ハイブリッド・コンクリート
「ほう、鋼神様とやらはそんな事も分かるのか?」
カクタシアは砂漠地帯で必須の家畜、ミツコブラクダに乗って移動していた。
話ぶりでは俺の解析能力を欲しがっている様だ。
だがそれは将来このサボテンジャーの発展を担う魔法士達の仕事だろう。
「アマリ・オレヲ・アテニ・スルナ。タノシミガ・ナクナル・ダロ?」
「・・・確かにな。いや、何でもかんでも聞くのは良くないな!」
カクタシアは研究魔法士として恥じ入った様だ。
「あたしは何でも鋼神様に聞くけどね!」
「シスター・ミリアに同じく!なのだ!」
気楽な連中だよお前らは。。。
偶然見つけた足跡など、風に吹かれて直ぐ風紋になって消えてしまう。
目には見えない痕跡を追う為に粒子キャッチ触媒を利用しているから、俺にはルートがはっきり見える。
臭いを可視化してるとも言える。
「シスター・アレッタは分からないの?ほら、感覚で、とか?」
「う〜ん。流石に砂しかないから、動物の匂いとかしないのだ。。。」
「砂漠で生きられる生物は少ない。ここでは雨がほとんど降らないから、トレントですら枯れ果ててしまう。サボテン型のトレントがサボテン魔王の正体の可能性もあるが、どうだろうな。」
ふとミリアは疑問に思った様だ。
「このラクダちゃんはどうやって生きているの?」
「ふふ、それはだな。聞いて驚け?ミツコブラクダは水魔法が使えるのだよ!」
「えー!!??うそー!?あたし、ラクダに負けたわ。。。」
ミリアは産まれた時、魔法士の適性は無かった。
ミリア自身は知らないが、現在PCMSのチャネルを通してプラズマを増強しているせいで神経回路が鍛えられ、既にやろうと思えば魔法を使える。
調子に乗るから今は黙っているが
「ま、口を湿らせる程度の小さな水球しか生まないがね。地元の人間なら子供でも知ってる事さ。」
「オレ様が思ってたより地味だった。てっきり水のブレスでも出せるのかと思った。」
「そんな事が出来たらこの砂漠で神と崇められていたさ。今でも十分、ありがたい存在だがね。」
マジックソナーは障害物が無いせいか殆ど反響せず役に立たない。
時折、希少な鉱石を見つけるが、深い場所にあり、特別なボットを用意しなければ採掘出来そうに無かった。
もしかすると、、、奴は地中に隠れているのかもしれない。
だとすれば、、、
もうすぐ蜂型ドローンのテレポータルチャネル圏外に入りそうだ。
「ミリア。イチド・ココデ・ヤスムゾ。オレハ・シバシ・カラダ・カラ・ハナレル。イザトナッタラ・ワカルナ?」
「は、はい!鋼神様!留守はお任せください!」
俺は一度、パペットグラスの地下にあるロボット加工チャンバーに意識を飛ばした。
「スナ・ト・シゲン・ヲ・オート・デ・ワケタイ」
(,,砂用エコーバイブレータ,,,,排砂モニタリング転送装置,,,,,セーフゾーンへの転送準備完了,,,,,プロトエグゾはハイブリッド・コンクリート製造機をセーフゾーンにて製作中,,,,,,,)
砂用エコーバイブレータは砂を崩れさせる装置。
排砂モニタリング転送装置は鉱石類を分別しながら排砂する。
前世では自然破壊で砂不足と呼ばれる現象が起きていた。
砂漠の砂をどうにかしようと生まれた技術が二酸化ケイ素硬化コンクリートだ。
とある触媒を利用した技術だが、砂漠で一夜城を作る事も可能だ。
洞窟以外でも建材として有用。
他にも植物のリグニンを利用したボタニカル・コンクリート技術も素晴らしい。
上記を併せて作ったのがハイブリッド・コンクリートだ。
これからロボットを鋼鉄教団で造る際には安全上、先に施設を作らなければならないだろう。
それに鋼鉄教会を3Dプリンターで作っても良いが、地元の人間を働かせるのも交流に繋がる。
排砂した砂でハイブリッド・コンクリートを作り、砂漠の地下に秘密基地が作れるだろう。




