表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編ホラー

おやすみ

作者: 壱原 一

今夜は少し冷えるから、お布団に乾燥機を掛けた。電気毛布を低温に、足元は湯たんぽを入れて、ふかふか温かくなってるよ。


寝る前は白い照明を消して、アロマキャンドルを灯してみる。自然と深く呼吸しながら、橙色に揺れる火をブランケットに包まれて眺め、ホットミルクかカモミールティーか、ほんのちょっと甘くした物で、お腹もほんわり温めよう。


乾燥するからエアコンは切って、たっぷり濡らして弱めに絞ったバスタオルを吊るしておく。電気代がご愛敬だけど、埃が舞わないし乾燥しない、オイルヒーターを控えめにセット。


カップを洗って歯磨きしたら、ゆるくストレッチしてキャンドルを消して。


さあ、夢心地のお布団へ。


軽やかほっこりな羽毛布団と、お日様を浴びた雲みたいにふわふわの敷きパッドの間へ、冷たい足を滑り込ませて枕に後ろ頭を乗せる。


仰向けでおへそを天に向け、日向ぼっこする猫みたいにのんびり手足の力を抜いて、もそもそ姿勢を微調整。


羽毛布団の端を掴んで、胸元まですっぽり埋もれるよう、快い眠りの波と一緒に、優しく持ち上げて引き寄せる。


その影に隠れてずり上がり、ぎゅうっとあなたに抱き付いて、凄い力で伸し掛かり耳元へ唇を添える。


冷えて傷んだ腹の底から、染みて取れない臭いと声で、心を込めて言いのこすから、返事してくれたら嬉しいな。


おやすみ。


明日も言いに来るね。



終.

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ