5目覚めました(二日後に)
遅くなり、すみませんでした。今後も構成を考え直しながらの更新になりますので、次の更新まで時間がかかるかもしれませんが、温かく見守っていただけると幸いです。これからも応援のほどよろしくお願いします。
「…フィ、まだ……かい?そろそろ目を覚ましてくれ…。…も、…も心配しているから。」
なんだろう誰かがわたしを呼んでいる気がする。少し静かにしてくれないかなぁ、まだ寝てたいのに…。
まだ寝ていたい…。でも、起きなきゃいけない気がする…。でも……。仕方がない…起きるかな。
そう思いながら目を開けると…
「サフィ、良かった、目を覚ましたんだね。どこか痛いとこらや苦しいところなどはないかい?」
お父様がほっとした様子でわたしに問いかけてきた。
その時にわたしは唐突に理解してしまった。ああ、そうなのかやっぱりこの世界は『セイオト』の世界で間違いないのか…。でもサフィはもう…。
「サフィ?黙っているけどやはり体調がすぐれないのかい?何せ日丸二日も眠っていたのだから無理もないだろう。」
ん?今丸二日も寝ていたと聞こえたけれど聞き間違いなのだろうか?
「お父様、今丸二日寝ていたと聞こえましたが、聞き間違いでしょうか?」
「いや、聞き間違いではないよ。わたしたちが部屋を出てから数刻たっても何も呼びかけがなかったから心配になって部屋に入らせてもらったら、倒れているのを見つけたんだ。それから医者を呼んでみてもらったけれど、どこも悪いところはないといわれていたけれど、さすがに今回は肝が冷えたよ。ただ、二日たっても起きないから心配になっていたんだ。でも、本当に目覚めてくれてよかった。今メイドにお母様とルドを呼びに行ってもらっている。二人とも君のことを心配していたからすぐに来ると思うよ。」
心配させてしまっていたのか…、本当に申し訳ないことをしてしまった。
ただ、なぜここにお父様がいるのだろう?仕事に行かなくてもよいのだろうか?
「お父様、なぜお父様はここにいるのでしょうか?本来ならばお仕事をしているはずでは?」
「サフィ、記憶が戻ったのかい⁉」
「お父様、記憶に関してはお母様とルド兄様が来てからお話しします。ですから、はぐらかさず、わたしの質問に答えてくださいね。お父様は、この時間はお仕事をなさって居るはずですよね、なぜここにいるのでしょうか?まさか、私が倒れて、仕事が手につかないから休んだとか言いませんよね?」と圧を込めつつ問うと、
「そ、それは…。えっと…。」
「お父様、本当のことをおっしゃってくださいね。」ダメ押しのごとく圧をかけつつ言うと。
「すまなかった。サフィが倒れてから心配で二日間とも仕事を休んでいた。ただ、急ぎのものはないから問題はない。」
「そうですか…。でも、わたしのために仕事を休むのはやめてください。急ぎのお仕事がなくとも。あ、あともう一つ質問なのですが、まさかとは思いますがずっとわたしのそばにいたとか言いませんよね…?」
…………。
「ずっとそばにいたわけだはないぞ、わたしかリトかルドが順番でサフィのそばにいたのだがな。」
この人は本当にサフィのことが心配で、ずっとそばにいてくれたのだろう。そんな様子を見ていると、ここは『セイオト』の世界なのだろうけど、ゲームのままの世界ではないのだろうと確信することが出来る。本来の『セイオト』の世界ならばサフィと家族の関係は冷え切っていて誰も心配してくれることはなかっただろうから。
そんなことを考えていると扉をたたく音がして、続けて声がかかった。