子供の夏休みを守れ! 政府がやるべき「真の貧困対策」
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただき誠に光栄です。
今回は以下の内容から発展させて考えていこうと思います
『小中学生のいる困窮世帯の計60%が、子どもの夏休みは「なくて良い」「今より短い方が良い」と考えていることが6月26日認定NPO法人「キッズドア」(東京)が発表しました。
夏休みは「なくて良い」が13%、「短い方が良い」は47%でした。理由を複数回答で尋ねると、最多は「生活費がかかる」の78%だった』
ことが衝撃を与えています。
◇クラスに3,4家庭が「生活費がかかるために夏休みが減って欲しい」と思っている
質問者:
まさに「衣食足りて礼節を知る」状態な感じがしますね……。
お金がかかるから子供の休みが減っていいとか……。
でも、困窮世帯と言うのは具体的に日本でどれぐらい存在するんですか?
レアな存在だったらさしたる問題でもないような……。
筆者:
僕は拝金主義ではありませんし「休み大好き人間」ではありますが、それにしても最低限のお金が無いと心まで貧しくなってしまうという事ですね。
居住する国や地域の水準と比べると比較的貧しいとされる「相対的貧困」と言う定義が存在します。
これは所得が母集団の可処分所得の中央値の半分にあたる貧困線に届かない人の割合を指すものです。
その中で日本の子供のいる世帯の相対的貧困率は近年では15%~16%程度で推移しています。
その6割ともなると全体の10%ほどが「夏休みが減って欲しい」と思っている感覚に近いと思います。
質問者:
大体30人か40人が1クラスだと3,4人ぐらいのご家庭が、貧困のあまりに子供の夏休みを減らして欲しいという事ですか……。
筆者:
ちょっと信じられない数字ですよね。
僕は学校が大嫌いだった割には無意味に皆勤賞を取り続けていたことから、
夏休みを常に切望していましたね。
この7月上旬の時期はソワソワしていたことが昨日のことのように思い起こされます。
また、夏休みには両親に何げなく博物館や水族館、遊園地や大きな公園に連れて行ってもらっていましたが、
それがどんなに恵まれていたことか今痛感していますね。
◇寄付する側も運営側も厳しい「食料プラットフォーム」
質問者:
昼ごはんも作ってあげられないような貧困状況が10%ってよっぽどのような気がしますが、他にそういったデータがありますか?
筆者:
食で誰もとりこぼさない社会の実現を目指して活動する「子ども食堂」の数は2023年度で9132箇所と公立中学校数とほぼ並ぶほどまで増えています。
そして子供の延べ参加人数は1091万人と前年比210万人延べ人数が増加しています。
(なお、物価高にも関わらず値段の維持しようと中身が寂しくなっているところもあるそうです)
質問者:
食べ物が食べられない方にとっての救済措置になるかもしれませんけど、
やっぱり日本の貧困化が如実に表れている気がしますね……。
筆者:
また、個人や企業の善意の寄付によって成り立っている「フードバンク」の活動にも変化が出ています。
NHKの5月25日の
『ひとり親世帯支援のフードバンクが調査 物価上昇の家計負担は』と言う記事を一部抜粋しますと、
『東京や大阪、福岡など10都府県でひとり親で所得の低い世帯を対象に米やレトルト食品などを配付している認定NPO法人では、物価上昇が続く中、先月の利用者は3633世帯で過去最も多く、2131世帯だった去年4月と比較すると1.7倍にのぼりました。
東京 日野市で2016年から活動を続けている「フードバンクTAMA」は、企業や団体から受けた食品などの寄付を利用者への配付のほか、近隣で活動するフードバンクや子育て世帯への支援団体などにも寄付された食品を分配してきました。
しかし、おととしは1440件だった寄付は昨年は1306件で、ことしはさらに減少傾向で毎月20件程度減少していて、十分に分けることが難しくなっているといいます。
個人(の寄付)は、物価上昇の影響で家庭での消費を優先する心理が働いているとみられ、企業(の寄付は、商品の値上げに伴い、消費の落ち込みを見越して生産数を絞っていることから余剰在庫が生まれにくく、フードバンクに回せる余力がなくなっているとみているということです。』
と、求めている方が増えているにもかかわらず寄付される量が減っているというのが現状としてあるようです。
質問者:
寄付の量すらも減っているとか……誰しも余裕が無くなってきているという事なんですね。
◇貧困が生んだ「パパ活」「闇バイト」
筆者:
ここからは「貧困が生んだ若者に増えている社会現象」について見ていこうと思います。
まずは「パパ活」「立ちんぼ」と言った事象です。
かねてから買春といった行為はありましたが、主にその手の施設や組織を介して行われていたことでした。
しかし、今ではネットを使ってピンポイントで関係を結んだり、路上に立つことで、
僕は大切なものを失っていると思うのですが、彼女たちとしては「合理的に楽してお金を稼げる」と言う状況になっているわけです。
仲介組織が無ければそのままお金が手元に入りますしね。脱税などもしやすいです。
現行の売春防止法では、売春・買春をすること自体に罰則はなく、客待ちや勧誘などの行為が処罰の対象となっているのですが、男性が逮捕されるのは相手が18歳未満であった場合や、女性に対して売春を斡旋したり強要した場合などに限られていると言った法の抜け穴もあります。
もっとも本当に年の差があって付き合っているのか、買春なのか判別することは難しいので法規制でどうにかなるものでは無いと思いますがね。
質問者:
なるほど、そういった構造があったんですね……。
筆者:
奨学金を買春して返済していたという元教員の話も悲劇的な話だと僕は思いました。
こういった行動もあり、コロナ対策による免疫力の低下もあって「梅毒」もここ3年連続で過去最多を更新しており、類を見ないほど増えています。
こういった“病気”の面でも貧困が垣間見えるという事です。
質問者:
勤労世代(20歳から64歳)の一人暮らしの女性の3人に1人が貧困と言う話もありますからね。
「頂き女子」と言うので少し話題になりましたがあれは極稀な存在と言う感じでしょうね……。
筆者:
次に「闇バイト」について見ていこうと思います。
2023年、警視庁に寄せられた闇バイトに関する相談は2022年と比べて、5倍近くに増加しました。
これは「闇バイト」認知度の上昇もあると思うのですが、そもそも犯罪集団がターゲットをめがけて募集をかけなければ疑惑として浮上することも無いはずです。
質問者:
しかし、どうしてこんなにも闇バイトが増えてしまったのでしょうか……。
筆者:
これも若者の貧困化が関連していると僕は考えます。
言葉巧みに「危険ではない」ことを強調して高い日当や時給につられてしまう人がやはり多いのです。
“タイムパフォーマンス(タイパ)“と言う言葉がありますが、短い時間で多くの金額を稼ぐことが出来るのであれば特に知識が無かったり社会経験の浅い人にとっては、
“怪しさ“よりも”魅力的”に見えてしまうのです。
※SNSで「フォロー&リツイートで〇万円を何名様にプレゼント!」というのでお金が不足していそうな人を「リスト作り」している可能性があるという事を留意しておきましょう。
質問者:
普通のアルバイトなどでは満足できないんでしょうかね……。
筆者:
今現在、全業種的に人手不足になっています。学生が飲食店やコンビニなどのアルバイトをした場合に「シフトぎゅうぎゅう」状態にさせられてしまい学業や遊びができないと言った要素もあるようです。
社会が貧しくなる事と金銭目的の犯罪の関連性は大きいと思います。
物価高により奨学金借金の額の増大、実家からの生活費の仕送り額の減少、
大学は就活の早期化や出欠の管理が厳しくなっていると言った複合的な要因もあるでしょう。
闇バイトに荷担する若者は加害者であることは勿論なのですが、
同時に「社会の被害者」でもあると僕は考えますね。
◇貧困は社会が何もしなければ「再生産される確率が高い」のが日本
筆者:
今の日本では良い学歴の人ほど年収が高いです。
そして、生まれた家庭の年収が高いほど良い塾に通わせていい大学に入りやすいというのが悲しいことに現実です。
しかしこれは裏を返すと年収が低い家庭に関しては奨学金を背負わされ、それを返済するのにやっとと言う状態になり「貧困の連鎖」と言うのが日本では起きやすい事象にあるのです。
質問者:
それはあまりにも悲しいですね……。
筆者:
そして給付に対しては「貧困対策」が最もGDPに寄与することが給付からの乗数効果でもわかってきています。
日本財団「子どもの貧困の社会的損失推計」2016年レポートでは
『大卒者の増加や就業形態の改善によって生涯所得が増加するほか、所得増に伴い個人による税・社会保障費用の支払いが増えることで、国の財政負担がその分軽減されることになります。この差分を社会的損失として算出すると、子どもの貧困を放置した場合、わずか1学年あたりでも経済損失は約2.9兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増加するという推計結果が得られました。』
と言う発表もあります。
このことから日本では頑張ってでも大学に入学させる傾向にあるのですが、
奨学金と言う事実上の借金を背負って結婚などが出来なくなるという実情があるのです。
◇「住民税非課税世帯」のみの給付の弊害
質問者:
国はよく貧困対策として「住民税非課税世帯」に対する給付と言うのが行われていますがこれでは対策にならないのですか?
筆者:
僕は網羅できていないと考えています。
非課税世帯の7割が年金世帯である上に、30代以下は6%ほどなので実質的に「高齢者優遇政策」として「さらなる世代間格差」を生んでいると言えます。
若者世代で非課税世帯だと生活保護を受けているシングルマザーぐらいしか恩恵に無いと思います。
8月からも電気代の補助の復活と共に非課税世帯への給付があるようですが首相の「総裁選対策」と言っても過言では無いように思います。
質問者:
選挙対策のためのバラマキという事ですか……。
筆者:
貧困対策で必要なのは非課税世帯の「ちょっと上のライン」だと考えます。
年収300万円で生涯未婚の男性62.8%の一方で年収800万円を超えれば生涯未婚率が1%未満になります。
また、女性も年収500万円以下の男性とは半数以上が結婚したくないというデータもあります。
これらを総合すると「非課税世帯~500万未満の手取りの増加」というのが、
「心の貧困」の改善、犯罪の抑止、少子化対策など様々なことに繋がると僕は考えています。
質問者:
どうにもお金関係での問題が一番多い気がしますからまずは手取りを増やして欲しい(税金や社会保険を取らないで欲しい)ということですね。
筆者:
正直、企業に対して「給料を上げろ」と音頭を取るのは間違っていると言えますからね。
それなら法人税を上げて利益を給料にしやすくする方がよっぽど良いでしょう。
また、所得税に関しては累進性ですが、社会保険料に関しては均一の率で取っていますからね。
これを累進制にして低い給与帯の負担を減らすことが大事だと思います。
(低い帯をこのままにして高額所得者の負担を増やせば誰も働きたくなくなる)
後は消費税です。消費税は事実上の「第二法人税」と言うのが税法上の位置づけなのですが、利益と消費税が価格転嫁が出来ているという前提の下だと、事実上の逆進性がある税金です。
質問者:
この2つに関してはどうにも「のらりくらり」と言う感じでよく分からない答弁で切り抜けている印象がありますね……。
筆者:
税金で取ってから給付するという方法は必ず「手間賃」がかかります。
中抜きもどこかで行われている可能性があります。
ただ非常に残念なことに減税するよりも税金で奪い取って給付した方が「GDPの数値」だけで見た場合には上がりますし、中抜き利権のために減税はしないでしょう。
ただ、風船のように合計の数字を膨らませるより、1人1人の可処分所得がどれぐらいかのほうが大事だという視点を持つことが重要だと思います。
しかしマスコミやネットニュースを見ているだけだと中々そう言う視点は持てないですし、現代人が忙しいことから勉強することもできないのが苦しい状況ですね。
質問者:
マスコミが言っていることが必ずしも大事では無いと筆者さんはおっしゃっていますものね……。
筆者:
国民の生活のために働くのではなく、上辺を「偽善」だけで塗り固めて、ポケットに国の予算を猫糞することに勤しんでいる政治家をなるべく落選させていかなくてはいけません。
そのためには国民一人一人が「正しい目」と「ちゃんとした主張」を持つことにより、政治家の行動を「抑止」することが大事だと思います。
また選挙は「相応しい人に入れる」と言う発想は現行の選挙制度では難しく「反対票を入れる」と言う発想の方が大事だと思います。
僕はなるべくそのお手伝いをしたいなという事で毎回心血を注いでいるという事です。
という事でここまでご覧いただきありがとうございました。
皆さんがご覧になって下さるのが、とても励みになっています。
この様な政治の話題について毎週書いておりますので、よろしければまたご覧ください。