表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぴいちゃん日記  作者: 虹色
それぞれに、春は来る。
91/99

陽菜子’s Diary 2月15日(水)

<陽菜子’s Diary>



2月15日(水)


里緒が岡田くんのことを好きだったなんて! 全然知らなかったよ・・・。文化祭の打ち上げで藤野くんが好きだって聞いたまま、ずーっとそうだと思ってた。今朝、藤野くんから聞いて、あんまりびっくりして、大きな声を出してしまった。

しかも、岡田くんもだったなんて。

私、どうして何にも気付かなかったんだろう? 何回もあの2人と一緒にいたことがあったのに。


里緒から、岡田くんと話ができるようになったのは私のおかげだってお礼を言われた。

それは間違いないんだけど、なんだか変な感じ。私は里緒に、藤野くんと話ができるチャンスをあげたつもりでいたんだから。

いつから? って訊いてみたら、修学旅行のあとくらいかな、って言われて、そんなに前からだったのかと力が抜けた・・・。だって、なっちゃんが藤野くんと私のことをしょっちゅうからかうから、すごく気を遣ってたのに。そうしたら、なっちゃんは、里緒が岡田くんを気にしてることに気付いてたって。だったら、教えてくれればよかったのにね。


里緒と岡田くんは、2人でいるときはすごくかわいい。2人とも。

なっちゃんと梶山くんは、大人っぽい、サラッとしたカップルなんだけど、里緒と岡田くんは、見ていると、私もニコニコしてしまう。お雛様にして飾ってみたいような感じ。思いがけない組み合わせではあったけど、お似合い。本当によかったねって思う。


直くんは入試が一通り終わって、今、発表を待ってるところ。来週あたりが発表のピークらしい。最近は時間に余裕ができたみたいで、メールじゃなくて、電話でお話しするようになった。

決まったら、合格祝いに遊びに行こうって言われてる。それって、私とでいいんだろうか? 学校のお友達とか、彼女とか、お祝いしてくれる人がたくさんいそうなのに・・・。

まあ、お祝いは、別に何回やってもいいもんね。ずっと勉強ばっかりだったんだから、遊ぶのも1回じゃ足りないよね。

行くときは、真悟と将太も一緒の方がいいよね? 人数が多い方が楽しそうだし。


真悟の入試はあさって。発表は一週間後。響希も公立だから同じ。

2人とも合格したら、お祝いをしなくちゃ!



あれ?

そういえば、里緒が藤野くんと付き合ってるってきいたときは、藤野くんから離れなくちゃって決心して、けっこうさびしかったんだよね。

でも、今日は、ただ「おめでとう!」な気分。

藤野くんも、岡田くんも、私にとっては大切なお友達なのに、この違いって、何?


そういえば、里緒とのうわさのことで藤野くんがメールをくれたとき、『ぴいちゃん』って、たった一言しか書いてなかったのをあんなに心配したのはどうしてだろう? だって、ただちょっとふざけて送って来ただけだったかもしれないのに。

でも、あのときは間違いなく、藤野くんが何かすごく困ってるに違いないと思った。それとも、自分がさびしかったから、そうだったらいいなっていう気持ちがあって、自然にそう思っちゃったのかな? 結果的には私が心配して電話をかけたことがよかったんだけど・・・。


あのときの電話を思い出すと、今でもなんとなく不思議な気分になる。何か、大事なことを忘れてるみたいな。なんだろう?







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ