愚かな冒険者達3
遂に人間の冒険者がセーフゾーン近くまできてしまったか。
それも当然か。
俺が洞窟で無力化した魔物は1000を超えてしまった。
最近はちらほら冒険者が現れてこちらを監視する動きがあるが、何せロボットは睡眠も休養も必要ない。
いつまでも俺たちに張り付いている事はできない。
キャリーボットは100体余り、水貯蔵と消火活動専門のハイドロボット、ガスのみを種類別に充填するガスボット、重油類を精製するオイルボットなどを追加で製造している。
エネルギーの選択肢を特殊プラズマに依存するのは危険だ。
このハンドランドでどれだけ特殊プラズマが存在するかは不明だし、いずれ枯渇してしまえばチートロン達は停止してしまう。
念のために全てのボットは武装させてはいるが、徒党を組んだ人間に襲われたら、浸水や爆発や有毒ガスの漏洩が起き得る。
やはり人間は潜在的脅威になり得る。
「サッサト・タチサレ・サモナケレバ・ウツゾ」
冒険者達がニヤニヤしながらこちらを品定めするように見つめている。
「なんだぁ???」
「脅してやがんのか?」
「この先に何か見られちゃマズいもんでもあるのかよ?あぁ???」
「なぁ、ゴーレムさんよ?俺たちはこの迷宮で生計立ててる訳だよ。けどアンタの主人が無茶苦茶やってくれてるせいで、俺らはもう廃業寸前なワケ?分かるか?」
どうやらこの集団のリーダーらしき人物の様だ。
「それでだ。アンタらが何考えてるか、俺たちは知りたいワケだよ?ああ、ゴーレムには長文ダメなんだっけか?おいサニー。」
「え、、えぇ、、、魔法士の動かすゴーレムは余り理解力が高くないので単純な命令や指示しか受けないと聞きますが、、、、」
おどおどしている青年はサニーというのか。
見たまんまパシリって感じだな。
「コレデ・ケイコクハ・サイゴニスル。ココヲ・タチサレ。」
リーダーの男は青筋を立てていたが、大人しく踵を返した。
「このままで終わりだと思うなよ、鉄クズが、、、、」
そうして冒険者達は去るかと思われた。
だが冒険者の1人が突然剣を抜いて俺に襲い掛かってきた。
「ここまで来て手ぶらで帰れるかよ!!それにコイツは仲間の仇だ!!!!」
「おいバカ!!」
(コンバット・プロトコル,,,,起動,,,チートロン・プラズマ・インパクト・ガン,,,38口径モード,,)
既に俺はガスブローバック方式を予備に回し、特殊プラズマ主体のエネルギー兵器へと研究を進めていた。
「殺ス!!!」
バン!!!バンバンバン!!!!
俺の左手からレーザーポインターの光が冒険者の眉間に伸びた。
破裂音と共にあっという間に骸になった仲間を見て次々と俺に襲い掛かる冒険者達。
だがプラズマ・インパクトを使いこなせる俺の敵ではない。
ただの打撃が致命の一撃となる威力だ。
(チートロン・マルチパーパス・カタナ,,,プラズマ・インパクト機能展開中,,,,)
「死に晒せや!!!!」
「サヨウナラ」
俺が軽くカタナを振ると綺麗さっぱり3つに分かれたので、俺自身も驚いた。
全く抵抗を感じないのだ。
4人目を倒したが、弱過ぎてもうなんだか飽きてきたな。
「うっ!うわぁぁぁぁ!!!??」
半狂乱になっているのはサニーとかいうひ弱そうな冒険者だ。
そのままうずくまっててくれこっちも好きでやってるワケじゃないから。。。
「ベッカーをやりやがったな!!!!ここまでやられておめおめ帰れるか!!!借りは返させてもらうぜ!!『フルブースト』!!!!」
リーダーの男が死兵となって最後の抵抗をする様だ。
ここは実験も兼ねて一撃を受けてみるか。
「オラァァァァ!!!!」
ズガァッ!!!
(ライトアーム前腕部に亀裂,,,,,ポリマーの自動修復開始,,,,,,)
ほう。
そんな脆い武器で俺の腕に刃を食い込ませるとは。
どうやらこの男も特殊プラズマをなんらかの形で使える様だった。
「・・・・・」
「!?ザックスさん!?」
そして今目の前にいる俺を斬りつけた男は動かない。
いや、正確には動けないのだ。
何故なら俺の機体プロトエグゾは自動防衛システムにプラズマ属性の一つ、『パラライズ化』が機能しているからだ。
「あ、あのゴーレムはどこへ!?」
ちなみに『ステルス化』も展開しているから、狼狽えているサニーという冒険者の目の前で麻痺して無防備なリーダーの首に刀を振り下ろしているところだった。
「あっ」
こうして1人の人間を残して敵対的な冒険者は排除した。
しかし、プラズマの換装を進めなければ、状況の悪化に対応できないことがよく分かった。




