ふしぎな手袋
ゆうくんは、学校から帰って友だちと公園で遊びます。
いつも鬼ごっこをするのですが、ゆうくんはジャンケンが弱くて毎回鬼になるのです。
「いっつも鬼ばっかり。いやだなぁ」
今日も遊ぶ約束をしていたので、ゆうくんは公園に向かって歩いていました。
途中で、めがねのおばあちゃんに会いました。
「この手袋をあげるよ。遊ぶときにはめてごらん」
そう言うと、青色の手袋をくれました。
「あったかそう。ありがとう!」
ゆうくんがお礼を言ったときには、めがねのおばあちゃんはどこかへ行ってしまっていました。
ゆうくんは、公園につくと、さっそく手袋をはめました。
だいちゃんとあきくん、はるくんとゆなちゃんが集まりました。
「今日も鬼ごっこするぞ! ジャンケンしよ〜」
だいちゃんが言いました。
「いいよ」
みんなでジャンケンをします。
「ジャンケンポン!」
みんなパーをだして、ゆうくんがチョキをだしました。
「やった〜! ジャンケンに勝った~。はじめて鬼にならなくてすんだよ」
ゆうくんは大喜び。
そのあと、何度もジャンケンをしたけど、ゆうくんは負け知らずでした。
(もしかしたら、この手袋のおかげかも。えへっ、いいこと思いついた)
ゆうくんは、みんなに、
「ジャンケンで勝った人に、1番負けの人が明日の給食のプリンをあげることにしよう」
と言いました。
「えーっ、いやだよ」
はるくんが言ったけど、だいちゃんが言いました。
「面白そうじゃん。やってみようぜ」
「ジャンケンポン!」
だいちゃんが勝って、ゆうくんが1番負けになりました。
「そんなぁ〜」
青色の手袋は、ただの手袋にもどつたのでした。