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サボテンジャーの街


「ソロソロ・シュッパツ・スルゾ」

「やったー!このパペットグラスも色々あったけど、いい街だったわね!全部ぶっ壊さなくてよかった!」

「鋼神様の威光を知らしめる為に、オレ様、頑張る!です!」


すっかり『鋼鉄聖女ミリア』というより、へっぽこ天然冒険者として有名になったミリアと、体調が回復した『竜巫女』アレッタを伴って俺たちは次なる目的地へ向かう。



ミリアは変わらず保護ポッドの中、アレッタは肩に乗っかって移動する様だ。


「はい、鋼神様にプレゼントです!お小遣い貯めて、作ったんです!」


ミリアは出発前に毛糸で編んだPCMSのぬいぐるみを俺にくれた。


「・・・・アリガトウ・・・・タイセツニ・スル・・・」


この世界に転生?して1年経つか経たないかだが、大分ミリアとも仲良くなった。


俺のスプロケットとモーターが少し温まった気がした。


「いいな、シスター・ミリア。オレ様、わたしも、鋼神様に何か贈りたいものだ。。。」


セイバーハンド教会のシスター・メアリには色々と引き止められていたが、そろそろ鋼鉄教団としても動かなければならなかった。


あれだけのことをしでかしておいて、布教しないわけにはいかない。



今から向かうのはここから西にあるドゥカジ・マカジルという魔法士が作った、サボテンジャーという街だ。


この風変わりな魔法士は観葉植物、特にサボテン好きで、世界中のサボテン株を収集したサボテン研究の第一人者である。


普通のサボテンから毒のあるサボテン、サボテンと見せかけた魔物や、サボテンモドキドラゴン。


サボテンに纏わるあらゆる逸話を記したドゥカジ・マカジルのサボテンジャーニーという書籍がハンドランド中で買うことができる。


街ではドゥカジの弟子達の更に弟子達がサボテン研究を引き継いでいて、食用・薬用サボテン園の管理やサボテンを利用したポーション、薬品の開発に勤しんでいる。



「サボテン・ダラケダ」

「なんだかチクチクしそうですね!」

「オレ様、わたし、サボテン大好き!ちょっとチクッとするけど、皮を剥ぐと果汁が甘くて良いおやつになる。肌にエキスを塗るのも昔ドラゴン族に流行ってた。」

「タベルト・ケンコウニ・イイ・トモ・キクナ」


街に入る時にやっぱりちょっと騒動になったが、最近クロガネとパペットグラスで有名になっている鋼鉄教団だと認知されていた。


街の衛兵の1人はなんと我々の信者で、親戚の子供から貰った鋼神ゴーレムシリーズや迷宮魔物シリーズの大ファンだという。


「本物の鋼のゴーレムですね!!!やっぱりカッコいい武器とか出せるんですか?」

「当然よ!物騒だから見せられないのが残念ね!!!」

「うぅ。。。オレ様あの武器夢に出てくるんだ。。。罪深いアレッタは鋼神様に対し、全力で尻尾を振るのだ!!!」


こうしてなんやかんやでサボテンジャーの街に入ると、とりあえず宿を取ろうとしたが、俺は大きすぎて置く場所がないと言われた。


「そのゴーレムは外に出しといておくれよ!」

「まぁ!!!なんて失礼な!!これは神聖な鋼神様のゴーレムです!!」

「なんでもいいけど商売の邪魔だよ!馬小屋は馬の為の場所だよ!気に入らないなら出てってくんな!」


怒りを通り越してミリアは呆然としたようだ。


「ムッッッッキィィィィィィ!!!!うっ、馬ですってェェェ!!??」

「オレ様、ブレスで消し飛ばそうか?」

「ヤメロ・フタリトモ。イクゾ。」


実際、CPMSは重すぎて宿屋が倒壊してしまう恐れがある。


これはロボットの抱える課題の一つだ。


軽ければ弱いし、重ければ強くなるがそのバランスを支えるしっかりとした地面が必要になる。


ぶらぶらしていると冒険者ギルドがあったが、サボテンの装飾がされていて、魔法士の数が多かった。


「あの、もしかして、鋼鉄聖女ミリア様ですか?」


魔法士の人達にも声をかけられるくらいにはミリアも有名になった様だ。


こうして魔法士達を見てみると、肌が綺麗な気がする。


「サボテンジャーはサボテン化粧品でも有名な街なんです。偉大なるドゥカジ・マカジルの業績の一つですね!」


ドゥカジ・マカジルのサボテン愛は情熱的で、妻も魔法士でサボテン・フィールドワーカーであった。


晩年、夫婦が良く話題にしていたのが、伝説のサボテン、『サボテン魔王』だ。


「サボテン魔王?」

「今でも探してる研究魔法士もいますけど、ないんじゃないかって人が大多数です。」

「きっとドゥカジ・マカジルの疲労による幻覚なんじゃないかって言われてます。変なサボテン食べちゃったとか?今でもたまにサボテンジャーのセイバーハンズ教会に救急搬送される人いますからね、サボテン中毒で。」

「ここの聖教会はサボテン毒のプロばっかりですからね!」

「興味があるなら、『ドゥカジ・マカジル・サボテン博物館』に行ってみると良いですよ?じゃ、ごきげんよう!」


去っていく魔法士達を見送ると、ミリアの腹の虫がぐーっと鳴った。


「サボテン料理、食べよっか!」

「オレ様、全力で賛成!」


初めて食べるサボテンフライは2人にとって衝撃的美味しさだったようだ。


「むむっ!!!ごはっ!!!むまい!みゅうまむみまえっまま!みんまみまもめん!(美味い!集落に帰ったら!皆んなにサボテン育てるように言わなきゃ!)」

「もめまま!!!まもめんまーむむ!!!(オレ様!サボテン大好き!)」


「オチツイテ・クエ」


こうして宿も見つけられずにサボテンジャーの初日は過ぎて行ったが、最終的にセイバーハンド教会に転がり込んで一夜を明かしたのだった。

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