいんだい?
過去の話を持ち出したくはないけれど、僕が仕事をしていた頃、仕事から帰ってくると、
「ちょっと眠たかったから」
って、よく寝てたよね。僕が一度でもそれを咎めた事があったかい? 怒った事があったかい? 立場が逆転して、君が仕事をしていて、僕が家にいる。そんな僕が寝ていたら、キレるんだ?
『僕は必要ですか? 僕は生きてる価値がありますか? 僕は愛されていますか? 僕は今、愛されていますか?』
もう、それすらもわからない。
毎日毎日、苦しくて、愛想笑いで、楽しくなくて、そんな僕は、生きていく必要がありますか? 心は徐々に死んでいく。
こんなの、まだまだアマチャンですか?