31
ラジオからは第四都市のニュースばかり流れている。
どうやら、第四都市で起こった事件は解決したみたいだ。ただ、都市は氷漬けになって事後処理が大変だそう。一体、何があったのだろう?まだ原因を調査中らしい。
夏海さんから連絡があって近々、会う約束もした。今日にも第二都市に帰ってこれるみたいだ。
夏海さん達が第四都市に行ってからの日々は何一つとして変わったことのない日常だった。
ただ、私とメアリーの距離は近くなった気がする。
毎日のようにメアリーは私にくっついて眠るようになっていた。安心した様子で眠っているメアリーを見ながら寝るのは・・・まぁ、何というか・・・悪くないと思う。
一度でも許すとハードルはどこまでも下がっていく。
私が変に気にし過ぎているだけだろうか?メアリーはいつもと変わらない。それも何だか癪だった。
今日もいつもと変わらない。午前中は家事をして、午後からは魔法の練習。
未だに魔法を使うという感覚が分からない。
このままでも何も変わらない気がしたので、お茶休憩を挟むことにした。
「休憩?」
メアリーは同じテーブルの反対側で本を読んでいた。
「うん。このまま続けてもダメそうだし、気分転換もしたい」
「そうね。魔法は心によって左右されるから適度な休憩も必要よ」
それから、二人で紅茶とクッキーを楽しんだ。
定期的にアンナさんから色んな物が送られてくる。今、食べているお茶菓子も送られてきた物でかなり高価なお菓子だろう。
「それにしても、なかなかうまくいかないわね」
私の魔法練習のことだろう。
「うん。まだ何も掴めてないかも」
メアリーは困った様子で少し考える。
「そうよね。少し考えておくわ」
「ありがとう」
お礼に空になったカップに紅茶を注いだ。
それから、各々のやることをしていたら、あっという間に夜になってしまった。
夕ご飯を食べて、ゆっくりと過してから二階の寝室へ。
お風呂は私が先に入って、今はメアリーがお風呂に入っている。
今日も近寄ってくるんだろう。・・・先に寝るか。
毛布にくるまった。
人と寝るのがこんなにも緊張するのは、今まで深い人付き合いをしてこなかった弊害かもしれない。
向こうでも友達はいたけど、一人の人とここまで近く関わるのは初めてだった。
風呂場から脱衣所へ移動する音が聞こえた。諸々のケアをしてから来るだろう。
妙に音が気になって眠れなかった。
しばらくしてメアリーが来た。
「寝ちゃったの?」
メアリーの声がした。
寝たふりを続ける。
どうしてこんなことをしているのかと考えると、ただ近寄って寝るだけのことを意識しているのが恥ずかしかったのだと思う。
ベッドに入ってきて、私にくっついてきた。そして、耳元でささやかれる、
「起きてるのバレバレよ」
ドキッとした。
どうしよう。目を開ける?
「そのままで聞いてね」
そう言われたので、そのまま寝たふりを続けることにした。
「あの日からなんだか楽になったの。ありがとう」
メアリーはさらに密着してくる。
私は返事をする訳でも目を開けるわけでもなく、近くに来た腕を引き寄せて眠った。




