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チクッと光る?アカリ・サボテン

「いやー、結局旅先でもシスター・メアリに助けられちゃったね!」


セイバーハンド教会でお礼に幾らか建物の綻びを修繕したり、2人とも掃除や炊き出しを手伝ったりして、まぁまぁ喜ばれていた様だ。


シスター・メアリの知り合いでなければ完全に怪しい旅人だが。


「オレ様は情けないのだ、、、宿の一つも取れないなんて、鋼神様に対する不敬だ。。。」

「マダ・タビハ・ハジマッタ・バカリダ・スコシ・カベガ・アルクライガ・チョウドイイ」

「なるほど!信仰によくある試練ってやつじゃん!?」

「!?なんかかっこいいのだ!シスター・ミリア!オレ様、全力で困ってるのだ!試練なのだ!」


全然カッコよくねぇから。


俺達はとりあえずサボテンジャー冒険者ギルドに向かった。


以前のように被害者の立場を傘にしていきなり暴力に訴えかける布教はもう通用しない。


地道に活動していくしかない。


「えーっと、掲示板ではこのサボテンジャーならではの希少価値の高いサボテンの採取依頼や、サボテン収集家の天敵である、サボテーピオンやトゲガラガラヘビの盗伐依頼なんかが多いわね!」

「あ、ピリ辛サボテンの粉末化作業だって」

「ソレナラ・オレノ・デバンダナ」

「鋼神様が人間と同じ事をする必要はありませんよ?私達にかかればピリ辛サボテンなんかチョチョイのチョイです!!」


そんな威勢のいい言葉も依頼先に行ったら出なくなったようだ。


「ゴホッ!ゴホッ!!じぬっ!!いぎでぎない!!」

「ブエーックシュン!!!ぶぇ!!がはっ!!」


「お嬢ちゃん達、勇者だねぇ!」

「若い子は中々来ないからさぁ!」

「いやぁ!!2人いるだけでも大分違うよ!!!」


支給されたマスクと手袋でピリ辛サボテンの皮剥きと乳鉢での粉砕作業、目も口も皮膚もヒリヒリして呼吸も大変そうだ。


俺は3Dプリンターでサクッと作った電動ペッパーミルでラクさせてもらっている。


「デキマシタ」

「お!ゴーレムちゃんは早いねぇ!お嬢ちゃん達も負けないように頑張りなぁ!」


「「む、むりでじゅ」」


依頼終了した頃には水でミリアとアレッタの顔をずっと洗う羽目になった。


お土産に貰ったピリ辛サボテンで作ったペペロンチーノを大層気に入ったが、次から粉末作業をする事は無かった。


「働くって大変だよね!お父さんとお母さん、すごかったんだなぁって、パペットグラスで依頼をこなしてから初めて気付いたもん!」

「オレ様、働いたことなんて無かった。神殿でぐうたらしてても、爺たちにチヤホヤされてたから。」

「ミンナ・クロウ・シテイルンダ。ソレヲ・タスケテコソ・コウテツキョウダン・ダロ?」


気を良くした2人は掲示板で新たな依頼を受けた。


暗闇で光る『アカリ・サボテン』の採取依頼だ。


探す時は金属を付けてはならないとしている。


「雷の魔法を発してしまう。最悪、死ぬ可能性あり。。。」

「オレ様の腕と脚、金属なんだが、、、」

「タブン・ダイジョウブ・ダゾ・ポッドニ・イレバ・カンデンハ・シナイ」


コレはなかなか面白いサボテンだ。


自力で電力を発生させ、損傷せずにアーク放電するサボテンなのかもしれない。


組織を分析して応用出来ればバイオサイエンス分野で寄与するかもしれない。


植物と電気の関わりは深い。


植物は常に静電気を通しており、イオンのプラスマイナスによるエネルギーの移動の仕方で成育状況が全く変わるのだ。


極端な話、これもプラズマに関わる問題だ。


アカリ・サボテンが特殊プラズマエネルギーに何らかの干渉を受けている可能性は高い。


「鋼神様の興味を引くサボテンなら、きっとすごいサボテンに違いないよ!?」

「オレ様、全力で観察だ!」


ま、こういう緩い雰囲気でやらせてもらおう。


真夜中の砂漠は静かだが、サボテーピオンが時々移動しているのが見える。


アカリ・サボテンの群生地はすぐに見つかった。


(,,,,,,,強力な電磁波を検知,,,周囲に生命体の反応無し,,,,地中にアースワイヤーを展開,,,,ラウンド・レジスタンス・フィールド展開,,,,,,)


バチバチバチバチ!!!


「おぉ!!これが雷!!」

「こんなに近くで見るのは初めてだ!」


ちょっと窮屈そうだが、2人とも保護ポッド内で観察して貰っている。


地中と空気中に電気を逃しながらアカリ・サボテンを採取していく。


普通の冒険者は群生地に絶対近付かないが、俺はお構い無し。


サボテンを解析チャンバーに入れると、体組織から『フィラメント・ニードル』と『オゾン・コントロール』の能力を獲得した。


地味な分野では農作物などの収穫量アップが期待出来るが、やはりロボットの換装に対してより強力な酸化被膜を作れる様だ。


今もう既に被膜が形成されている。


あとバチバチ光ってカッコいい。


「ピリ辛・サボテン・コツブデモ・ピリリト・カライ」


「???鋼神様はペペロンチーノが食べたいんですか?」

「オレ様、アレ大好きだ。」


「イヤ・イマノハ・コトワザダ・オマエタチ・フタリ・ノ・コトダ」


「「?」」


沢山のアカリ・サボテンを入手して冒険者ギルドではかなりの値段で買い取ってもらえた。


多くのサボテン研究者によって更に詳しい生態が解明されるだろう。


「サボテンフライは美味しいね!」

「オレ様、鋼神様が稼いだ金で食うメシ!罪深い!そして美味い!」

「イソウロウ・ノ・ミブン・ナンダカラ・フライ・タクサン・カエ」


セイバーハンズ教会では今日も腹を空かせた貧乏学生や子供がミリアとアレッタの買ってくるサボテンフライを楽しみにしている。


鋼鉄教団はひっそりとだが着実にその努力を評価されていた。

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