おやすみ
今夜は少し冷えるから、お布団に乾燥機を掛けた。電気毛布を低温に、足元は湯たんぽを入れて、ふかふか温かくなってるよ。
寝る前は白い照明を消して、アロマキャンドルを灯してみる。自然と深く呼吸しながら、橙色に揺れる火をブランケットに包まれて眺め、ホットミルクかカモミールティーか、ほんのちょっと甘くした物で、お腹もほんわり温めよう。
乾燥するからエアコンは切って、たっぷり濡らして弱めに絞ったバスタオルを吊るしておく。電気代がご愛敬だけど、埃が舞わないし乾燥しない、オイルヒーターを控えめにセット。
カップを洗って歯磨きしたら、ゆるくストレッチしてキャンドルを消して。
さあ、夢心地のお布団へ。
軽やかほっこりな羽毛布団と、お日様を浴びた雲みたいにふわふわの敷きパッドの間へ、冷たい足を滑り込ませて枕に後ろ頭を乗せる。
仰向けでおへそを天に向け、日向ぼっこする猫みたいにのんびり手足の力を抜いて、もそもそ姿勢を微調整。
羽毛布団の端を掴んで、胸元まですっぽり埋もれるよう、快い眠りの波と一緒に、優しく持ち上げて引き寄せる。
その影に隠れてずり上がり、ぎゅうっとあなたに抱き付いて、凄い力で伸し掛かり耳元へ唇を添える。
冷えて傷んだ腹の底から、染みて取れない臭いと声で、心を込めて言いのこすから、返事してくれたら嬉しいな。
おやすみ。
明日も言いに来るね。
終.