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子供にかえる時

作者: kami10enpitu

沈みゆく夏の夕陽に向かって凪いだ水面に光の道が続く

どこへ向かうのか

夕暮れの空に絵のように浮かぶ飛行機

優しい波に打ち寄せられたとりどりの形の貝殻

どこから流れ着いたのか四角い小さな空色のタイル

それらが手の中の宝物になる


雨上りの日本海に雲間から天使の梯子

照らされた海面は灰色の景色の中で神々しく煌めく

晩秋の冷たい風が柱状節理の谷間に打ち寄せる白い波濤を

恐る恐る覗き見る

そんな怖い物見たさが顔を出す


北の山々からの水滴を集め真っ直ぐに流れる川のせせらぎは

春の光を跳ね返し

そのきらめきの中に誘うかのように並ぶ両岸をつなぐ飛び石

上手く飛び移れるだろうかという躊躇いを打ち負かす誘惑に

石の隙間の流れに捕まることなく

川遊びの浦島太郎になる


けれど

窓辺で 岩場の後ろで 橋の上で

なかばあきれながら見守っていた人は

もういない


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