宗教(AFNF)
最も広く信ぜられている宗教。起源不明、最古の遺跡は遠く離れた星「ファル・シュルファ」に在る「ファル・シュルファ遺跡群」である。広範囲に分布する為、同じ惑星であっても地域・信者で伝承に差がある事が珍しくない。其の伝承には、矛盾など民間伝承と習合した形跡が多くある。
共通する伝承としては、アルファットとナルファットという二つの世界があるという事、現実は其の二世界の内何方かであるとする事、神々の多くはアルファット・ナルファット間の壁を越えた存在であるとする事、などがある。
神々は「eŋnica-tsell」(内なる神)と「peokem-tsell」(外なる神)とに分けられる。eŋnica-tsellは古くからAFNFで進行されている神、peokem-tsellは新しく信仰され始めた神とされているが信者間で分類に差がある。又、現人神的なものとして神と人間(或いは龍など、要は「現世」に存在する知的生命体)とが融合して現れる特殊な存在〈アルクヲーツヷ〉がある。〈アルクヲーツヷ〉は普段は普通の生命体として活動しているが、彼れにとって看過できない事態が発生した場合に神の力を使うとされる。
AFNFの主な神
・ネルチャガン(NELTYGN)
象徴は黄色い蜻蛉。メガネウラを模した神とされ、人の姿では背中に二対の羽を持つ。それと黄色い蜻蛉の姿と以外は不明であるが、ファル・シュルファ遺跡群の記述でも既に〈アルクヲーツヷ・ネルチャガン〉は代々〈アルクヲーツヷ・ナルアッヺン〉となった者がなるとされていた。ファル・シュルファ遺跡群では翅は手としてあるものも存在する。普段は木の幹の中に黄色い蜻蛉の姿で眠っている。
有「史」以前に空の神カテニシクメ及び他地域の諸宗教で世界を創った神と習合し、神々の中のにおいても神と称される程の絶対的な力を持った神となり、AFNFの神の棲まう場所、「村」(アルファット、ペキシスとも)の長とされるようになった。伝承では大地を創ったとされるが其れは「此処」では無いと専門家の調査で明らかになっている。
・ナルアッヺン(NALA’VVON)
壁画では常に赤色で描かれ、〈アルクヲーツヷ・ナルアッヺン〉の「目」の色も赤。棒人間を基に、首から足までふさふさと生えた毛、翼状の腕を持った神として描かれることが多く、象徴の赤い鳥も其れを模している。
WWIIIにて人類(旧人類)を助けた。本来は「熒惑」に移住した生命体に信仰されていた神だったが、現在は異端とされる。習合を経験しているが、性格は当初から異端的であったようである。屢神の扱いを受けない。
人間などヺニ(VONI)、現実の知ある命に欲のない生活を送るように、と神話では諭していた他の神とは違って、初期から人に欲望を与えていたとされる。自由気儘に生活し、神話ではしょっちゅうペキシスを抜け出しては、恋をし、キ・ヷ・ヺニの祖になったとされている。
・アルノワー(AL’NOWER)
赤い神。恐ろしき神と呼ばれる。アノマロカリスに似た姿をしており、遺跡では前部付属肢が下に垂れた形で描かれることが最も多く、鰭の数は安定しない。絵画では人の様な姿を持たず、アルクヲーツヷの祖とも言われる。
元々はナルアッヺンと婚い、夫婦の契りを結んだ仲(所謂「異邦人」の如く二柱に性別は無い)だったが、海と空とと云うこともあって疎遠になり、ナルアッヺンが他の世界に惹きつけられるようになってから特に悪い関係になってしまった。現在信者は居ない。
・テサノタ (TESANOTA)
例外的に平仮名で綴られる事もある。ワタヌキとザサンとで原始太陽系を支配していた神の一柱。伝承には「ワタヌキとテサノタとが二人で埃を集めて遊んでいるとザサンが生まれ、二人は彼を育てながら遊びもして、其れが太陽系となった」とある。「本来は大きな力を持っていたが今は力をおさえられてしまっている」という見解がなされることが多い。
「現在」に於ては現存する記録からは起源が不明であるものの、其の特徴が描写されることも無く遺跡には文字のみで記録が記されていることから「文字其の物」の神であると云う推測が建てられている。
本来は原始太陽系では無く「将来の仲間の星」を支配する神として描かれていた。後に実際に地球で信仰される宗教に登場する神の一柱はテサノタであると云う偏見を赤い異邦人に齎した。
AFNFの規則など
特に生活を縛るものではない。神殿も存在せず、町の空間を切り取って儀式の場所とする。併し其れ故多くの別宗教の神を取り込んできた為に「現在」の他の宗教の神々や其の下の民族には習合を拒否する事もある。