国家
国家名の幾つか(介湾、ナラグアイ)は友人の命名です。
国家
此処で解説する国で塗り分けられた地図。日本語に用いられる文字での表記。
此処で解説する国で塗り分けられた地図。ラテン文字による表記。
東側
・デルトア(出十亜)共和国(Delt'a)
東側の旧宗主国デルトア(出流兎亜)(魔王による国家の一つ)の名前を引き継ぐ共和国。略称は出。東に於合、南東にエディ、南西に中立の国家リオサムとシナ連合、西に西側の国家ジルトニアがあり接する。往時の国土の約半分が現在の領土である。西側は泥炭地で、「世界」一広い湿原でもある。出流兎亜時代の巨大噴火で出来たカルデラ湖「ベーリス(Beh’eris)湖」に共和制移行後新しく「ダイヌ(Dine’u)島」が出来、活動が鎮静化して直ぐに天文台が設置された。ダイヌ島の全域は天文台の撤去の後に異世界転生者の特別居住区となっている(濫觴は共和国政府による支配の確立以前に「自治政府」と称する各地域の組織が行った転生者に対する圧政に対して「賠償」を求めた転生者の運動)。南東に突き出た部分はコーネールスト砂漠と云う出流兎亜以前から人間が集団生活している地域があり、其れを塞ぐ様に北東南東方向に鬱蒼とした森林、神籬デル(現在はとdᵫlと綴る)が広がっている。
・介湾(東出十亜共和国)(Kaiwan)
出十亜が現在の地域の全てを安定して治める様になって直ぐ、介湾の開発計画を凍結すると発表した際に、暴動など住民の反対に遭い、結果的に独立して成立した国家。略称は介。出流兎亜崩壊時の「自治政府」とは全く関係を持たない国家でもある。エディと介湾海峡で隔てられたエディアニ島全土と其の周辺の島嶼群(主にエディアニ島から見て南方向に位置する)を領有する島国。本来は出十亜の政党である介湾開発党が政権を握っている。議会制民主主義、民主的共和制の国家。
・エディ(枝伊)共和国(Eddy)
基本的に枝と略され、漢字表記で枝伊と書かれる事は殆ど無い。南部の川の甌穴群や二千年以上前に人類による文明の中心地となった筆音遺跡などによる観光資源に富む国である。南部の海に突出したフィサキ岬の灯台、甌穴群の川の河口をなぞる様にある介湾海峡の流れの緩やかな部分など海上交通に無くてはならない国家である。筆音遺跡の他、出流兎亜時代の都市エヅ(イェドゥ)がコーネールスト砂漠に程近い北部のテスケルメニシア台地に存在するが、出流兎亜を忌む風潮があり保存事業が全くなされていない。北で合為に、北西で出十亜とリオサムとに、西でファーヌとオルトサとに接する。
・オア(於亜)共和国(Orr)
略称は於。オアは元々現在の於合を指す言葉で、出流兎亜時代の現在の於亜を指す旧称はウテシア(uteRhia、Utesia)。北部と東部とが海(ヘ灘)に面しているが、不凍港は無い。於合国境は山脈。首都はオアニスク(拉字表記:Orrnisk)。オコンネルグラード(拉字表記:O'connelgrad)など大都市がある。西は出十亜共和国。
・アーウィック(合為来)王国(Urwick)
東側唯一の立憲君主制国家。略称は合為、又は合。人の国と君主制オアとの統合を経て成立した。此の作品の舞台は主に此処である。行政区画は郡制と町村制である。行政区画で郡にも町村にも属さない特例がとられている唯一の都市は王都でもあるダルンデネト(特別区)。此の漢字表記は梛流无弟禰杜で、拉字表記にはDalndenetとDallndenetの二種類がある。大都市としては他に波無津などがある。嘗て、筆音遺跡が実際に町であった時代、粘土は合為から運ばれていた為「筆音の瀬戸」と言う名称もあったが廃れた。北は於亜、西は出十亜、南はエディ。
・イーステン共和国(イーステン及び其の南部諸島連合)
略称は東。大陸に領土が無い島国の為、東側の国としては省かれることが殆どである。其の際は出於合枝介(De-O-Ur-E-Ka)とも言われる。最も大きい領土のイーステン島は出流兎亜が纏まり始めた頃に大陸を集団で脱出した魔女が発見したが、大陸側に認知されたのは航空機の実験が切っ掛けであった。南部は珊瑚礁による島で、住んでいる殆どの人間は鳥人や貝人などである。「イーステン」の由来は転生者間で生れたピジン言語で「東方」を表す単語。
西側
・アーティア/星亞(earthtia)
最西端の島国。本島は現実のアイスランドの様に海嶺火山とホットスポットが重複しており火山活動が活発。其の為、「大地の母」とも呼ばれている。島の中央に火山によって出来たパカヘ山脈、西側に何らかの魔法によって火砕流が来ても地形が変化しない謎のカルスト地形及び悪地のケパサシン台地、北西に東の境フェンタタ川と西の境タタクメ川とが其の儘夫々フェンタタ海底谷とタタクメ海底谷となっているヌ湿原など変化に富んだ地形があり、各地域で独自の習わしや言語を持った集団が生活している。
・ニシランド/西土(Nishiland)
歴史的な事情により医療が盛んな王国。大陸の西端にあり、災害が多く、他国の様に行政区画を設置すると余りの災害の多さに再編が間に合わないとも言われている。行政区画は行政区・災害多発地帯・(川に沿った)沿岸の三種からなり、決まった王都が無い。災害の多さ故に通信網が最も発達した国家となった。被災者が多かった事もあって医療が発達し、多くの医者の故郷が此処である。現在は他の国々へ医者の派遣を行ってもいる。北東にジルトニア、南東にファクツーギがある。ニシランド最東の地点ではニシランド・ジルトニア・ナラグアイ・ファクツーギとが接している。
・ジルトニア/告戸丹吾(Ziltonia)
以前は海に面しているのは北側と東側とだったが、湿原の発達に伴って北側のみになった(其の後東に成立した出流兎亜と接するようになり、現在東は出十亜と接している)。北側の柱状節理の海岸は年々隆起しており、其の影響で海岸の直ぐ南の地下の石灰岩の地帯に鍾乳洞が形成されている。此れは大きな観光資源となっている。
現在ファクツーギの領有するファクツーギと最内陸部の、デストシア(Ntestorsiha)(現地名:ナラグアイ(Naraguai))と呼ばれる龍人の支配下にある最奥部の領有を巡って対立している。
・ファクツーギ/掃痛城(Fŭk-tsu-gi)
ファクツーギのŭは常にŭである。此れは「ファク」ツーギという単語が第一音節に長いアクセントを置くファクツーギの言語において、例外的である為である(此れの起源は国名としてのファクツーギが魔王時代に複合語の第二成分であった為である)。ブレーヴェが無い場合フークツギになってしまい此れは嘗て魔王による国家だった時代の首都フウクツンキ或いは其れを潰滅させた隕石による隕石孔であるフウクツンキ隕石孔を指す。
東部のバルテシヌムは農業都市として栄え、西側諸国の食糧庫と呼ばれる。同じく東部にはトストナージュ奇岩と云う周辺の砂漠地帯の人間の信仰対象となっている岩がある。此の奇岩に囲まれた場所にある穴は地下の広大な洞窟(エペリガンデ洞窟)と通じており、筆音遺跡とほぼ同年代か其の直後(千八百年前迄)に描かれたエペリガンデ洞窟壁画群が現在も色鮮やかに残っている(何故埋まっていないのかは不明)。此の壁画の一部は文字の原型の可能性があるとされる。
遊牧民が多く人口の詳細が判らないことに難を感じている。
東部にあるバルテシヌムはフウクツンキ隕石孔形成後に河川流路の変化で流入する水量が増加した事により栄え始めた農業都市である。
中立
・シナ連合/S(h)ina
(h)は方言によって消える音素を表記する為のラテン文字転写法に基づく。構成国は北部の北史公国(Norlt Shi Duchy)(首都津幡生)が最大。他には中部にテスタスタン(Tesutasutan)、首都はエルタシア(Artrhja)、南部にチーニャ国(Thienywallgh)、首都はエルタシア(Hlrtarsyaa)がある。西側に含まれることもある。テサノタ派である為、宗教的に他国との対立が多い。北史公国北東部・出十亜国境付近から南に流れる渡川はテスタスタン・チーニャ国を通っており、此れの周辺にシナ中心文化(文字の記録から別名オキュトオウ(Ocjtow))と呼ばれる独自の信仰を持っていた事が判っているが、音韻は判明しているが言語が不明であり調査中である。
テスタスタン・チーニャ国の国境地帯にはシナ素粒子研究機関が存在し、「世界」最大の粒子加速器「テメニケ三号」3Tdemeňiké、ヘリカル型核融合炉「メシネッテ十号」11Messidnette(両者共由来はシナ中心文化で主に信仰されていたとみられる上位存在の名前。尚シナ連合は一般に九進法を用いる)などを用いた研究で「世界」の物理学の主導的立場に立っている。
・・北史公国/Norlt Shi Duchy
ポヒ(Poxi, Pocsi, Poksi)公爵家を長とする立憲君主制国家。
実際の首都は津幡生であるが、議会の本拠地・省庁の置かれる場所は津幡生から放射状に各地に分散している。此の理由には津幡生がシナ砂漠にある為省庁が一箇所に集中すると水不足に陥る事が理由とされている。渡川はシナ砂漠内の多くでは水無川で、砂漠から出て直ぐ南の下長津郡で地表に顔を出す。各地で使われる用水路は多くがシナ中心文化時代に造られたものである。
広湿原が未だ海であり、ペ湾と呼ばれていた時代、三角洲であったペクシーバ(Fehkseuba)が港として栄えていたが現在は廃村である。
成立時代や、国名に含まれるシShiやズキュDuckyの意味は長らく不明であったが、近年のオキュトオウ遺跡の発掘の進展により成立は人類移住とほぼ同時期である事、シは地名であり、ズキュは王を意味する事が分かった。
・・テスタスタン/Tesutasutan
中部の首都エルタシアは渡川の支流である川トクソメタニ(Tokusometanj)が中心に流れ、トクソメタニと共に発展してきた。エルタシアの語源はシナ中心文化の言語にあるとされている。トクソメタニは重要な生活資源であったが水源がシナ砂漠の砂で埋まり、物語の開始の頃に枯れた。現在諸々の都市機能が砂漠化を食い止める魔法によって維持されており、近々遷都するのではないかとの百年以上に亘って流布してきた噂が現実味を帯びてきている。
南東部のチーニャ国との国境地帯(地名はメクレメ(Mekuremĵ))にはチーニャ国のテストナーチェ(tesutonaazje)に跨るシナ素粒子研究機関が存在し、ルゥ最大の粒子加速器「テメニケ三号」3Tdemeňikéがあり、チーニャ国側にはヘリカル型核融合炉「メシネッテ十号」11Messidnetteがある。
・・チーニャ国/Thienywallgh
シナ中心文化の特徴を色濃く受け継いでいるとされる排他的な民族「ト」が多数派を占める封建的な国家(wallgh)。科学技術の発展を支援しており、出流兎亜の魔王による出流兎亜が現代に繋がる技術を発明する以前から高度な技術、例えばステルス、飛行機、ドリル、地上千米を越える建造物を建てる技術などを持っている。入国は公に認められている国家の中で最も厳しいとされるが、例外的に窓の無い舟での渡川の身分証明なしの川下りは許可されている。
・リオサム/酈治、酈菸紗牟/Reosam
首都は新洛邑だが、事実上の首都は甼博で政府や国会が集中している。両都市とも交通の要所。
・オルトサ/居門狭/Woltsa, Olt'sa
漢名は小狸卯屠宱国。意味は「小さな狸(悪賢い人)が茂り、其れを屠った心の広い国」と云う意味である。当然此れは変体漢文である。(勿論現在では此の価値観は古びており支持されない。)
・ファーヌ/葉野/Farnu, Fa-nu
国家の漢名は龗溪?岠国で「りゃうけいほきご」と読まれる。?に入る字は冠の場所に「山」がある「川」の字(U+21D45)。オルトサとファーヌとは旧オルトサ=ファーヌ連邦(オルハ/居葉連邦)の構成国であり、互いに仲がいい。首都はファーヌテアルクスク(Farnutēallk^sk)で漢名は龗都。自然が多く残り国立公園が多い。
滅亡した国家
・出流兎亜Delt'a
一人の人間によって成立し、出於合枝介地域を支配した国家。山脈や海、泥炭地によって開拓を免れていた現在で云う「東側」の諸民族に対して彼れが伝統を守る為に連合を組む事を提案し、居住地や種族に関わらず各の村から支持された為成立した。現在のエディにエヅを建設し都市とし、初期は彼れが代表を務め全権を握っていたが、彼れが各の村から一人の代表者を出し、其の集まり以て「纏会」とする「各地域の主張を基に意思決定する」方法を主張して代表から退き、「象徴」となった。代表者を用いる此の方法は此の世界に於ける民主主義の萌芽とされる。「現在」から凡そ百年前、(狭義)人優越運動がおこったことを切っ掛けに、L’1952年、七・二三事件と呼ばれる狭義の人間による出流兎亜政府及び彼れの住宅への襲撃が起こり、様々な地域で「抑圧されていた」事を主張する団体の活動による「自治政府」が各地を治め始めた為崩壊した。
・アルグメAlgume
吸血鬼が君臨した現在のジルトニア及びナラグアイに相当する地域に成立した国。何時成立したのか定かではないが、有史以前からの可能性がある程非常に古く長い歴史を持つ。政治体制は封建的で、吸血鬼以外でも国民となる事が可能であった。吸血鬼の為の地下都市が現在もジルトニア北部に残る。併し、石灰岩の地層だった為に、拡大して大規模な洞窟、鍾乳洞となっている。此の「旧アルグメ地下都市鍾乳洞」は観光資源として活用されているが、大規模な崩落が発生した為人気が衰えている。