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ぴいちゃん日記  作者: 虹色
それぞれに、春は来る。
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陽菜子’s Diary 2月26日(日)

<陽菜子’s Diary>



2月26日(日)


もうすぐ2月も終わりだ。

今日は2つもびっくりすることが起きて、ちょっと今、どうしたらいいのかよくわからない状態になっている。


1つは直くんのこと。もう1つは藤野くんのこと。

なんで、自分が男の子のことで・・・しかも2人もいっぺんに、悩んでいるのかもよくわからない。



今日、直くんとお出かけした。2人で。直くんが第一志望の大学に合格したお祝い。

前に「行こう」って言われたときは、真悟や将太も含めた “みんなで” なのかと思っていたら、今回は私とってことでって言われて・・・。私と2人で、直くんは楽しいんだろうかって思ってたんだけど。


映画とお買いもの。たくさん話して、笑って・・・楽しかった。


・・・で。


帰りに、「好きだ」って言われた。

急だから、私の返事はもっとあとでいいけど、これからも、ときどき2人で出かけようって。とりあえず、来週、誕生日だよねって。

覚えてたのかな? 真悟にでもきいたのかな? まあ、私の名前からして、お誕生日は3月3日ですって言ってるようなものだけど。


なんだかよくわからない。

直くんが言うとおり、急だっていうこともあるんだけど、なにしろ初めてで。

それに、お誕生日を一緒に過ごすって、やっぱり特別な感じがするけど、どうなのかな?


こういうとき、どうすればいいんだろう?


直くんと一緒にいると楽しい。2人で出かけるのはいやじゃない。直くんはかっこいいし・・・。

・・・ってことは、私も直くんのことを好きってこと? そうなの?

12月に久しぶりに会ってから、まだ3か月。返事はまだいいって言われてるけど、わからないまま何回も出かけていいのかな?


こんなこと、誰にきいたらいいんだろう?

なっちゃんは真面目に答えてくれそうにないし、梶山くんに話してしまうかもしれない。まーちゃんはきっと、自分で考えろって言うだろうな。それに里緒にはこんな話は無理な気がする。

藤野くんには言えない。いくら仲良しでも。


藤野くん・・・。もう1つのよくわからないこと。


さっき、お母さんがテレビで松田聖子さんの特集番組を見ていた。

その中で『制服』っていう曲が歌われてて、それを見ていたら、藤野くんのことを思い出して、なぜか泣きそうになってあせってしまった。急いで歯磨きに行くふりをして部屋から出たけど、自分でも本当にびっくりした。


その歌は、高校の卒業式が終わったあとの風景を歌っていて、主人公の女の子が、卒業生の集団の中で、同じクラスだった男の子と並んで歩いてる。その男の子は遠くの大学に行っちゃうらしくて、引っ越し先の住所のメモをその女の子に渡すんだよ。女の子もたぶんその人が好きだったんだけど、そのことは何も言わないで、一人になってから泣くんだよ。お互いに、別の世界で生きていくことになるからって。


こんなふうに文章に書くと全然なんでもないようだけど、歌で聞くと、明るいさわやかなメロディとかわいらしい声で、胸がしめつけられるような気がした。私はまだ卒業するわけでもないし、藤野くんとはこれからも電話やメールで連絡し合うこともできるのに。(その曲の時代には、携帯がなかったんだって。)だけど、3年になってクラスが別れてしまったら、やっぱりそれっきりになってしまうかもしれない。


もしかして、私、藤野くんのこと、好きなのかな?


あの歌を聞いて、藤野くんを思い出したのはどうしてだろう? なんだか悲しいのはどうしてだろう?

歌に感動しただけ?

この1年、藤野くんの思い出はたくさんあるよ。それが、あの歌と重なっただけ?


自分の気持ちがわからない。

どうしたらいいかわからない。



直くんのこと、迷うのはどうして?

あの歌を聞いて、藤野くんを思い出して悲しいのはどうして?

私、直くんと藤野くんを比べてるの? ・・・そんなのずるいような気がする。

自分のことなのに、どうしてこんなに何もわからないんだろう?








『制服』、聞いたことのない方は、機会があったらぜひ。


歌詞の解釈は、あくまでもぴいちゃんが一度だけ聞いた印象として書いています。

ご意見のある方もいらっしゃるかもしれませんが、ご了解くださいませ。

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