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1 O→


 それは地獄のような光景だった。


 世界が壊れていく。

 空間がガラスのように割れて穴が空いた。そこから、あふれてくる白に町は消されていく。

 人々は割れた空間に落ちたり、崩壊に巻き込まれて捻じ切られたり、白い何かに触れてあり得ない姿に変形したりする。

 ・・・きっと逃げ場はないのだろう。

 町を見渡せる高い建物の屋上に私はいる。そこから眼前に広がる光景を見ていた。

 つい最近まで、普通に暮らしていたのに・・・。なぜこんなことになったのだろう?

 怖い。私もああなっちゃうのかな?

 体が震える。呼吸も速くなる。死にたくない気持ちが体にじわりと広がっていく。


「落ち着いて」


 お母様の声だ。手を握ってくれた。

 心のざわめきは少し落ち着いた気がする。


「・・・はい」


 お母様もこの惨状を眺める。


「この世界はどうなるんですか?」


「分からない。でも、私達、魔法使いがなんとかするしかないわね」


「・・・そうですか」


 私の心はグチャグチャだった。

 いきなり世界に魔法使いが現れて、戦争が激化して、今度は世界が壊れ始めた。

 そして、私の両親が魔法使いだと、ついさっき教えられた。これから戦いに行くらしい。

 世界がこんな状況なのに今さら戦って何になるんだろう?

 もう世界は終わりへ向かっていくのに・・・。それとも、ここから元に戻せる魔法でもあるのかな?そんな奇跡は起こせるのかな?

 もし、最後ならお母様とお父様と一緒にいたい。


「準備が出来たぞ」


 お父様の声。


「分かった。今、行くわ」


 お母様は頭をなでてくれた。


「シェリー。あなたには今から未来へ行ってもらいます」


 お母様の言葉を理解できなかった。

 お母様の顔を見る。

 笑っていた。怖くないのかな。それとも、隠しているだけ?


「ここから先は本当にどうなるか分からないの。でも、魔法使い(わたしたち)は今を必ず守る。だから、あたなは未来で生きて」


 涙があふれてくる。

 言葉が出てこなかった。わけが分からない。


「急いでくれ」


 お父様がせかす。


「はいはい」と、お母様は私の手を引く。


 お父様が用意していたのは床に描かれた円だった。細かい模様や見たことのない文字も描かれている。その中心に私を立たせる。


「嫌です。・・・行きたくありません。」


「人は次に繋げないといけないの。どんな形であれね。私達を恨んでもいい。だから、今だけは言うことを聞いて」


 ・・・何も言えなくなってしまった。

 お母様が抱きしめてくれる。次にお父様も・・・。


「その・・・元気でな・・・」


「・・・はい」


 こんなことになるなら、もっと話しておけばよかった。


「さて、始めましょう」


 お母様は杖を出して振ると、魔方陣が光って動き出す。

 これでお別れなんだ・・・。


「ミッチェル家は手助けをするのが役目だ。時々でいいから困っている人に手を貸してあげなさい」


 最後に・・・。


「シェリー。あなたは私達の最高の娘よ。向こうでも自信を持って生きなさい」


 体が光に包まれて、ゆっくりと消えていく。

 最後に・・・伝えないと・・・。


「お母様。お父様。ありがとうございました。・・・私、頑張ります」


 二人は微笑んでいた。


「ああ、頑張れよ」


「じゃあね。あなたと出会えて幸せよ」


 視界が白く染まり、私は意識を手放した。

 クムパプユアネ World:Mはこちらから書き始めたものです。

 本編(紗倉見)よりもスタートは昔ですが、同じ世界です。いずれ交わることもあるでしょう。

 紗倉見のお話は元々は学園系文化部のお話でした。それに魔法を使うテロリストと戦う学園バトル物のキャラクターをプラスして今の形になりました。

 こっちは仲間を集めて国を作るぞーーー。みたいなお話がスタートだった気がします。

 ゴチャゴチャですが、少しは整理できてると思います。たぶん・・・。

 もっと後でもいいかなと思ってましたが、お話の全体で重要な部分はこっちの方が多い気がしたのと我慢が出来なくなったので投稿しました。

 ガバガバかもしれませんし、文章を書くのも下手くそです。

 なので、ユルユルと読んでくれたら嬉しいです。

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