陽菜子’s Diary 10月28日(金)
<陽菜子’s Diary>
10月28日(金)
信じられない! 姉の電話を取り上げるなんて!
真悟が手下に使ってるから、将太まで調子に乗って、スパイみたいなことをするんだから。本当に困る。藤野くんは、ただ心配してくれただけなのに。
ほんのちょっとの時間だったのに、ものすごく疲れた・・・。
藤野くんに、どうやってお詫びをしたらいいんだろう? 真悟があんな失礼なことを言うなんて。
別に、藤野くんは私を特別扱いしてるわけじゃない。誰にでも優しいんだよ。さっきだって、昨日の帰りに私が一人だけ違う方向だったからって心配してくれただけなのに。
響希のことを持ち出したのも、なんだか心配。夏休み以来、会ってないけど。
「春になったら」っていうのも、何をするつもりなんだか・・・。
困った弟だ・・・。
そうだ。お詫び。
何か物を渡す? でも、それだと誤解を招くだろうか? 里緒の手前もあるし・・・。
だけど、何かやってあげるっていうのも、なんか変。それに、何を? 宿題1日分とか? やっぱり、変。
どうしよう?
やっぱり、何か買って渡そう。ノートとか、シャーペンの芯とか、使ってなくなっちゃうものならいいような気がする。うーん、シャーペンの芯は、ちょっとケチくさいか。あと、食べ物とかなら大丈夫かな。お菓子? ・・・は、甘いものが好きかどうかわからないな。
悩むよ〜。
よし! 明日、買い物に行こう!
そういえば、修学旅行の後半は、舞ちゃんの元気がなかったかも。
断ったとは聞いていたけど、舞ちゃんと藤野くんはけっこう普通に話してた・・・と思う。文化祭の打ち上げのときも、奈良でも、京都でも。でも、気付いたら、話してなかった。舞ちゃんの方が、藤野くんに近付かない感じで。
藤野くんがいつもと違う様子だったのも同じころだったし、何かあったのかな? うん。たぶん、あったんだね。
だけど、断られる人だけじゃなくて、断る人にも、ダメージがあるんだな・・・。
ああ、そういえば、私も小谷くんを断ったんだっけ。でも、あれはちょっと違うか。好きだって言われたわけじゃないし。
みんな大変だね。
修学旅行編はここでおしまいです。
次回からは普通の生活に戻ります。